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FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

10の思い込みを乗り越え、

データを基に

世界を正しく見る習慣

ファクトフルネス

FACTFULNESS

ハンス・ロスリング オーラ・ロスリング ,

 アンナ・ロスリング・ロンランド 

[訳]上杉 周作  関 美和 日経BP

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 


本書において著者は、国連が発表した信頼の置けるデータを元に、世界の現状について人々がどのように認識をしているか、10数問の3択クイズを出します。その正解率というのは、適当にサイコロを振った方がマシという有様で、これは回答者の教育程度は関係なく低かったそうです。

つまり誰も国連の発表した統計など見ていない。見ても、自身の古い、歪んだ世界観のために世界を悪いように捉えており、それは人間が本来持つ本能のようなものだと説明します。ここで、最近流行りの?進化心理学のような話になってきます。つまりは現状の世界、人間の性向というのは進化の過程で必然的に残ったものであり、それは生存に有利に働いたために残ったが、人類史の大半を占めた狩猟採集生活では有利に働いていたそれらが、社会の急激な変化に伴い、今では不利に働いているというのです。

本書は難しい統計学の本ではなく、使う計算といったら掛け算と割り算だけで、語り口も軽妙でユーモアに溢れ、しかも日本語訳も素晴らしく読みやすいです。著者はこの本の完成を待たずに亡くなってしまい、著者の息子夫婦が完成させたそうです。

 内容紹介

ここ数十年間、わたしは何千もの人々に、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問をしてきた医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家―ほとんどみんなが間違えた。みんなが同じ勘違いをしている。本書は、事実に基づく世界の見方を教え、とんでもない勘違いを観察し、学んだことをまとめた一冊だ。


ファクトフルネスとは――データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。

 

◆賢い人ほど、世界についてとんでもない勘違いをしている

本書では世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズを紹介している。たとえば、こんな質問だ。

質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%

質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%

答えは本書にある。どの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できない。しかも、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低い。
その理由は、10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているからだ。

◆教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口問題などをテーマに、世界の正しい見方をわかりやすく紹介

本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げている。いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介している。
これらのテーマは一見、難しくて遠い話に思えるかもしれない。でも、大丈夫。著者のハンス・ロスリング氏の説明は面白くてわかりやすいと評判だ。その証拠に、彼のTEDトークの動画は、累計3500万回も再生されている。
また、本書では数式はひとつも出てこない。「GDP」より難しい経済用語は出てこないし、「平均」より難しい統計用語も出てこない。誰にでも、直感的に内容を理解できるように書かれている。

著者等紹介

ハンス・ロスリング
医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者としても著名である。世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデン国境なき医師団を立ち上げたほか、ギャップマインダー財団を設立した。
ハンスのTEDトークは延べ3500万回以上も再生されており、タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれた。2017年に他界したが、人生最後の年は本書の執筆に捧げた。

オーラ・ロスリング

アンナ・ロスリング・ロンランド
オーラはハンスの息子で、アンナはその妻。ギャップマインダー財団の共同創設者。オーラはギャップマインダー財団で2005年から2007年、2010年から現在までディレクターを務めている。
アンナとオーラが開発した「トレンダライザー」というバブルチャートのツールをグーグルが買収した後は、グーグルでオーラはパブリックデータチームのリーダー、アンナはシニア・ユーザビリティデザイナーを務めた。
2人はともに功績を認められ、さまざまな賞を受賞している。

上杉 周作(うえすぎ・しゅうさく)
IT技術者。カーネギーメロン大学でコンピューターサイエンス学士、ヒューマンコンピュータインタラクション修士取得。卒業後、シリコンバレーのPalantir Technologies社にてプログラマー、Quora社にてデザイナー、EdSurge社にてプログラマーを経験。現在はフリーランスプログラマーとして活動するかたわら、不定期で実名ブログ「上杉周作」を更新中。

関 美和(せき・みわ)
翻訳家。杏林大学国語学部准教授。慶応義塾大学文学部・法学部卒業。電通スミス・バーニー勤務の後、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。モルガン・スタンレー投資銀行を経てクレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める。また、アジア女子大学(バングラデシュ)支援財団の理事も務めている。

目次

はじめに

イントロダクション
第1章 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
第2章 ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
第4章 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
第6章 パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
第9章 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
第10章 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
第11章 ファクトフルネスを実践しよう

ファクトフルネスの大まかなルール
おわりに

謝辞

訳者あとがき
付録
脚注
出典

著者プロフィール

訳者プロフィール

 

参考図書

Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think

Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think

 

 

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

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学び効率が最大化するインプット大全

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 関連サイト

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https://ps.nikkei.co.jp/bookreview/201902/01.html 
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