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お薦めの本を紹介します

宇宙論の黄金時代

宇宙の始まり、そして終わり

小松英一郎・川端裕人 日経プレミアムシリーズ

 内容紹介

「実はインフレーションの時にも、強い重力波が出るはずなんです。 原始重力波とか言いますが、これが見つかれば決定的な証拠です……」 
(本書72ページより) 

インフレーションはあったのか、暗黒エネルギーとは何か?
小説家と天文学者のコラボレーションによって、誰もが最新宇宙論の現場を体感できる、ユニークな1冊。

ようこそ、宇宙論の黄金時代へ!  観測技術の飛躍的進歩によって、「宇宙最古の光」(宇宙マイクロ波背景放射)の研究が進み、宇宙の年齢、組成、その始まりと終わりなど、人類は多くの謎を解明しつつある。
宇宙開闢(かいびゃく)直後の急膨張である「インフレーション」は本当にあったのか、
宇宙を再び加速膨張させる謎の「暗黒エネルギー」とはどんなもので、何を変えるのか。
それを知ることは、私たち人間がどこから来て、どこへ向かうかを問うことでもある。
筆頭著者となった論文が引用数世界ナンバー1に2度輝いた、宇宙論研究で最先端にいる天文学者の生の言葉を、「現場主義」を貫く多くのノンフィクション作品、さらにヒット小説を世に出した作家が紡ぐ。


カラー口絵や親しみやすい図版などをふんだんに用いた記述によって、誰もが、最新の宇宙論の現場を体感できる画期的な入門書が誕生した! 

 著者紹介

小松 英一郎(こまつ・えいいちろう)

1974年、兵庫県宝塚市生まれ。東北大学大学院理学研究科天文学専攻修了。理学博士。マックス・プランク宇宙物理研究所所長、カブリ数物連携宇宙研究機構上級科学研究員。専門は宇宙論。宇宙の始まりから終わりを、物理学の理論と天文学の観測を駆使して研究する。西宮湯川記念賞、日本天文学会林忠四郎賞など国内の賞に加え、グルーバー宇宙論賞、米国天文学ランスロットバークレー賞、米国物理学会フェローなどの国際的な賞を多数受賞。訳書に『ワインバーグ宇宙論』がある。

川端 裕人(かわばた・ひろと)

1964年、兵庫県明石市生まれ。東京大学教養学部教養学科卒(科学史・科学哲学専攻)。文筆家。97~98年、コロンビア大学ジャーナリズムスクールに「モービル・コロンビア・フェロー」として在籍。ノンフィクション作品に『動物園にできること』『PTA再活用論』『8時間睡眠のウソ』など、小説作品に、『夏のロケット』『川の名前』『銀河のワールドカップ』『雲の王』『天空の約束』など多数。
個人メディア(メルマガ)「秘密基地からハッシン!」を配信中。

目次

はじめに

第1章 宇宙の始まりとインフレーション
(主な項目)
原初の光がいまも我々と共にいる / 38万年後、宇宙は晴れ上がる
電子ちゃんと陽子くん、光くんの物語 / 宇宙マイクロ波背景放射の発見
ビッグバンの証拠 / 宇宙の始まりは「黒体」だった
宇宙は開闢と同時に急膨張した? / WMAPが明らかにした詳細な宇宙背景放射
ライトバード計画 / 素粒子物理と宇宙物理がまじわる時
インフレーションを引き起こした「場」 / 202X年、来るべき発見が与えるインパク
ビッグバンは宇宙の始まりではない ほか
第2章 宇宙(論)を決める実験―WMAPの現場から
(主な項目)
博物学を精密科学にする / WMAP探査機の旅
宇宙論的な三角法! /宇宙年齢が出た! 138億年の宇宙の歴史を概観する
「既知の物質」は宇宙の5パーセントでしかない?
暗黒物質とは? / 暗黒エネルギーとは?
宇宙最古の写真に音波を見る / 宇宙という花瓶、あるいは味噌汁
晴れ上がりの時、温度ゆらぎは最大になる / 宇宙の組成が分かった! 
宇宙背景放射はさらに明らかにする! / 最初の星ができた時期(暗黒時代の終わり) ほか
第3章 暗黒エネルギーと宇宙の終わり
(主な項目)
宇宙論最大の謎、暗黒エネルギーへ / リンゴを投げ上げると……落ちてこない世界
宇宙定数ってなんだ? / 暗黒エネルギーを理解するには古典力学から
ニュートンが検討したもう一つの力 / 古典力学から一般相対性理論
傾きのないところに水は流れない / 一般相対性理論だけが特別なのか
宇宙には物差しがあった / 暗黒エネルギーの時間変化
加速膨張の果てに…… / 暗黒エネルギーが予測する宇宙の先行き
ビッグリップ、宇宙は引き裂かれて終わる? / 終末は1000億年後?
地球最後の日 / 宇宙の始まり、宇宙の終わり ほか

 

宇宙は友達ーおわりにかえて 小松英一郎