猫の世界史
キャサリン・M・ロジャーズ [訳] 渡辺 智 エクスナレッジ
本書は、原題"CAT"(2006)の邦訳版です。猫の歴史を古代エジプトから20世紀まで、豊富な挿絵と共に分かりやすく解説したものです。古代エジプトでは神だった猫ですが、ヨーロッパでは近代まで文学・絵画両方の分野において猫の扱いがあまり良くないようです。猫を熱烈に語ったり、描いたりするのは19世紀以降のようで、それに比べると日本はまだ猫を大切にしてきたと思います。巻末の猫の歴史年表は初めて見るもので、面白い発想だと思いましたが、もうちょっと歴史上の重要な出来事や文化なども一緒に掲載するとよいと思いました。
内容紹介
猫好き必修科目!
愛される猫、嫌われる猫、可愛らしい猫、したたかな猫
化ける猫、騙す猫、苛められる猫、義理堅い猫……
それでもかかずにはいられない、猫と人が歩んだ4000年の物語
古代エジプトから、古代ギリシャ・ローマの時代から
猫と私たちの関係は始まっています。
今や世界で一番人気のペットとして不動の地位を築きましたが
実はそこまでの道のりは、長く厳しいものでした。
愛されて家族の一員として一緒に暮らしていることもあれば
単なるネズミ捕りとして飼われていることもあれば
悲しいことに、苛めるのにちょうどいいなど、ひどい扱いを受けることもありました。
そんな猫が歩んできた、山あり谷ありの人生(歴史)を
絵画や文学、伝承、映画などからひも解きます。
『源氏物語』では、猫のせいでドロドロの三角関係に陥った?
『最後の晩餐』に参加した猫がいる?
ムハンマドは無類の猫好きだった?
フランスには、雄の黒猫を飼うと金持ちになるという言い伝えがある?
映画『ティファニーで朝食を』に登場した雄猫は、なにもしていないの名誉ある賞を受賞した?
などなど、猫好きなら知っておきたいトリビアも満載の1冊です。
著者紹介
キャサリン・M・ロジャーズ
作家、編集者。ニューヨーク市立大学ブルックリン校および大学院センター名誉教授。18~19世紀の英文学を研究。退官後は動物や食物関連の多くの書籍を執筆する。
目次
1章 ヤマネコからイエネコへ
2章 災いをもたらす猫、幸運を呼ぶ猫
3章 ペットとしての猫
4章 女性は猫、あるいは猫は女性
5章 猫には、猫なりの権利がある
6章 矛盾こそ魅力
猫の歴史年表
謝辞
原注・参考文献・関連ウェブサイト