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古代文明の扉を開くー 現代社会の起源というべきシュメル人の世界

 シュメル人類最古の文明

       小林 登志子  中公新書

 内容紹介

五千年前のイラクの地で、当時すでに文字やハンコ、学校、法律などを創り出していた民族がいる。それが、今までほとんどその実像が明らかにされてこなかったシュメル民族である。本書は、シュメル文明の遺物を一つ一つ紹介しながら、その歴史や文化を丹念に解説するものである。人類最古の文明にして現代社会の礎を築いた彼らの知られざる素顔とは―。多様かつ膨大な記録から、シュメルの人々の息づかいを今に伝える。

著者紹介

小林 登志子(こばやし・としこ)

1949年、千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業。同大学大学院修士課程修了。古代オリエント博物館非常勤研究員、立正大学文学部講師をへて、現在、NHK学園「古代オリエント史」講座講師、中近東文化センター評議員。日本オリエント学会奨励賞受賞。専攻・シュメル学。著書に『シュメル――人類最古の文明』(中公新書)『古代メソポタミアの神々』(共著、集英社)、『人物世界史4 東洋編』(共著、山川出版社)。

 目次

 はしがき 三笠宮崇仁

 はじめに

序章    むかしイラクは…―メソポタミアの風土
第1章  文字はシュメルに始まる―楔形文字の誕生
第2章 ウルク出土の大杯」が表す豊饒の風景―努力の賜物
第3章  元祖「はんこ社会」―目で見るシュメル社会
第4章  シュメル版合戦絵巻―都市国家間の戦争
第5章 「母に子を戻す」―「徳政」と法の起源
第6章 「真の王」サルゴン―最古の国際社会
第7章   最古の文学者エンヘドゥアンナ王女―読み書きと学校
第8章   紹介する神―神々の世界
第9章 「バベルの塔」を修復する王―統一国家形成と滅亡
終章     ペンを携帯した王―シュメル文化の継承

 あとがき

   図番提供・出典一覧

   主要参考文献

   索引