読書案内

お薦めの本を紹介します

ほぼ命がけ サメ図鑑ーサメへの見方が変わりますー

     ほぼ命がけ 

サメ図鑑

      沼口 麻子 

        講談社

 

ほぼ命がけサメ図鑑

ほぼ命がけサメ図鑑

 

 

 本書は、自称サメジャーナリストの人が書いた本です。前半は鮫体験日記、作者が出会った鮫をケース毎に紹介しています。生物としての鮫の魅力を伝えてます。後半は鮫文化、特に日本と鮫の関わり合いを。見たり触ったりだけでは無く食べてみても下さいと言った感じで食レポもしています。所々で鮫の絵入りの紹介あります。名前、大きさ(最大個体)、生息地域・深度、餌、出産方法等を載せています。
「人食い鮫なんていません」「鮫肉はアンモニア臭い」とかの世間一般のイメージを払拭したいと言う意気込みの伝わる内容です。

 本書の中で、著者が訊いたサメの逸話や著者の体験談などは、非常に面白かったです。

 例えば、1916年にアメリカで川を昇ってくる人喰いザメの事件のことが記されています。この事件自体は、すでに「世にも奇妙な人体実験の歴史」や、「超危険生物」などに紹介されていて、とくに「世にも奇妙な人体実験の歴史」では、その事件の顛末が4ページにわたってびっしりと記されているので、事件の詳細だけならそちらのほうがはるかによくわかるのですが、本書では、「信じてください!ホホジロザメは無実です」と、沼口女史はその証拠を一つ一つ挙げてゆきます。また、「本当に怖いのはサメではなくシャチ」というお話では、サメと同じくらいの戦斗力を擁しながら、恐怖のエピソードが収録されています。
 例えば、網に掛かったシャチの子供のはなしでは、それを、海面から立ち上がるように身をせり出して、じーっと漁船を見つめ睨みつける親シャチ、そのことに途中まで気付いていなかった漁師さんの話は、たいへん怖い話でした。

 内容紹介

「人食いザメは存在しません!」――世界でただひとりの「シャークジャーナリスト」が命がけでご案内。その数509種、4億年前から地球に生息するサメを体当たりレポート!

わたしは「シャークジャーナリスト」という肩書きで、テレビ番組でサメの解説をしたり、専門学校でサメの講義をするなど、サメだけに特化した情報発信を生業にしています。仕事柄、わたしはサメに関するいろいろな質問をよく頂ききます。そのほとんどがこういった内容です。


Q サメに襲われない方法を教えてください。
Q 日本にも人食いザメはいるのでしょうか。
わたしはきっぱりこう答えます。
「人食いザメは存在しません」
人類よりも先、この地球に4億年前からすみつづけるサメは世界中に500種類以上存在し、百人いえ、百鮫百様なのです。全長17メートル(これまで確認された者最大サイズ)の「最大の魚類」ジンベエザメから、手のひらサイズのツラナガコビトザメまで、分布や生息域、繁殖方法も多様性に富み、その生態についてはまだまだわかっていないことが多い生物です。サメと聞いてUSJにある「ジョーズ」のモデルになったホホジロザメだけが思い浮かんだなら、哺乳類の説明をするときにライオンだけをみて、哺乳類を語ったり(実際にはネズミもカモノハシもヒトも哺乳類です)、フェラーリだけをみて車すべてを理解したように思うのと同じことです。


2017年7月20日、「久慈浜海水浴場にサメ30匹 遊泳禁止」というニュースが世間を騒がせました。こんなニュースを目にするたび、わたしは強い憤りを感じます。このときも水族館職員が調べたところ、出現したサメは、「ドチザメ」という種で、水族館のタッチプール水槽で飼われて子どもたちがよく触れているサメのひとつでした。「人食いザメは存在しません」――詳しくは本書を読んでいただくとして、怖いとしか認識されていない、サメの本当の姿を世の中に伝えるべく日々奮闘中のシャークジャーナリストが、地球上の海を旅して見たり食べたりの体当たり図鑑、ぜひご覧ください。

 引用元:講談社BOOK倶楽部

 

著者紹介

沼口麻子(ぬまぐち・あさこ)

1980年生まれ、静岡県在住。東海大学海洋学部を卒業後、同大学大学院海洋学研究科水産学専攻修士課程修了。 在学中は小笠原諸島父島周辺海域に出現するサメ相調査とその寄生虫(Cestoda 条虫類))の出現調査を行う。現在は、世界で唯一の「シャークジャーナリスト」として、世界中のサメを取材し、サメという生き物の魅力をメディアなどで発信している。サメ談話会やオンラインサロン「サメサメ倶楽部」https://lounge.dmm.com/detail/645/を主宰。

 

目次

はじめに サメの「甘噛み」

第1章 サメのよろず相談室

「人食いザメ」ってどこにいるんですか?
ジョーズ』ってホホジロザメが人を

食べまくる映画でしたよね?
キャビアってサメの卵ですよね? ほか
第2章 わたしの体当たりサメ図鑑

カグラザメ―別名アベカワタロウ

神々しいアルカイックスマイル
サガミザメ―リンゴの香りがする

深海ザメの出産に立ち会う
ミツクリザメ―まるでマジックハンドのように

顎が飛び出す「悪魔のサメ」 ほか
第3章 わたしの世界サメ巡礼

1杯4万5000円のフカヒレラーメン!

―横浜中華街
フカヒレだけじゃない美味しいサメ肉選手権

―青森・栃木・ドバイ
ゆく年くる年を、サメ料理とともに過ごす

新潟県上越市 ほか

ちょっとフカ堀りサメ講座

サメ界ミライのエースたち

サメ体験スポット24

おもな参考文献と参考WEBサイト

 

参考図書

 

海洋生命5億年史 サメ帝国の逆襲 (文春e-book)

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世界の美しいサメ図鑑

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世界サメ図鑑

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