僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史 講談社
著者の現代社会の分析は、きわめて客観的で分かりやすいです。これからの人生設計を考える上でとても参考になります。
内容を簡単に説明すると。(1)資本主義は崩壊しない。今後も続いていく。(2)最近の変化というのは「コモディティ化」している。「コモディティ」とは、ありふれた物・日用品のこと。(3)英語が出来る?ITに詳しい?会計ができる? そんなのだって、もうコモディティ化している。 いくらでも代わりがいる仕事でしょ?今や弁護士だってそうです。(4)そうならないために「スペシャリティ」を身につけましょう。(5)どの分野で勝負するか、どうやって選ぶ?そのためには「リベラル・アーツ(教養)」が必要だ。今からは自分の頭で考えていくことが大切だ。そのために教養を身につけましょう。(6)古い常識にしばられていないで、自分でよく考えて未来を予測しましょう。
海で魚をとる漁師にも儲かる漁師と儲からない漁師がいます。儲からない漁師は自分では何も考えず、ただ人に使われているだけの漁師です。彼は単なる労働力としてしか見なされず、いなくなっても代わりを雇えば誰も困らないです。コモディティの漁師です。
儲かる漁師は、スペシャリティを持った次の6種類の漁師です。
1.とれた魚を体力と根性で山の上に運んで売る[トレーダー]
2.1人で人の倍以上の魚をとる[エキスパート]
3.料理方法を工夫してストーリーと付加価値を考えて高く売れる魚を作り出す[マーケッター]
4.より楽により多くの魚をとる新たな仕組みを作り出す[イノベーター]
5.多くの漁師を配下に持つ漁師のリーダー[リーダー]
6.漁師と魚について深く知り、漁に出ずに責任を負い、判断する投資家[インベスター]
著者は、マーケッター、イノベーター、リーダー、投資家という4つの顔を使い分けて生き残ろうと提案します。
著者は、『投資家的な思考』はこれからの日本国内だけではなく世界と戦う若者は是非とも身に付けなければならないと提案します。そして、情報弱者(自分の頭で考えない人)は成功しないようです。
内容紹介
これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである。20代が生き残るための思考法。
東大、マッキンゼーを経て、現在、京大で絶大な人気の瀧本先生が、新しい経済の流れで、自分の力で道を切り開き、ゲリラとして生き残るための「武器」について、投資家としての経験から、語ります!
20代が生き残るための思考法
東大、マッキンゼーを経て、現在、京大で絶大な人気の瀧本先生が、
新しい経済の流れで、自分の力で道を切り開き、
ゲリラとして生き残るための「武器」について、
投資家としての経験から、語ります!
不安に立ちすくむ日本人が今学ぶべき「本当の資本主義」とは。
著者紹介
瀧本 哲史(たきもと・てつふみ)
京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。エンジェル投資家。
東京大学法学部卒業。
東京大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーにて、主にエレクトロニクス業界のコンサルティングに従事。内外の半導体、通信、エレクトロニクスメーカーの新規事業立ち上げ、投資プログラムの策定を行う。
独立後は、企業再生やエンジェル投資家としての活動をしながら、京都大学で教育、研究、産官学連携活動を行っている。
全日本ディベート連盟代表理事、全国教室ディベート連盟事務局長、星海社新書軍事顧問などもつとめる。
著書『武器としての決断思考』(星海社新書)
twitter @ttakimoto
目次
はじめに
第1章 勉強できてもコモディティ
第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第4章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第5章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第6章 イノベーター=起業家を目指せ
第7章 本当はクレイジーなリーダーたち
第8章 投資家として生きる本当の意味
第9章 ゲリラ戦のはじまり
本書で手に入れた武器
参考図書
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