読書案内

お薦めの本を紹介します

世界の歴史を大きく変えたリーダー変節と、その元凶となった脳の病

世界史を動かした脳の病気

   偉人たちの脳神経内科

  小長谷 正明  幻冬舎新書

世界史を動かした脳の病気 偉人たちの脳神経内科 (幻冬舎新書)
 

 内容紹介

1429年、ジャンヌ・ダルクは神の声を聞いたことで救国の戦いに参加した。だがその神秘的体験は側頭葉てんかんの仕業ではなかったか?
1865年の南北戦争終結時、北軍の冷酷なグラント将軍が南軍に寛大な処置をしたという美談があるが、そこには片頭痛が関係していた?
1934年、平和国家ドイツがわずか2年でナチス体制になり、そのナチスも急失速して1945年、第二次世界大戦に敗れたのはヒンデンブルク認知症ヒトラーパーキンソン病のせいだった?
世界の歴史を大きく変えたリーダー変節と、その元凶となった脳の病を徹底解説。

[内容より]
クレオパトラは、なぜ自殺にコブラ毒を選んだか?――重症筋無力症
●頑強なヤマトタケルを衰弱死させた祟りの正体は?――ギラン・バレー症候群
古代ローマ時代以降、ヨーロッパに「マキシミリアン王」が多い理由は?――巨人症
●隠居後の吉宗は将軍の後見を務めるどころではなかった?――失語症
ドストエフスキーに傑作を書かせた病とは?――側頭葉てんかん
●パウンド海軍卿はなぜ判断を誤った?――脳腫瘍
ルーズヴェルトの時代に降圧剤があれば歴史はどうなった?――高血圧性脳出血
●暗黒街の帝王アル・カポネはなぜ臆病者と化した?――梅毒
オイルショック後、田中角栄首相の顔が歪んだ背景とは?――顔面神経マヒ

著者紹介 

小長谷 正明(こながや・まさあき)

1949年千葉県生まれ。79年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。専攻は神経内科学。現在、国立病院機構鈴鹿病院名誉院長。パーキンソン病やALS、筋ジストロフィーなどの神経難病を診断・治療する。医学博士、脳神経内科専門医、日本認知症学会専門医、日本内科学会認定医。著書に「医学探偵の歴史事件簿」、「ヒトラーの震え  毛沢東の摺り足」、「ローマ教皇の検死録」、「難病にいどむ遺伝子治療」など多数。

目次

第1部 英雄を襲った病―古代~近世  クレオパトラの安らかな死に顔―コブラ毒、重症筋無力症;古代ローマ帝国の巨大すぎる皇帝―巨人症;足がたぎたぎしてしまった日本武尊ギラン・バレー症候群 ほか
第2部 歴史を左右した、指導者の病―近世~現代  ゲーテが書き残し、吉宗が患った病―失語症南北戦争に影響を与えた頭痛―片頭痛;ワイマールの光からナチスの闇へ―認知症 ほか
第3部 世界的有名人を苦しめた病  眠ると息が止まる“オンディーヌの呪い”―睡眠時無呼吸症候群;唄を忘れた詩人と、チキンなギャング―梅毒;天才ゴルファーの挫折―脊髄空洞症 ほか