読書案内

お薦めの本を紹介します

宇宙創成(上)ー宇宙観測の歴史物語

     宇宙創成(上)

         サイモン・シン

      (訳)青木薫    新潮文庫

 

宇宙創成(上) (新潮文庫)

宇宙創成(上) (新潮文庫)

 

 

 本書は、宇宙創世というタイトルですが、主に宇宙の観測の歴史について描かれています。人間が宇宙観察をはじめてから観測技術がどのように発展してきたかが物語調で語られるのが本書です。
 地球の外、とんでもなく遠い星や宇宙空間を観測するにはどうしたらよいか。どのような装置で、どんな理論で立ち向かうか、といったことが描かれています。むずかしい数式や科学の理論は出てきませんし、知らなくても楽しく読めます。
 『フェルマーの最終定理』『暗号解読』もそうでしたがサイモン・シン青木薫さん翻訳の組み合わせは最高です。中学生でも読める明快さでありながら大人でも十分楽しめる科学読み物です。

 内容紹介

宇宙はいつ、どのように始まったのか? 人類永遠の謎とも言えるその問いには現在、ある解答が与えられている。ビッグバン・モデル。もはや「旧聞」の感さえあるこの概念には、実は古代から20世紀末の大発見へと至る意外なエピソードと人間ドラマが満ちていた――。有名無名の天才たちの挑戦と挫折、人類の夢と苦闘を描き出す傑作科学ノンフィクション。『ビッグバン宇宙論』改題。

決闘で鼻を失った天文学者。聖書を精密に分析し、宇宙の年齢をはじき出した大司教カヤックで海を渡って亡命しようとした物理学者に、世界トップクラスの天体画像分析チームを率いたメイド、重度の難聴ながら歴史に残る発見を成し遂げた女性ボランティア…。創世神話からプトレマイオスコペルニクスケプラーガリレオらを経て、ついにはアインシュタインの先へ―。宇宙はどうやって生まれたのか?人類最大の謎に迫る有名無名の天才たちの苦闘を描く。

著者等紹介

サイモン・シン(Simon Singh)

1964年、イングランド、サマーセット州生まれ。祖父母はインドからの移民。ケンブリッジ大学大学院で素粒子物理学の博士号を取得し、ジュネーブの研究センターに勤務後、英テレビ局BBCに転職。TVドキュメンタリー『フェルマーの最終定理』(1996)で国内外の賞を多数受賞し、1997年同名書を書き下ろす。『暗号解読』『宇宙創成』『代替医療解剖』など、科学分野で世界中から高い評価を得ている。ロンドン在住。

青木 薫(あおき・かおる)
1956年生まれ。翻訳家。ポピュラーサイエンスの訳書多数。サイモン・シンフェルマーの最終定理』『暗号解読』『ビッグバン宇宙論』『宇宙創成』『数学者たちの楽園:「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』、エドワード・フレンケル『数学の大統一に挑む』、レナード・ムロディナウ『ユークリッドの窓』、アミール・D・アクゼル『無限に魅入られた天才数学者たち』など。著書に『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』がある。2007年度日本数学会出版賞受賞。

目次

第Ⅰ章 はじめに神は…

天地創造の巨人からギリシャの哲学者まで
円に円を重ねる
革命もしくは回転
天の城
望遠鏡による躍進
究極の問い

第Ⅰ章のまとめ
第Ⅱ章 宇宙の理論

アインシュタインの思考実験
重力の闘いニュートンvsアインシュタイン
究極のパートナーシップ理論と実験
アインシュタインの宇宙

第Ⅱ章のまとめ
第Ⅲ章 大論争

宇宙を見つめる
消えますよ、ホラ消えた。
天文学の巨人
運動する宇宙
ハッブルの法則

第Ⅲ章のまとめ

参考図書

宇宙創成(下) (新潮文庫)

宇宙創成(下) (新潮文庫)

 

 

 

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)

 

 

 関連サイト

 

【書評】サイモン・シン:宇宙創成 上・下【ブックレビューサイト・ブックジャパン】


http://bookjapan.jp/search/review/200905/kodama_setsuro_03/review.html 
 › おすすめ本書評一覧
 
科学の本ではあるけれどワクワクするほど面白い。 元々『ビッグバン宇宙論』という親本の文庫化で、読んでみると『宇宙創成』の方が内容にふさわしい気がする。人間の知的発展・進歩、あるいは科学の進歩が宇宙を広げてきたのだ、という本である。

宇宙創生を解明する「インフレーション理論」 佐藤 勝彦 氏 - こだわりアカデミー


https://www.athome-academy.jp/archive/space_earth/0000000243_all.html 
宇宙・地球、佐藤 勝彦 氏、宇宙創生を解明する「インフレーション理論」 人間をも生み出した宇宙。その創成の謎に、「インフレーション理論」で迫る! ビッグバン─火の玉ができた謎を解く!! 宇宙も人間も「無」から生れた!? 宇宙創成論観測の時代に。
 
 

ガンマ線バーストで宇宙創成の謎と元素の起源に迫る ― 河合誠之 | 研究 ...


https://www.titech.ac.jp/research/stories/faces30_kawai.html 
vol. 30 理学院 物理学系 教授 河合誠之(Nobuyuki Kawai) 天文学における重要な分野となったガンマ線バースト 「2015年9月にブラックホール※1の合体によって発せられた重力波が世界で初めて観測され、いよいよ重力波天文学が幕を開けました。