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糖質制限からみた生命の科学

炭水化物が人類を滅ぼす

 糖質制限からみた生命の科学

  夏井 睦  光文社新書

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)

 

 内容紹介

糖質は人類にとって、
神か、悪魔か―

著者は、光文社新書のロングセラー『傷はぜったい消毒するな』でもよく知られる「湿潤療法」のパイオニアだが、じつは昨今の糖質制限ブームの陰の火付け役としても知られている。

自分の身体で糖質制限を試し、効果や危険のなさを確かめた著者は、糖尿病の糖質制限治療の第一人者である江部康二氏と親交を深めながら、栄養素としての糖質の性質や、カロリーという概念やその算出法のいいかげんさ、そしてブドウ糖からみえてくる生命の諸相や進化などについて独自の考察や研究を開始。本書では、糖質からみた農耕の起源についても新説を展開、穀物栽培により繁栄への道を得た人類が、穀物により滅亡への道をたどりつつあることも指摘する。著者のHPに日々寄せられる、多くの糖質セイゲニストからの体験談の一端も紹介。糖質を切り口に様々なことを考える。


著者紹介

夏井 睦(なつい・まこと)
1957年秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。
練馬光が丘病院「傷の治療センター」長。
2001年、消毒とガーゼによる治療撲滅をかかげて、
インターネットサイト「新しい創傷治療」(http://www.wound-treatment.jp/)を開設。
湿潤療法創始者として傷治療の現場を変えるべく、発信を続けている。
趣味はピアノ演奏。
著書に『傷はぜったい消毒するな』(光文社新書)、
『キズ・ヤケドは消毒してはいけない』(主婦の友社)、
『さらば消毒とガーゼ』(春秋社)、『これからの創傷治療』(医学書院)、
『創傷治療の常識非常識』『ドクター夏井の熱傷治療「裏」マニュアル』(ともに三輪書店)、
共著に『医療の巨大転換を加速する』(東洋経済新報社)などがある。

目次

はじめに

I  やってみてわかった糖質制限の威力

II  糖質制限の基礎知識
III  糖質制限にかかわるさまざまな問題
IV  糖質セイゲニスト、かく語りき
糖質制限すると見えてくるもの
        (1) 糖質は栄養素なのか?
        (2) こんなにおかしな糖尿病治療
        (3) 穀物生産と、家畜と、糖質問題
        (4) 食事と糖質、労働と糖質の関係
VI 浮かび上がる「食物のカロリー数」をめぐる諸問題
         (1) 世にもあやしい「カロリー」という概念
         (2) 哺乳類はどのようにエネルギーを得ているのか
         (3) 低栄養状態で生きる動物のナゾ
         (4) 「母乳と細菌」の鉄壁の関係
         (5) 哺乳類はなぜ、哺乳をはじめたのか
         (6) 皮膚腺がつないだ命の連鎖
VII ブドウ糖から見えてくる生命体の進化と諸相
          (1) ブドウ糖――じつは効率の悪い栄養
          (2) エネルギー源の変化は地球の進化とともに
VIII 糖質から見た農耕の起源
          (1) 穀物とは何か
          (2) 定住生活という大きなハードル
          (3) 肉食・雑食から穀物中心の食へ
          (4) 穀物栽培への強烈なインセンティブ
          (5) 穀物に支配された人間たち

あとがき