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お薦めの本を紹介します

私たちはどのようなサルなのか?

暴力はどこからきたか

  人間性の起源を探る

 山極 寿一 NHKブックス

暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る (NHKブックス)

暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る (NHKブックス)

 

 内容紹介

人類は霊長類から何を受け継いだか?

私たち人類は、争いの火種もその解消の術も、霊長類として進化する中で獲得してきた。
6500万年前にこの地上に登場した霊長類。彼らは<食>と<性>をめぐる争いを、それぞれの社会性をもって回避してきたのだ。
それを受け継ぐ人類は、家族という独自の社会を得るに至る。
屋久島のニホンザルコンゴ民主共和国のゴリラをはじめ、世界中の霊長類の姿を最新の研究成果から明らかにし、人類の社会性の起源に迫る!

著者紹介

山極 寿一(やまぎわ・じゅいち)

1952年東京生まれ。京都大学大学院博士課程修了。理学博士。現在、京都大学大学院理学研究科教授。日本霊長類学会会長。専攻は霊長類社会生態学、人類進化論。長年にわたり、フィールドにて野生のニホンザルチンパンジー、ゴリラの社会的行動の姿を追うとともに、その保護活動でも国際的に活躍する。

著書

共編著[編集]

目次

はじめに

第1章 攻撃性をめぐる神話(人類の進化史と攻撃性
狩猟仮説
暴力とは何か)
第2章 食が社会を生んだ(生物がともに生きる意味
食べることによって進化した能力
食物の違いがもたらすもの
ニッチとテリトリー
昼の世界が集団生活を生んだ
食物と捕食者の影響
食物をめぐる争いと社会性の進化)
第3章 性をめぐる争い(インセストの回避と社会の進化
ペア生活の進化
メスがオスの共存を左右する
母系と父系
娘と息子のゆくえ)
第4章 サルはどうやって葛藤を解決しているか(優劣順位とは何か
所有をめぐる争い
和解の方法
食物を分配する類人猿
性の相手は分けられない)
第5章 暴力の自然誌―子殺しから戦争まで(子殺しと社会の変異
人間はどう進化してきたか
家族と不思議な生活史
分かち合う社会
戦いの本質とは何か)

参考文献

おわりに