読書日記

お薦めの本を紹介します

原発事故に遭遇した人々の悲しみと衝撃を伝える

 チェルノブイリの祈り 未来の物語

著者 スベトラーナ・アレクシエービッチ (訳)松本妙子 岩波書店 

 

チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)

チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)

 

 

この本は、チェルノブイリ原発事故の事実関係を解明しようとした本ではなく、チェルノブイリ原発周辺で暮らしていた人々が被曝により人生を狂わされたことを描いてます。

 著者のアレクシエービッチ氏が、精力的かつ誠実に取材を行っていて、多くの人々の証言により、悲しみが伝わってきます。

スベトラーナ・アレクシエービッチ

 1948年ウクライナ生まれ。国立ベラルーシ大学卒業後、ジャーナリストの道を歩む。民の視点に立って、戦争の英雄神話をうちこわし、国家の圧迫に抗い続けながら執筆活動を続ける。2015年ノーベル文学賞受賞。

 翻訳された著書に「アフガン帰還兵の証言」、「戦争は女の顔をしていない」、「ボタン穴から見た戦争」など。

内容紹介

 1986年の巨大原発事故に遭遇した人々の悲しみと衝撃とは何か。本書は普通の人々が黙してきたことを、被災地での丹念な取材で聞き取る珠玉のドキュメント。汚染地に留まり続ける老婆。酒の力を借りて事故処理作業に従事する男。戦火の故郷を離れて汚染地で暮らす若者。四半世紀後の福島原発事故の渦中に、チェルノブイリの真実が甦る。

目次

   孤独な人間の声

   見落とされた歴史について

第一章 死者たちの大地

   兵士たちの合唱

第二章 万物の霊長

   人々の合唱

第三章 悲しみをのりこえて

   子どもたちの合唱

   孤独な人間の声

事故に関する歴史的情報

エピローグに代えて

訳者あとがき

岩波現代文庫版訳者あとがき

解説 広河隆一