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諜報の天才 杉原千畝

   杉原千畝

情報に賭けた外交官

 白石 仁章 新潮文庫

杉原千畝―情報に賭けた外交官―(新潮文庫)

杉原千畝―情報に賭けた外交官―(新潮文庫)

 

 内容紹介

第二次世界大戦下、ユダヤ難民に日本のヴィザを発給し、六千人の命を救った外交官・杉原千畝。彼はなぜ、政府の命令に背いて「命のヴィザ」を出し続けることができたのか――。そこには、世界情勢を読み解き、綱渡りの駆け引きに挑む〈情報のプロフェッショナル〉の素顔が隠されていた。〈外務省のトレジャー・ハンター〉が放つ、渾身のノンフィクション!『諜報の天才 杉原千畝』改題。

杉原千畝(すぎはら・ちうね)

1900年明治33年〉1月1日 - 1986年昭和61年〉7月31日日本の元国家公務員外交官)。早稲田大学高等師範部英語(教育学部英語英文学科)科予科中退、日露協会学校特修科修了。

第二次世界大戦中、リトアニアカウナス領事館に赴任していた杉原は、ナチス・ドイツの迫害によりポーランド等欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情。1940年7月から8月にかけて、外務省からの訓令に反して、大量のビザ(通過査証)を発給し、避難民を救ったことで知られる。その避難民の多くが、ユダヤ人系であった。「東洋のシンドラー」などとも呼ばれる。 カウナス領事館閉鎖後も順調に昇進し、1944年日本政府から勲章を授与される。

著者紹介

白石 仁章(しらいし・まさあき)

1963(昭和38)年、東京生れ。上智大学大学院史学専攻博士課程修了。在学中の1989(平成元)年より外務省外交史料館に勤務し、現在に至る。専門は日本外交史とインテリジェンス・システム論。特に杉原千畝研究は25年にわたって追い続けてきたテーマである。ほかの著書に『プチャーチン――日本人が一番好きなロシア人』『六千人の命を救え! 外交官・杉原千畝』がある。

目次

プロローグ 杉原の耳は長かった
第一章 インテリジェンス・オフィサー誕生す
第二章 満洲国外交部と北満鉄道譲渡交渉
第三章 ソ連入国拒否という謎
第四章 バルト海のほとりへ
第五章 リトアニア諜報網
第六章 「命のヴィザ」の謎に迫る
第七章 プラハでも発給し続けたヴィザ
第八章 凄腕外交官の真骨頂
 エピローグ インテリジェンス・オフィサーの無念
 おわりに
 杉原千畝関連年表/主要参考文献一覧
解説 手嶋龍一