読書案内

お薦めの本を紹介します

日本仏教を考えるための「仏教入門」

        仏教入門

松尾 剛次 岩波ジュニア新書

仏教入門 (岩波ジュニア新書)

仏教入門 (岩波ジュニア新書)

 

 

 本書は、一から仏教の全体概要について把握できる仏教入門書です。名著の多い岩波ジュニア新書の中にあっても出色の出来です。想定読者の対象がおよそ中高生であるために、とても読みやすいです。

 仏教全体の概説はそここに、仏陀誕生から末はオウム真理教まで、仏教の長い歴史をコンパクトに一冊にまとめています。ひとつひとつの記述は簡潔なのですが、とても理解しやすいです。

 そして、簡単な年表や、必要にして十分な索引まで付いています。また、僅かな紙数にコンパクトに仏教史をまとめてしまったため、逆に歴史のダイナミズムが感じられ、一気に読むことができます。巻末にテーマ毎の参考文献があげられているのも便利です。

 加えて、図版がかなり豊富で。数多くの仏画や仏像の写真を眺めながらの学習は、とても効率がよく、この点も本書の特色です。
 岩波ジュニア新書は、名著がよくラインナップされています。是非手に取っていただきたいです。

 内容紹介

仏陀の誕生と基本思想,大乗仏教の成立,アジア各地への展開をわかりやすく述べるとともに,日本の仏教受容,鎌倉新仏教と近代以降の展開など,日本仏教の解説にも力点をおく.日本人の生活や価値観に大きな影響を与えている仏教の本質を知り,現代を生きる私たちにとっての宗教の意味を考えるための本格的で平明な仏教入門。

著者紹介

松尾 剛次(まつお・けんじ)
1954年、長崎県愛野町に生まれる。東京大学大学院博士課程をへて、現在、山形大学教授、同大学都市地域学研究所所長。日本中世史、宗教社会学専攻。1994年、東京大学文学博士号を取得。日本仏教綜合研究学会会長。著書に『勧進と破壊の中世史』、『鎌倉新仏教の誕生』、『救済の思想』、『親鸞再考』、『葬式仏教の誕生』など多数。

目次

はじめに

第1章 仏教とはなんだろう
第2章 仏教誕生と大乗仏教の成立
第3章 中国・朝鮮仏教
第4章 仏教と古代の日本
第5章 鎌倉新仏教の世界

第6章 近世以降の日本と仏教

おわりに

あとがき

参考文献

略年表

さくいん

参考図書

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現在は、官僧・遁世僧研究を基点に、中世日本宗教史の見直しを行なっている。著書に『鎌倉新仏教の誕生』(講談社現代新書)、『仏教入門』(岩波書店)、『破戒と男色の仏教史』(平凡社)、『中世律宗と死の文化』(吉川弘文館)、『葬式仏教の誕生』(平凡社 ...