読書案内

お薦めの本を紹介します

武器としての交渉思考

武器としての

   交渉思考

            瀧本哲史    星海社

 

武器としての交渉思考 (星海社新書)

武器としての交渉思考 (星海社新書)

 

 

 実際に著者が大学で行っている講義の内容を書籍化したというだけあって、非常に分かりやすく読みやすいです。読者の頭を使わせようと適度に設問が置かれており、講義を受けているという感覚になります。

 コミュニケーションの中でも交渉事を専門的に扱ってきた著者が、交渉を前提にした考え方の重要性やそのやり方を説いています。交渉と言われると利害関係の構築や自分の利益確保など、ビジネス的な場面を想像してしましますが、本書は社会を動かす歴史的な出来事や日常生活の些細な場面で発生する他者との関わり合いなど大小問わず様々な場面を想定しており、そういった状況においてどのような思考でコミュニケーションを交わせば目的が達成できるかまとめられています。


 テクニカルな部分とそれ以外の重要性を説く内容のバランスが良いので、机上の空論にはならず実践的に使える内容だと思いました。交渉における利益の確保については初歩的ながら具体的で細かい事まで触れられていますが、コミュニケーションにおける印象など感情面についてはあまりふれられていませんでした。
 自分の中で消化して使えるようになるにはそれなりの時間や経験が必要になると思いますが、まずは自分の主張からではなく、相手の意思決定について考えを巡らす事から始めたらいいと思いました。

内容紹介

交渉は、若者が世の中を動かすための必須スキル。交渉によって仲間と手を組み革命を起こせ。京大最強授業第二弾。

交渉は、若者が世の中を動かすための必須スキル
本書は、私がいま、京都大学で二十歳前後の学生に教えている「交渉の授業」を一冊に凝縮したものです。いくら自分の力で決断できるようになっても、いくら高い能力や志を持っていても、世の中を動かすためには自分一人の力ではとても足りません。共に戦う「仲間」を探し出し、連携して、大きな流れを生み出していかなければならない。そこで必要となるのが、相手と自分、お互いの利害を分析し、調整することで合意を目指す交渉の考え方です。交渉とは、単なるビジネススキルではありません。ときには敵対する相手とも手を組み、共通の目的のために具体的なアクションを起こしていく―そのための思考法なのです。さあ、「交渉思考」を手に、この閉塞した日本の状況を一緒に変えていきましょう。

 

著者紹介

瀧本 哲史(たきもと・てつふみ)
京都大学客員准教授、エンジェル投資家。東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用されるも、自分の人生を自分で決断できるような生き方を追求するという観点から、マッキンゼーに転職。3年で独立し、企業再建などを手がける。また、他の投資家が見捨てた会社、ビジネスアイデアしかない会社への投資でも実績を上げる。京都大学では「交渉論」「意思決定論」「起業論」の授業を担当し人気講義に。「ディベート甲子園」を主催する全国教室ディベート連盟事務局長。

 

目次

ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?
1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」
2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる
3時間目 「バトナ」は最強の武器
4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ
5時間目 「非合理的な人間」とどう向き合うか?
6時間目 自分自身の「宿題」をやろう

 

参考図書

 

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

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読書は格闘技

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