THE LAST GIRL
イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語
ナディア・ムラド ジェナ・クラジェスキ [訳]吉井 智津 東洋館出版社
THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―
- 作者: ナディア・ムラド,吉井智津
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: 単行本
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本書は、人権活動家ナディア・ムラド氏の壮絶な体験をつづった物語です。同氏は2018年に「戦争および紛争下において、武器としての性暴力を根絶するために尽力したこと」によりノーベル平和賞を受賞してます。
現在はイスラム国を国際刑事裁判所の法定に立たせるために活動中です。
本書の前半部分は、村人たちの貧しくも平和な村人たちの暮らしが描かれます。中東の風習や宗教については、日本人として馴染みにくい、理解しにくい部分もありますが、家族愛や隣人愛、平和を愛する心は共通しています。
イスラム国が村を襲撃し、虐殺、性暴力が始まってからは、まさに凄惨の一言。現実にあったこととは信じたくないほど、すさまじいものです。
一人の女性の勇気ある発信で明らかになるイスラム国の実態。
「こんな目に遭うのは、私を最後にしてほしい(LAST GIRL)」という彼女の願いが、かなってほしいです。
内容紹介
2018年ノーベル平和賞受賞! ナディア・ムラドの自伝刊行!
「戦下における武器としての性暴力の根絶に尽力」
これはすべて、この世界で起きたこと――
2014年にイラクで起こった大虐殺。家族を失い、自らも性奴隷として地獄の苦しみを受けたナディアがその体験と、生還までの道を圧倒的な臨場感で物語る。
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「この世界でこのような体験をする女性は、私を最後(ラスト・ガール)にするために――」
貧しくも平和な村で、愛する家族と暮らしていたナディア・ムラド。
しかし、イスラム国の脅威は次第に強まり、ついに虐殺と収奪の日が訪れた――
平和で、互いに支え合うヤズィディの人々の暮らし。
イスラム国による虐殺や性暴力・暴力の凄惨な実態。
決死の覚悟で脱出し、支配地域の現状を世界に発信するまでに、彼女を支え続けた人々。
一人の女性の身に起こった、生還と闘いの物語。
今、世界でもっとも注目されるノーベル賞平和賞受賞者の自伝、ついに翻訳刊行。
著者紹介
ナディア・ムラド
人権活動家。ヴァーツラフ・ハヴェル人権賞、サハロフ賞を受賞し、人身売買の被害者らの尊厳を訴える国連親善大使に就任した。現在は、ヤズィディの権利擁護団体ヤズダとともに、イスラム国を大量虐殺と人道に対する罪で国際刑事裁判所の法廷に立たせるべく活動している。2018年、デニ・ムクウェゲ氏とともにノーベル平和賞を受賞。
ジェナ・クラジェスキ
ジャーナリスト。ニューヨークを拠点に活動し、トルコ、エジプト、イラク、シリア関連の記事を、「ニューヨーカー」、「スレート」、「ネイション」、「ヴァージニア・クウォータリー・レビュー」などのメディアで執筆している。2016年度ミシガン大学ナイト・ウォレス・フェロー。
目次
序文
第一部
第二部
第三部
エピローグ