歴史を考えるヒント
網野善彦 新潮文庫
本書は、新潮社主催の連続講座の「歴史の中の言葉」の話をもとにして、まとめたもので、たいへん分かりやすく書かれてます。普段は何気なく使っている言葉の由来から始まり、日本の歴史を考える内容となってます。「日本」という国の名前の由来、「列島の多様な地域」、「地域名の誕生」、「百姓」の本来の意味、被差別民の呼称等が分かりやすく説明されてます。
内容紹介
日本、百姓、金融…。歴史の中で出会う言葉に、現代の意味を押しつけていませんか。「国名」は誰が決めたのか。「百姓=農民」という誤解。そして、聖なる「金融」が俗なるものへと堕ちた理由。これらの語義を知ったとき、あなたが見慣れた歴史の、日本の、世界の風景が一変する。みんなが知りたかった「本当の日本史」を、中世史の大家が易しく語り直す。日本像を塗り替える名著。
著者紹介
1928‐2004。山梨県生れ。東京大学文学部卒業。日本常民文化研究所研究員、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授を務めた。専門は日本中世史、日本海民史
目次
1 「日本」という国名
2 列島の多様な地域
3 地域名の誕生
4 「普通の人々」の呼称
5 誤解された「百姓」
6 不自由民と職能民
7 被差別民の呼称
8 商業用語について
9 日常用語の中から
10 あとがき