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チョコレートの歴史

お菓子の図書館

チョコレートの歴史物語

サラ・モス / アレクサンダー・バデノック

[訳] 堤 理香  原書房

チョコレートの歴史物語 (お菓子の図書館)

チョコレートの歴史物語 (お菓子の図書館)

 

  

 本書は、チョコレートにまつわる歴史をまとめた本であり、約200ページでも読み応え十分、写真豊富、フルカラーですアンドレ・シモン賞特別賞を受賞した人気シリーズであり、お菓子の図書館シリーズです。チョコレートは、代表的な菓子の1つですが、その歴史を学ぶと味わいが深まります。これほどまでにエピソードがあるとは思いもよりませんでした

著者はイギリス人で、内容も主に「ヨーロッパにおけるチョコレート史」です。カカオは赤道付近の高温多湿地域でしか生育せず、欧米社会のチョコレート普及は植民地経営・奴隷労働と密接な関係にあり、現代でも影響が残るといいます。川北稔『砂糖の世界史』に書かれていたのと似たようなことがチョコレートにも有りました。日本については「現代ヨーロッパには及ばないまでも、アジアの中では珍しく消費量が多い」くらいに数行触れられています。

 チョコレートは、マヤの時代のカカオ飲料として、神への捧げ物であったり貨幣だったりした時代があり、少しづつ欧米へ入っていくが、当初は媚薬的な扱いも受けていたらしいです。19世紀以降、現在のような甘いチョコレートが普及しますが、その陰にはカカオ豆農場の奴隷問題があったりという暗い面もきっちりと書かれています。甘くないチョコレートの歴史です。

 内容紹介

甘くて苦くて、とろけてしまう……マヤ、アステカなどのメソアメリカで「神への捧げ物」だったカカオが、世界中を魅了するチョコレートになるまでの激動の歴史。
原産地搾取という〝負〟の歴史、チョコレート企業の考えぬかれたイメージ戦略などについても述べるなど、コンパクトながら読み応え十分。
料理とワインについての良書を選定するアンドレ・シモン賞特別賞を受賞した人気シリーズ。

著者等紹介

モス・サラ[Moss,Sarah]
イギリスのグラスゴー生まれ。オックスフォードで英文学の博士号を取得したあと、ケント大学などの教職を経て、現在はウォーリック大学創作学科の准教授。ロマン派~ヴィクトリア朝初期の文学を専門とするほか、北方文学、食物史、女性史にも造詣が深い。小説Night Wakingで2011年度フィクション・アンカヴァード賞を受賞。教職のかたわら、小説やノンフィクションの執筆を精力的に続けている

バデノック・アレクサンダー[Badenoch,Alexander]
アメリカ生まれ。シカゴ大学などでドイツ・人類学・社会科学を学んだあと、イギリスのサウサンプトン大学で現代言語学の博士号を取得。現在はオランダのユトレヒト大学でヨーロッパに関する研究に従事。専門は文化とメディアにかかわる歴史で、著作も多い。Voices in Ruins:West German Radio Across the 1945 Divideで2007‐2008年度国際メディア史協会賞を受賞した

堤理華[つつみ・りか] 
神奈川県生まれ。金沢医科大学卒業。麻酔科医、翻訳家、現同大学看護学部非常勤講師

目次

第1章 チョコレートの誕生
メソアメリカのチョコレート
最初期のチョコレート
貨幣だったチョコレート
コロンブス
チョコレート神話のはじまり
〝不快〟な飲み物
チョコレートに〝はまる〟女性たち
イメージとしてのチョコレート
断食と媚薬
薬としてのチョコレート
大規模栽培のはじまり

第2章 ヨーロッパ上陸
スペインへ
ヨーロッパ諸国へ
ロンドンのチョコレートハウス――新たな社交の場
「飲む」から「食べる」へ――チョコレートのレシピ誕生
ヨーロッパ独自の味へ
サド侯爵のチョコレート
チョコレートと上流階級
北米へ――大衆化のはじまり

第3章 チョコレート・ビジネス
革命によってもたらされた供給不足
ファン・ハウテン(バン・ホーテン)の技術革新
チョコレート・ビジネスのはじまり
固形チョコレートの誕生
機械化――大量生産時代へ
「白くなる」チョコレート――白人世界の中流家庭
美しい宝石箱――チョコレートボックス
中身入りチョコレートの発明
高級チョコレート――規格品との差別化
「仕事の燃料」――大衆化するチョコレート
工場労働と企業文化
「国産」というイメージ戦略――スイスとベルギー
「黒くなる」チョコレート――新たな生産地アフリカと異国趣味
差別と奴隷
奴隷スキャンダル

第4章 永遠の魅惑
国際化するチョコレート企業
共産圏のチョコレート
チョコレートの王国――幻想と現実の狭間で
「歴史」を語れ
フェアトレード
「よいチョコレート」
重要視されるカカオ原産地
「悪いチョコレート」
チョコレートのセクシュアリティ
「神がくだされた試練」
無数の両義性

謝辞
訳者あとがき
写真ならびに図版への謝辞
参考文献

レシピ集

 

参考図書

チョコレートの歴史 (河出文庫)

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 関連サイト

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チョコレート (chocolate) の歴史は古代マヤ文明までさかのぼります。カカオ豆は硬貨として使われ、宗教的な役割も担っていました。
 
 
 

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