読書案内

お薦めの本を紹介します

宇宙はどこまでわかったのか

村山さん、宇宙はどこまで

わかったんですか?

           村山 斉  朝日新書

 

東京大学数物連携宇宙研究機構機構長を務める村山斉教授と、朝日新聞の女性記者による対談形式の宇宙本です。

宇宙についての話となると、われわれ一般人にはどうしても内容が難しくなりがちで、ましてや、その研究の最前線がどうなってるのかを、むずかしい数式や言葉を使うことなく「こういうものだ」というイメージで明確に理解させるのは至難の業です。

その点において、村山斉博士をおいて右に出る者はいないでしょう。
今現在、宇宙の研究の最前線で指揮を執っている、間違いなく第一線の科学者でありながら我々一般人に易しくイメージさせることを大得意とされている方です。

そんな村山博士に、朝日新聞の女性科学記者が対談形式で素朴な疑問を率直に投げかけ、一般人目線の「そこが訊きたくても訊けなかったんだよ」ということについて村山博士から答えていただく、というのが本書のコンセプトです。

内容紹介

「宇宙はまだ4パーセントしかわかっていない」 

話題のヒッグス粒子暗黒物質、暗黒エネルギ-から不確定性原理まで、大人気の宇宙物理学者・村山さんが語り尽くした宇宙理論の最前線。 朝日新聞の科学記者・編集委員の高橋さんが絶妙なる「なぜ? どうして?」の合いの手を入れ、壮大な宇宙の謎に迫る、読んで楽しい根源的宇宙問答。

著者紹介

村山 斉(むらやま・ひとし)

1964年生まれ。86年、東京大学卒業、91年、同大学大学院博士課程修了。専門は素粒子物理学。2000年よりカリフォルニア大学バークレー校教授。07年、文部科学省が世界トップレベルの研究拠点として発足させた東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)機構長。主な研究テーマは超対称性理論、ニュートリノ、初期宇宙、加速器実験の現象論など。

聞き手

高橋真理子(たかはし・まりこ)

1979年、東京大学理学部物理学科卒業、朝日新聞入社。論説委員や科学エディターを務め、2011年より編集委員

目次

まえがき

★第1章―ヒッグス粒子に迫る
●2012年7月4日
●ヒッグスとは何か
●「顔なし」という特徴
●巨大組織セルン
●出番を待つリニアコライダー
ティータイム1】ノーベル賞の行方

★第2章―光より速いニュートリノの顛末
●「お化け」のような素粒子
相対性理論とタイムマシン
ティータイム2】右回りのコマは軽くなる?

★第3章―不確定性原理と「科学者の降参」
●書き換えられた不等式
●世界で一番美しい実験
●数学VS人間の感覚
ティータイム3】
われわれの銀河系に名前をつけよう! 

★第4章―宇宙は4%しかわかっていない
●万物は92個の原子でできている
●見えないものが5倍ある
●暗黒エネルギー登場
●とんでもなく大き過ぎる
●XMASS
ティータイム4】
「帰国子女」+「考える理科教育」+「米国の風土」

★第5章―宇宙の始まりにたどり着く道
●虚時間の真実
●宇宙の国勢調査
ティータイム5】IPMUってどんなところ?

あとがき 

参考図書

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

 

 

知のトレッキング叢書 宇宙はなぜこんなにうまくできているのか

知のトレッキング叢書 宇宙はなぜこんなにうまくできているのか

 

 

宇宙になぜ我々が存在するのか (ブルーバックス)

宇宙になぜ我々が存在するのか (ブルーバックス)

 

 

 関連サイト

宇宙は何でできているのか ~宇宙の果ての向こう~ アカデミーヒルズ


https://www.academyhills.com/note/opinion/12011008TenmonMurayama.html 
2012/01/23 - こうした素朴な疑問に答えながら、最新の宇宙論について、理系の新書で異例のベストセラーを記録した村山斉氏がやさしく解説します。 ... 暗黒エネルギーは宇宙の将来の情報を持っている」ということがわかってきたのです。 ... 物理学で解く宇宙の謎-』著者である村山斉氏に、最新の観測・研究からわかった宇宙のはじまり についてお話いただきます。 ...... 今回のブックトークは、六本木ライブラリーが架蔵する書籍から昨今話題の「AIにまつわる本」について、ここ1、2年に出されたものをご紹介します。
 
 
ヒッグス粒子の話題を軸にして、素粒子の「標準理論」の基本を概観し、それから、宇宙論の定番的な話題を紹介している。〝もっともやさしい〟入門書。 書評を読む · 村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか? ... 宇宙は何でできているのか』で話題になった村山斉の対話形式本。話題は、ヒッグス ... 著者:: 村山斉. 本書はニュートリノのさまざまな特徴を解説している。ニュートリノは「消えた反物質の謎」を解く鍵を握っているという。
 
 

1506夜『ヒッグス粒子の謎』浅井祥仁|松岡正剛の千夜千冊


https://1000ya.isis.ne.jp/1506.html 
2013/05/04 - これはアインシュタインのE=mc2にもとづくもので、エネルギーがわかれば質量がわかるという式によっている。 .... まさに「ないものねだり」が、原初の宇宙の粒子たちに「質量」というこれまで人類が漠然と抱いてきた観念像に対して、フィジカルな根拠をもたらしたのだ。 ..... なった。 では、本書の第3章と第4章から、今夜のぼくの話っぷりを応援してくれるようなフィジカル・コンテキストをいくつか紹介しておきたい。 ..... 村山斉⊗『ヒッグス粒子素粒子の世界』 ... 村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』.