ベイリー、大好き
セラピードッグと小児病院のこどもたち
(文)岩貞るみこ (写真)澤井秀夫 小学館
本書は、 病院に通勤するセラピードッグ(ファリシティドッグ)のベイリーと、ハンドラーを勤める森田さんの病院での活動を綴った本です。セラピードッグが、実際にどういう活動をしているのか、この本を読んでよくわかりました。ファリシティドッグの仕事内容やその効果について、毎日病院に通う様になった経緯や、ハンドラーでありベイリーのパートナーである森田さんの苦悩や努力などが分かりやすい文章でしっかり書かれています。
オーストラリアで生まれたベイリーは、生まれてすぐにパピーウォーカーのもとで、たくさんの優しさに包まれて育ちました。そして、半年後の2008年初夏 セラピードッグになる為にハワイのマウイ島にあるHCIへ行きました。
真っ白な綿帽子のような毛に包まれた、まだ、あどけなさの残る顔と、くりっとした瞳。ほんとうなら腕白で遊びざかりの時期なのに、どこかのんびりとした愛らしい動き・・・・・。幼少期のベイリーは、まるで、ぬいぐるみみたいです。
セラピードッグになったベイリーは、2009年11月ハンドラーの試験に合格した森田さんと共に静岡へやってきました。セラピードッグを常駐させるという日本初の試みを取り入れた「静岡県立こども病院」。
ベイリーは子ども達の検査や手術に同行しときには寄り添ってベッドで一緒に寝ることも・・・・・。「ベイリーがいたから、がんばれたよ」「ベイリーいつまでも、わすれないよ」子ども達の辛い入院生活を一変させたベイリー。優しさが満ち溢れているベイリーの眼差し。
ベイリーの可愛らしい写真も沢山載っていて非常に読みやすく、心が温かくなる本だと思います。
内容紹介
小児病院のこどもたちを癒すセラピードッグ !
注射、検査、手術…入院中のこどもたちは我慢ばかり。そんなこどもたちの毎日を一変させたセラピードッグのいる小児病院に密着。ベイリーとふれあうこどもたちの笑顔に、心が温かくなる一冊。
一匹の犬が、静かな病院の廊下を歩いていく。犬の名はベイリー。ベイリーを見つけたパジャマ姿のこどもたちが、次から次へと顔を見せる。寝たままの男の子は、ベイリー見たさに上半身を起こした。医師と看護師が目を丸くする。何カ月も笑わなくなっていた子が、ベイリーに会ったとたん笑った~本文より
セラピードッグを常駐させるという、日本初の試みを取り入れた静岡県立こども病院。ゴールデン・レトリーバーのベイリーはセラピードッグとして、入院中のこどもたちの検査や手術に同行し、時には一緒にベッドで寝ることもある。「ベイリーがいたから、がんばれたよ」「ベイリー、ありがとう。忘れないよ」……。つらい入院生活を一変させたベイリーの活躍とこどもたちとの交流を、文章と写真で綴る、感動のドキュメント。ベイリーに、こどもたちの笑顔に、心が温かくなる一冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】
東海地方の小児医療の中心的役割を果たしている、静岡県立こども病院に入院するこどもたちに密着取材しました。PICU(小児治療室)、手術室などにセラピー犬が出入りする光景は驚くものがありますが、同時にその犬と過ごすこどもたちの笑顔に心が温かくなります。つらい治療中にもかかわらず、こどもたちとそのご家族が取材に応じてくれたのは、ベイリーが大好きで、ベイリーに救われていることを知っているからこそ。ベイリーが小児病院に常駐することでもたらされるものは、とても大きいのです。
著者等紹介
岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)
モータージャーナリスト、ノンフィクション作家。1962年、横浜市出身
澤井秀夫(さわい・ひでお)
写真家。1955年、横浜市出身。料理写真を中心に活動
目次
犬のいる病院
セラピードッグ・ベイリー、誕生!
初めての試み
理想と現実
マコさんとの出会い
ユヅキくんとの絆
ハンドラーの思い&オフの日のベイリー
こどもたちと、ともに
ベイリーのもたらすもの 血液腫瘍科の病棟から
そして、いまも、これからも
あとがき
シャイン・オン!
セラピードッグプログラムについて
参考図書
もしも病院に犬がいたら こども病院ではたらく犬、ベイリー (講談社青い鳥文庫)
- 作者: 岩貞るみこ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/05/12
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MY BEST FRIEND AT THE HOSPITAL(マイベストフレンド アットザホスピタル) (こどもたちの目にうつったファシリティドッグ)
- 作者: 認定NPO法人シャイン・オン・キッズ,文章:藤沢文翁,桐島ローランド
- 出版社/メーカー: メタブレーン
- 発売日: 2016/08/01
- メディア: 大型本
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