伝記世界を変えた人々⑥
ワレンバーグ
ナチスの大虐殺から
10万人のユダヤ人を救った
スウェーデンの外交官
伝記世界を変えた人々 (6) ワレンバーグ−ナチスの大虐殺から10万人のユダヤ人を救った、スウェーデンの外交官
- 作者: M.ニコルソン,D.ウィナー,日暮雅通
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1991/05/01
- メディア: 単行本
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ラウル・ワレンバーグ(Raoul Wallengerg)は、1912年生まれのスウェーデンの外交官です。
1944年1月、米国・ルーズヴェルト大統領が、ユダヤ人救済のため戦時亡命者委員会を設立した流れで、1944年7月、ワレンバーグはハンガリーの首都・ブダペストに入ります。
ワレンバーグは、ユダヤ人に対して、法的効力の無い保護証書(いわば偽造パスポート)を次々と発給し救っていきます。
アウシュヴィッツ行きの輸送列車に乗り込んだり、死の行進に駆けつけてまで。結果、1944年7月・ブダペスト入り〜1945年1月・ソビエト軍がドイツ軍を追い払うまでの半年間で、10万人以上のユダヤ人を救いました。
もちろん、ブダペストにいるすべてのユダヤ人の命が救われたわけではありません。
しかしながら、ワレンバーグの行動を見て、人間らしい気持ちを取り戻し、希望を見出していったユダヤ人も、たくさんいたようです。
本書の対象が、小学校中級からとなっていて、確かにそういう装丁ですけど、大人が読んでも十分な内容です。当時の写真も多く掲載してます。フランク・アンネ、オスカー・シンドラー、杉原千畝などと同様に、ワレンバーグについても、是非、知ってもらいたいです。
内容紹介
これは、残酷なナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺に立ち向かった、人間愛の真実の記録です。
第二次世界大戦のさなか、一九四四年のわずか数か月の間に、スウェーデンの若き外交官、ラルフ・ワレンバーグは、およそ10万人のユダヤ人の命を救ったのです。
信じられないほどの勇気と行動力をもって、自分の身の危険をかえりみず、ワレンバーグは、人々を救っていったのです。
”知られざる英雄”ワレンバーグの”生涯”を追った伝記。
著者等紹介
M.ニコルソン(Michael Nicholson)
作家・ジャーナリスト・写真家。一時、BBCテレビのドキュメンタリーの仕事をしたり、政治・犯罪・旅行などに関する記事を多く書いている。ロンドン在住。
D.ウィナー(David Winner)
1956年生まれのイギリス人ジャーナリスト。バーミンガム大学卒業後、新聞社の記者となり、その後、ユダヤ人向けの新聞「ジュイッシュ・クロニクル」の政治部記者。
日暮 雅通(ひぐらし・まさみち)
1954年千葉市生まれ。青山学院大学理工学部卒業。出版社勤務をへて、幅広い分野の翻訳家として活躍。日本推理作家協会会員。訳書には『シャーロック・ホームズ全集』(共訳)、『スティーブ・ジョブズ』、『ガリレオ・ガリレイ』、『ファーストマン ニール・アームストロングの人生』、『アポロ11号––––月面着陸から現代へ』『サイエンス大図鑑』などがある。
目次
不可能な任務 / めぐまれた子供時代 / アメリカでの大学生時代 / 仕事をさがす / ヒットラーと「支配者民族」/ ユダヤ人迫害の歴史 / ナチスのはげしい攻撃 / ひろがる恐怖 / とじこめられたユダヤ人 / 第二次世界大戦 / ガス室 / 大量殺人 / 「最終的解決」/ 抵抗 / ながめるだけの世界の国々 / わずかながら勇敢だった人々 / ヨーロッパ最後のユダヤ人たち /アドルフ・アイヒマン / ナチス、ハンガリーヘはいる / エバの日記 / ほか
参考図書
関連サイト
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