読書案内

お薦めの本を紹介します

武器としての決断思考

武器としての

決断と思考

  瀧本哲史  星海社

 

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

 


 本書は、人生を送る中で必要な意思決定の方法をまさにこれから生き抜くための武器として示してくれる一冊です。そして、章立てが授業形式になっていることと、ケーススタディが用意されているため理解しやすいです。判断材料とする情報の収集方法では巷に転がっている情報を鵜呑みにせず、自分自身で情報を集めること、自分で考えることを推奨しています。
 従来の常識が崩れ、右へ倣えでは通用しなくなってきた現代日本で若者が、サバイバルしていくため、流されず「自ら考え決断する」ための方法として、「ディベート」を取り上げその手法・ルールなどを実に丁寧に解説してくれます。

ディベート」とは、頭脳ゲームでもなく相手を論破する目的でもなく、課題のメリットとデメリットをとことん考え抜いて「正解」ではない「最善解」を出す、そこに至るまでの筋道を導き出すことを目的としています。このディベートを繰り返すことによって、鍛えられた根拠の強い意思決定を下すことができるようになるといいます。
 ディベートの細かな手法が豊富な実例と共に解説されていてとても、読みやいです。同じ内容を京大で学生向けに講義を行っているだけあって、やたら抽象的な言い回しや小難しい概念で悦に入ってるようなものとは正反対の、その都度例を交えたとてもわかりやすいです。
 脳学者の実は全く根拠のない似非科学的発言や、討論番組の質の低さなんかを、バッサリいっているのもなかなか痛快です。「正解がないから、論理的に自分で考えて自分で決める」ことが本書のテーマであり、こういうテーマであるからこそ書き手には一貫した姿勢が求められると思うのですが、その点で偏りの少ないと思われる著者の姿勢は素晴らしいと思います。

 内容紹介

東大×京大×マッキンゼー式・決断の技術! 教室から生徒があふれる京大の人気授業「瀧本哲史の意思決定論」を1冊に凝縮。これからの日本を支えていく若い世代に必要な「武器としての教養」シリーズ第1弾

本書は、著者がいま、京都大学で二十歳前後の学生に教えている「意志決定の授業」を一冊に凝縮したものです。今後、カオスの時代を生きていく若い世代にいちばん必要なのは、意思決定の方法を学ぶことであり、決断力を身につけることです。もう過去のやり方は通用しないし、人生のレールみたいなものもなくなってしまいました。「答え」は誰も教えてはくれません。となれば、自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていくしかないのです。仕事をどうするか、家庭をどうするか、人生をどうするか?この本で私と一緒に「自分で答えを出すための思考法」を学んでいきましょう。きっと、あなたの人生を変える授業になるはずです。

著者紹介

瀧本 哲史(たきもと・てつふみ)
京都大学客員准教授、エンジェル投資家。東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用されるも、自分の人生を自分で決断できるような生き方を追求するという観点から、マッキンゼーに転職。3年で独立し、今世紀中には返済できないほどの借金を負ってしまった企業の再建などを手がける。また、他の投資家が見捨てた会社、ビジネスアイデアしかない会社への投資でも実績を上げる。京都大学では「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、教室から学生があふれるほどの人気講義になっている。「ディベート甲子園」を主催する全国教室ディベート連盟事務局長。NPO法人全日本ディベート連盟代表理事星海社新書の「軍事顧問」も務め、本書が単著デビュー作となる。

目次

はじめに 「武器としての教養(リベラルアーツ)」を身につけろ
ガイダンス なぜ「学ぶ」必要があるのか?
1時間目 「議論」はなんのためにあるのか?
2時間目 漠然とした問題を「具体的に」考える
3時間目 どんなときも「メリット」と「デメリット」を比較する
4時間目 反論は、「深く考える」ために必要なもの
5時間目 議論における「正しさ」とは何か
6時間目 武器としての「情報収集術」
7時間目 「決断する」ということ

 

参考図書

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

 

 

君に友だちはいらない

君に友だちはいらない

 

 

ミライの授業

ミライの授業