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旧約聖書の学びとユダヤ教の誕生史入門

ユダヤ教の誕生

 「一神教」成立の謎

荒井 章三 講談社学術文庫

ユダヤ教の誕生――「一神教」成立の謎 (講談社学術文庫)

ユダヤ教の誕生――「一神教」成立の謎 (講談社学術文庫)

 

 内容紹介

放浪、奴隷、捕囚。民族的苦難の中で遊牧民の神は成長し、ついには全宇宙を創造・支配する唯一なる神ヤハウェに変貌する。なぜ彼らは「一神教」を成立させ、「律法の民」となったのか? キリスト教イスラームを生み、歴史の果てにイスラエル国家をも造り上げた「奇跡の宗教」の軌跡を、『聖書』の精読を通して、神理解の変化に焦点を当てつつ探究する。


著者紹介

荒井 章三(あらい・しょうぞう)

1936年、福井市生まれ。京都大学文学部哲学科卒業、立教大学大学院神学部組織神学専攻博士課程修了。松蔭短期大学助教授、神戸松蔭女子学院大学教授、学長を務める。神戸松蔭女子学院大学名誉教授。神学者、専攻は旧約聖書学。新共同訳聖書編集委員・翻訳委員。共編著に『ユダヤ思想』『旧約聖書を学ぶ人のために』、翻訳にG・フォン・ラート『旧約聖書神学(1・2)』、H・リングレン『イスラエル宗教史』、M・ウォーザー『出エジプトと解放の政治学』、R・レントルフ『神の歴史 旧約聖書の生成と思想』ほか多数。

 

目次

  • プロローグ――ユダヤ教とは何か
  • 第一章 導く神――放浪の民に与えられた約束
  • 第二章 解放する神――エジプト・奴隷生活からの脱出
  • 第三章 戦う神――「聖戦」と約束の土地カナンの征服
  • 第四章 農耕の神――農業王国としてのイスラエル
  • 第五章 審きの神――王国の発展と選民思想の強化
  • 第六章 隠れたる神――ユダ王国滅亡の衝撃
  • 第七章 唯一なる神――世界の歴史を導く神へ
  • 第八章 律法の神――ユダヤ教の成立
  • エピローグ
  • 参考文献
  • 原本あとがき
  • 文庫版あとがき