平成史
佐藤 優 片山 杜秀 小学館
内容紹介
「平成の謎解き」はこの一冊で十分!
福島原発事故(11年)の予兆は、JCO臨界事故(99年)にあり。
日本の「右傾化」は、PKO協力法(92年)から始まった。
バブル崩壊、オウム真理教、小泉劇場、安倍一強ほか、
あらゆる事件は、すべてが裏でつながっていた--。
同時代に生きる作家・佐藤優氏と慶應大教授・片山杜秀氏が政治、経済、事件、文化を縦横無尽に語り尽くす。
【本書内容】
モスクワから見た狂騒ニッポン/バブル崩壊でファミレス進化
宮崎勤事件と仮想現実/麻原彰晃作曲の大交響曲
神の手とSTAP細胞/小泉訪朝は失敗
ホリエモンは何者?/血の五輪/「逃げ恥」と冬彦さん
朝日新聞と旧陸軍の共通点/安倍談話は「戦後レジーム」追認
親子二代で完結させた天皇「人間宣言」
ローカルルール消滅と企業不祥事・・・
■平成を読み解くブック&シネマリストも収録
ユダヤ教に伝わるカバラの知恵という論理がある。光が収められた壺がある。だが時間が経つと壺にひびが入る。そこで新しい壺を用意する必要がある。入れ替えに失敗すると光は二度と元に戻らない。ここでいう光とは、日本固有の文化であり、国体であり、あるいは天皇なのかもしれない――佐藤優
平成は、それなりに生きてゆくにはとりあえず充分という極相に達して「坂の上の雲」ならぬ「坂の上の平原」といえる。もっと成り上がりたいという気持ちはないが、墜ちることへの恐怖は強い――片山杜秀
著者紹介
佐藤 優(さとう・まさる)
1960年、東京都生まれ。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了の後、外務省入省。在英日本国大使館、在ロシア連邦日本国大使館などを経て、外務本省国際情報局分析第一課に勤務。2002年5月、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。2005年2月執行猶予付き有罪判決を受けた。主な著書に『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』(毎日出版文化賞特別賞)、『自壊する帝国』(新潮ドキュメント賞、大宅賞)など。
片山 杜秀(かたやま・もりひで)
1963年、宮城県生まれ。思想史研究者。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。専攻は近代政治思想史、政治文化論。音楽評論家としても定評がある。著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』(この2冊で吉田秀和賞、サントリー学芸賞)、『未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命』(司馬遼太郎賞)など。
目次
はじめに
第一章 バブル崩壊と55年体制の終焉
平成元年―6年(1989年―1994年)
第二章 オウム真理教がいざなう
千年に一度の大世紀末 51
平成7年―11年(1995年―1999年)
第三章 小泉劇場、熱狂の果てに
平成12年―17年(2000年―2005年)
第四章 「美しい国」に住む
絶望のワーキングプアたち
平成18年―20年(2006年―2008年)
第五章 「3.11」は日本人を変えたのか
平成21年―24年(2009年―2012年)
第六章 帰ってきた安倍晋三、
そして戦後70年
平成25年―27年(2013年―2015年)
第七章 天皇は何と戦っていたのか
平成28年―平成31年(2016年―2019年)
おわりに
ブックリスト50
シネマ&ドラマリスト30