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AI vs.教科書が読めない子どもたちー読解力がない人間は仕事を奪われる

    AI

          vs.

教科書が読めない

子どもたち

     新井紀子

東洋経済新報社  

 

 本書では最初に、世間で AI と呼ばれている AI 技術について、シンギュラリティは達成不可能である反面、一部の分野で人間を超える事は可能だと論じています。AI の得意分野と苦手分野について述べ、AI が発展しても仕事を奪われない為には、AI の苦手分野で勝つ事が理想と説いています。
 一方、AI(東ロボくん )の学力が受験生の上位 20%(大学で言うと MARCH クラス)に相当する事を述べ、AI(東ロボくん)よりも学力の劣る学生達は、AI の苦手な仕事も同様に苦手である事を論じます。つまり 現実には、AI の得意分野で負けて苦手分野で引き分けなので、仕事が奪われっぱなしで挽回できないと危惧します。
 そして調査の結果、学力を左右する最大の要因は読解力であると結論づけます。読解力不足は現役の学生にのみ該当する事ばかりでなく、新聞記者や官僚のように、高学歴の代表とも言える職種にすら該当する課題です。
 もちろん高度な読解力が無くても、介護士や保育士のように AI の苦手な仕事は、たくさんあります。しかし、それらは外貨を稼ぐ仕事ではありません。。外貨を稼ぎ、国を豊かにするには、高度な読解力を持ち『AI に勝てる』人材の量と質を向上させる以外に無いようです。
 本書は、AI の実力のみならず、日本社会の抱える課題と方向性を明らかにしています。

 内容紹介

 東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界ーー。しかし、"彼"はMARCHクラスには楽勝で合格していた!これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。


人間がAIに勝つためには「読解力」を磨くしかない
先日惜しまれつつ世を去ったホーキング博士は、数年前に「完全な人工知能(AI)が実現すれば、人類は終焉を迎える」という意の発言をしていた。いわゆる「シンギュラリティ」、つまりAIの進化が人間のそれを上回るという「技術的特異点」のことだ。
しかし、東大合格を目指した「東ロボくん」の開発者である著者は言う。「AIが人類を滅ぼす?……滅ぼしません! 」「シンギュラリティが到来する?……到来しません! 」。それどころか、東大合格すらAIには無理だろうと言うのだ。
とはいえ、個人的にあまり笑っていられない。「東ロボくん」は既に私の勤める大学の入試は十分に突破する偏差値を模試で叩き出している。では、MARCHレベルと東大との入試の間に、AIが決して越すことのできないどのような溝があるというのか。
それは国語、読解力だ。AIが自然言語を読みこなすことは金輪際できないというのだ。その不可能性の仕組みは本書にあたってもらいたいが、ここでほっと胸を撫でおろすのも束の間、シンギュラリティよりもっと切迫した問題があった。
実は中高生の多くが、「東ロボくん」以下の読解力しか持っていないということが調査から浮かび上がってきた。二つの文章の意味が同じかどうかを判定する問題で、中学生の正答率はなんと57%。しかも、それを聞いたある新聞記者が、57%もあるなら悪くないんじゃないかと言ったそうで、もうこうなると日本人の読解力は壊滅的と言わざるを得ない。二択の問題なら誰でも五割はとれる。
他のタイプの問題でも、サイコロを転がすのと同じ程度の正答率しかなかったというこの若者の読解力の現状で、小学校からプログラミングや英語が導入されようとしているが、著者は言う。「一に読解、二に読解」と。そうしなければ、AIの進化を待たずに人間が職場をAIに明け渡さねばならなくなる日が遠からず訪れることになるだろう。
評者:伊藤氏貴
(週刊文春 2018年04月12日号掲載)


読解力が世界を支配
藤井聡太羽生善治を破った朝日杯。やっぱり将棋は人間対人間がおもしろい。いくら強くても、コンピュータでは味気ない。
『AIvs.教科書が読めない子どもたち』は、AI(人工知能)と人間の現状と未来についての本である。著者は国立情報学研究所教授で数学者。東大合格を目指すAI「東ロボくん」の育ての親だ。この本には、同プロジェクトから見えてきたAIの可能性と限界、そして人間との関係が書かれている。
良いニュースと悪いニュースがひとつずつ。まず、良いニュースから。AIが人間を超える、いわゆるシンギュラリティが到来することはない、と著者は断言する。なぜなら、AIはコンピュータであり、コンピュータは四則計算をする機械でしかないから。どんなに高度になっても、その本質は変わらない。
たとえば東ロボくんの偏差値は57・1。東大は無理だけど、MARCHなら入れそうだ。ただし国語や英語は苦手だ。なぜなら、AIは意味を理解しないから。読解力がないのである。
しかし、これで人類の未来は明るいぞなんて安心してはいられない。AIでもできる仕事は、この先どんどん奪われていくのだ。これが悪いニュース。
ならばAIにできない仕事をやればいい、と思うだろう。ところがこれもお先真っ暗だ。全国読解力調査によると、教科書の文章を正しく理解できない中高生が多いというのである。なんと3人に1人が簡単な文章すら読めない。これからの世界は、読解力がある一握りのエリートに支配されてしまうのか。
評者:永江朗
(週刊朝日 掲載)

著者紹介

新井 紀子(あらい・のりこ)

国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。 一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。 東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科単位取得退学(ABD)。東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。主著に『ハッピーになれる算数』『生き抜くための数学入門』(イースト・プレス)、『数学は言葉』(東京図書)、『コンピュータが仕事を奪う』(日本経済新聞出版社)などがある。

目次

はじめに


第1章 MARCHに合格――AIはライバル
AIとシンギュラリティ
偏差値57.1
AI進化の歴史
YOLOの衝撃――画像認識の最先端
ワトソンの活躍
東ロボくんの戦略
AIが仕事を奪う
第2章 桜散る――シンギュラリティはSF
読解力と常識の壁――詰め込み教育の失敗
意味が理解しないAI
Siri(シリ)は賢者か?
奇妙なピアノ曲
機械翻訳
シンギュラリティは到来しない
第3章 教科書が読めない――全国読解力調査
人間は「AIにできない仕事」ができるか?
数学ができないのか、問題文を理解していないのか?――大学生数学基本調査
全国2万5000人の基礎的読解力を調査
3人に1人が、簡単な文章が読めない
偏差値と読解力
第4章 最悪のシナリオ
AIに分断されるホワイトカラー
企業が消えていく
そして、AI世界恐慌がやってくる

おわりに

参考図書

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

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人工知能時代を生き抜く子どもの育て方

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 関連サイト

子供の「読解力を高める授業」が本質的すぎた | 学校・受験 | 東洋経済 ...


https://toyokeizai.net/articles/-/256115 
 › キャリア・教育 › 学校・受験
 
2019/01/04 - AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者、新井紀子さんが代表を務める「教育のための科学研究所」が開発・実施しているリーディングスキルテスト(RST)により、日本の中高生の多くが、教科書を正確に「読め…
 
 

教科書すら読めない人を襲う「AI失業」の恐怖 | 読書 | 東洋経済オンライン ...


https://toyokeizai.net/articles/-/232650 
 › ライフ › 読書
 
2018/08/15 - いつか自分の仕事がなくなってしまうのではないか?」というように。 だが、『AI vs教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)の著者、新井紀子氏は、そんな話を真っ向から否定する。 AIは神に代わって人類にユートピアをもたらすことは ...
 
 

文章が読めない「新聞読まない人」の末路  | プレジデントオンライン


https://president.jp/articles/-/27090 
 › 政治・社会 › 文章が読めない「新聞読まない人」の末路
 
2019/01/06 - 新井紀子あらい・のりこ国立情報学研究所教授同社会共有知研究センター長。一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学大学院数学研究科単位取得退学。