リジー・コリンガム
[訳]東郷えりか 河出文庫
本書は、カレーを代表とするインド料理が、歴史の中でどのように成立したかを解説した本です。また、章の最後には取り上げられた料理のレシピが載っており、どのような料理かイメージがしやすくなってます。
ムガル帝国や東インド会社などの支配の下で、どのように食材が持ち込まれ料理に変化が生まれたかなどが分かります。そして、インドカレーといっても実は様々な国、人種、文化との折衝を経た産物であるということがわかります。
インドカレーの歴史を通して、インドカレーだけではなく、紅茶のメーカー名の由来やウスターソースの開発経緯なども判って面白いです。
内容紹介
インド航路の開拓と欧米列強の進出、ムガル帝国の侵略という事件が、インドの食文化に影響を及ぼした! カレーの起源をめぐる旅!
カレーはさまざまな外国文化が融合して生まれた!ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路の開拓とそれに続く西洋列強の進出、ムガル帝国の皇帝バーブルによる北方からの侵略という二つの事件が、四世紀にわたりインドの食べ物に影響を及ぼした。日本人にもなじみ深いカレー料理を通して、知られざるインド食文化を物語る!
インドカレーは、いかにしてインドカレーになったか…大国列強からの侵略、占領によってもたらされた食をはじめとするさまざまな生活習慣。外国文化を融合した料理こそカレー料理なのだ。カレーの成り立ちから読み解く、知られざるインド食文化史。
著者等紹介
リジー・コリンガム
ウォリック大学のアソシエイト・フェロー、ケンブリッジ大学ロイヤル・リテラリー・ファンド(王立文学財団)フェローを務める。著書に『インドカレー伝』、『戦争と飢餓』(いずれも小社刊)。
東郷えりか(とうごう・えりか)
上智大学外国語学部フランス語学科卒業。訳書にアンソニー『馬・車輪・言語』、コーニング『幕末オランダ商人見聞録』、フェイガン『海を渡った人類の遥かな歴史』『人類と家畜の世界史』など。
目次
はじめに
第1章 チキンティッカ・マサラ―本場のインド料理を求めて
第2章 ビリヤーニー―ムガル帝国の皇帝たち
第3章 ヴィンダルー―ポルトガル人と唐辛子
第4章 コルマ―東インド会社の商人と寺院、ラクナウの太守
第5章 マドラス・カレー―イギリス人によるカレーの発明
第6章 カレー紛―インドをイギリスにもちかえって
第7章 コールドミート・カツレツ―インドにおけるイギリス食品
第8章 チャイ―紅茶大作戦
第9章 カレーとフライドポテト―シルヘットの船乗りとインドのテイクアウト
第10章 カレーは世界を巡る
謝辞
訳者あとがき
文庫版追記
用語集
原注
参考図書
大英帝国は大食らい: イギリスとその帝国による植民地経営は、いかにして世界の食事をつくりあげたか
- 作者: リジー・コリンガム,松本裕
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2019/03/23
- メディア: 単行本
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関連サイト
カレーはどこから来たの?:農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/agri_school/a_menu/curry/01.html