暴力はどこからきたか
人間性の起源を探る
山極 寿一 NHKブックス
暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る (NHKブックス)
- 作者: 山極寿一
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容紹介
人類は霊長類から何を受け継いだか?
私たち人類は、争いの火種もその解消の術も、霊長類として進化する中で獲得してきた。
6500万年前にこの地上に登場した霊長類。彼らは<食>と<性>をめぐる争いを、それぞれの社会性をもって回避してきたのだ。
それを受け継ぐ人類は、家族という独自の社会を得るに至る。
屋久島のニホンザルやコンゴ民主共和国のゴリラをはじめ、世界中の霊長類の姿を最新の研究成果から明らかにし、人類の社会性の起源に迫る!
著者紹介
山極 寿一(やまぎわ・じゅいち)
1952年東京生まれ。京都大学大学院博士課程修了。理学博士。現在、京都大学大学院理学研究科教授。日本霊長類学会会長。専攻は霊長類社会生態学、人類進化論。長年にわたり、フィールドにて野生のニホンザルやチンパンジー、ゴリラの社会的行動の姿を追うとともに、その保護活動でも国際的に活躍する。
著書
- 『森の巨人』(歩書房、1983年)
- 『ゴリラ 森に輝く白銀の背』(平凡社、1984年)
- 『おはようちびっこゴリラ』(新日本出版社(新日本動物植物えほん))1988
- 『ゴリラとヒトの間』(講談社現代新書、1993年)
- 『家族の起源 父性の登場』(東京大学出版会、1994年)
- 『サルはなにを食べてヒトになったか 食の進化論』(女子栄養大学出版部、 1994年)
- 『ゴリラの森に暮らす アフリカの豊かな自然と知恵』(NTT出版、1996年)
- 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新書館、1997年)のち新潮文庫 解説:鷲田清一
- 『ゴリラ雑学ノート 「森の巨人」の知られざる素顔』(ダイヤモンド社、1998年)
- 『ジャングルで学んだこと ゴリラとヒトの父親修業』(フレーベル館、1999年)
- 『ゴリラとあかいぼうし』(福音館書店、2002年)
- 『オトコの進化論 男らしさの起源を求めて』(ちくま新書、2003年)
- 『ゴリラ』(東京大学出版会、2005年)
- 『サルと歩いた屋久島』(山と溪谷社(ネイチャー・ストーリーズ))2006
- 『お父さんゴリラは遊園地』(新日本出版社(ドキュメント地球のなかまたち))2006
- 『暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る』(日本放送出版協会(NHKブックス))2007
- 『人類進化論 霊長類学からの展開』(裳華房、2008年)
- 『家族進化論』(東京大学出版会、2012年)
- 『「サル化」する人間社会』集英社インターナショナル 知のトレッキング叢書 2014
- 『ゴリラが胸をたたくわけ』阿部知暁絵 福音館書店 たくさんのふしぎ傑作集 2015
- 『京大式おもろい勉強法』朝日新書 2015
共編著[編集]
- 『ニホンザルの自然社会 エコミュージアムとしての屋久島』(高畑由起夫共編著、京都大学学術出版会、2000年)
- 『人間性の起源と進化』(西田正規・北村光二共編、昭和堂、2003年)
- 『世界遺産屋久島 亜熱帯の自然と生態系』(大澤雅彦・田川日出夫共編、朝倉書店、2006年)
- 『いま「食べること」を問う』(伏木亨共編著、サントリー次世代研究所編、農山漁村文化協会、2006年)
- 『ヒトはどのようにしてつくられたか』(岩波書店(シリーズヒトの科学)2007
- 『日高敏隆の口説き文句』(小長谷有紀共編著、岩波書店、2010年)
- 写真・文、田中豊美画 『ゴリラ図鑑』 文渓堂、2008年。ISBN 9784894236110。
- 『〈こころ〉はどこから来て、どこへ行くのか』河合俊雄,中沢新一,広井良典,下條信輔共著 岩波書店 2016
- 『ゴリラは戦わない 平和主義、家族愛、楽天的』小菅正夫共著 中公新書ラクレ 2017
- 『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』山中伸弥,羽生善治,是枝裕和,永田和宏共著 文春新書 2017
- 『都市と野生の思考』鷲田清一共著 集英社インターナショナル新書 2017
- 『日本の人類学』尾本恵市共著 ちくま新書 2017
目次
はじめに
第1章 攻撃性をめぐる神話(人類の進化史と攻撃性
狩猟仮説
暴力とは何か)
第2章 食が社会を生んだ(生物がともに生きる意味
食べることによって進化した能力
食物の違いがもたらすもの
ニッチとテリトリー
昼の世界が集団生活を生んだ
食物と捕食者の影響
食物をめぐる争いと社会性の進化)
第3章 性をめぐる争い(インセストの回避と社会の進化
ペア生活の進化
メスがオスの共存を左右する
母系と父系
娘と息子のゆくえ)
第4章 サルはどうやって葛藤を解決しているか(優劣順位とは何か
所有をめぐる争い
和解の方法
食物を分配する類人猿
性の相手は分けられない)
第5章 暴力の自然誌―子殺しから戦争まで(子殺しと社会の変異
人間はどう進化してきたか
家族と不思議な生活史
分かち合う社会
戦いの本質とは何か)
参考文献
おわりに