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夢の対談で夢を実現する発想法

 夢を実現する発想法

 山中伸弥  川口淳一郎  致知出版社 
夢を実現する発想法

夢を実現する発想法

  

 ips細胞の山中伸弥氏とはやぶさ川口淳一郎氏の日本を代表する科学者の夢の対談です。第一章は山中氏から若者へのメッセージ、第ニ章はおふたりの対談、第三章は川口氏から若者へのメッセージとなっています。
 おふたりとも日本人なら知らない人はいないという偉業を成し遂げた科学者ですが、どちらもチームワークの大切さや研究に向う志、何よりも人の思い、心を重要視されている点に大変心を打たれます。
山中先生が柔道で何度も大けがをなさり、お父様を病気で失い、臨床の外科医になるよりも研究を志したことをこの本で初めて知りました。
川口先生は人類の活動範囲を広げることを現在のミッションと位置付けられ、宇宙への情熱と実践を続けておいでです。
本書は、これだけの偉業を成し遂げた方が語る思いがこれだけわかりやすく暖かく、何度も読み返すそのたびに新しい発見ができるコンパクトな本です。
出来れば、もう少しお二人の対談をふくらませてさまざまな事象について縦横に語っていただきたいなと思いました。

一流の科学者と呼ばれる人がこのように明るく元気でたゆみない努力を続け、人類全体の底上げに尽力してくださっていて、しかもそれが日本人だということに心から感謝します。
「夢を越える夢」を実現なさったお二人からの力強い励ましを受け取れます。

 内容紹介

世紀の対談! iPS細胞×はやぶさ iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥氏と、「はやぶさ」のプロジェクトマネージャとして、世界初となる小惑星サンプルリターンを実現した川口淳一郎氏による初の対談本。 「細胞研究」と「宇宙開発」という異なる分野ながら、山中氏は同じ科学者として、かねてより川口氏のことを尊敬されていたといいます。本書はともに新境地を開拓し、世界初の偉業を成し遂げた両氏による、夢を実現するための発想法や、日本人、そして人類が進むべき道についてともに語り合った一冊です。 対談の他に、ノーベル賞の受賞直前、高校生を対象に行われた山中氏の講演録(2012年7月19日京都大学)、自らの歩みを振り返りつつ、若い世代へ向けて語った川口氏のメッセージも収録されています。

◆本書の内容◆ 第1章 未来の扉をひらく鍵 ~二度の挫折から生まれたノーベル賞~ (山中伸弥氏の講演録) 第2章 はやぶさ×iPS細胞 道はこうして拓けた ~世紀の偉業を成し得たもの (川口淳一郎氏×山中伸弥氏) 第3章 自らの塔を建てよ ~「はやぶさ」はなぜ世界初を実現できたか~ (川口淳一郎氏) ◇ 行き詰まった時は発想を変える ◇ 人生を支えた母の教え ◇ 夢を実現する10の発想法 ◇ iPS細胞、世紀の大発見はこうして生まれた ◇ 成功の条件は「VW」の2文字 ◇ 田中耕一氏と山中伸弥氏の共通点 ◇「はやぶさ」の帰還に勇気づけられた ◇ 山中氏のノーベル賞に思うこと ……etc

著者紹介

山中 伸弥(やまなか・しんや)

昭和37年大阪府生まれ。62年神戸大学医学部卒業、平成5年大阪市立大学大学院医学研究科修了、米国留学後、大阪市立大学医学部助手、奈良先端科学技術大学院大学遺伝子教育センター助教授及び教授、京都大学再生医科学研究所教授を経て、22年より現職。受精卵を用いずに様々な組織に分化する可能性を持つ人工多能性幹(iPS)細胞をマウスの皮膚細胞からつくり出すことに成功。19年ヒトの皮膚細胞からiPS細胞をつくり出すことにも成功した。アルバート・ラスカー基礎医学研究賞ウルフ賞など受賞多数。24年ノーベル医学賞・生理学賞受賞。

川口 淳一郎(かわぐち・じゅんいちろう)

昭和30年青森県生まれ。53年京都大学工学部機械工学科卒業。58年東京大学大学院工学系研究科航空学専攻博士課程修了。同年旧文部省宇宙科学研究所システム研究系助手に着任し、平成12年教授に。「さきがけ」「すいせい」などの科学衛星ミッションに携わり、「はやぶさ」ではプロジェクトマネージャを務めた。15年に日本から打ち上げられた「はやぶさ」は何度も帰還が危ぶまれたが、7年ぶりに地球に帰還。小惑星のサンプルリターン達成は世界初。

目次

はじめに~失敗こそが成功へ至る道~ 山中伸弥

第1章 【若き世代へのメッセージ1】未来の扉をひらく鍵

―二度の挫折から生まれたノーベル賞

(大阪の町工場で生まれ育った / 行き詰まった時は発想を変える / いまも生きる母の教え ほか)
第2章【 はやぶさ×iPS細胞 】道はこうして拓けた

―世紀の偉業を成し得たもの

(「はやぶさ」の帰還に勇気づけられた / 科学者は二面の顔を持て / これからの宇宙旅行にはiPS細胞を携えて ほか)
第3章 【若き世代へのメッセージ2 】自らの塔を建てよ

―「はやぶさ」はなぜ世界初を実現できたか

(独特の文化が根づく弘前市 /「学び」からの脱皮 / 「変人」の集団に入って ほか)

あとがき~旧きは要らぬ新しきを知れ~ 川口淳一郎

参考図書 

 

 

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 関連サイト

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https://www.chichi.co.jp/web/20190304_yamanaka_vw/ 
2019/03/04 - 様々な新しい治療法への道を開く可能性を持つ、iPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥さん。その研究の原点には、若くして病で亡くなった父親の姿、アメリカ時代の師に学んだ「VW」の ...
 

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