読書日記

お薦めの本を紹介します

生命40億年全史

生命40億年全史

リチャード・フォーティ

 [訳]渡辺 政隆 草思社

生命40億年全史

生命40億年全史

 

 

  本書は、大英自然史博物館に勤務する古生物学者が書いた本です。本書は、いわゆる学問的な解説書ではなく、著者の個人的なエピソードや学会の面白裏話などを交えながら、イギリス人特有の奇妙なユーモアで生命40億年の歴史を語っており大変味わい深い一冊に仕上がっています。

  冒頭、古生物学者としてのキャリアの入り口で体験した極北での化石発掘の生き生きとした描写に始まり、40億年の生命史を500ページで語りつくしています。古生代中生代・・・そして人類史と、時間を追った大きな流れをボートに乗ってゆっくり進んでいくと、岸では、その時代の生物に古生物学者や古生物学に影響を与えたそれ以外の領域の科学者の群像が絡んでいくのが眺められます。

 宇宙の誕生は【約137億年前】。地球の誕生は【約46億年前】。そして今から【約40億年前】に、この地球に初めて生命が生まれました。現在地球上に棲息する全ての生命体の先祖が、この40億年前の極小のバクテリアであることを考えると非常に不思議の念に駆られます。ここに私たち人類の原点があることを忘れてはいけません。

 現在、人類は自然との共生という大きな課題を抱えています。この問題に関しても、もっと謙虚な気持ちになって【人間は大自然の一部にしか過ぎない】という事実を認識することが大切なのだと思います。著者の軽妙な文体で描かれたこの【生命40億年の歴史】を読むことは、また違った角度から地球問題や環境問題を捉えるのに非常に有益です。

 内容紹介

いかなる進化劇が展開されてきたのか―。尽きせぬ謎を解く鍵を探し、古生物学者たちは世界中を奔走する!大英自然史博物館の古生物学者が、化石資料を縦横無尽に駆使し、自身の発掘調査の興奮を織り交ぜながら、広大無辺な40億年を一つの物語にまとめ上げた、決定版・生命史。

球に生命が誕生してから40億年。現生する生物は約5000万種と言われているが、絶滅した種を合わせれば、何億、何十億という数に上るだろう。その一つひとつに進化史に占める役割があり、ドラマがある。

   広大無辺な40億年を一つの物語にまとめあげるという、偉業を成し遂げたのは、大英自然博物館の主席研究員、リチャード・フォーティ。彼は、自ら化石発掘のため、世界各地を飛び回っている古生物学者だ。臨場感あふれる発掘調査のエピソードもいたるところに織り交ぜられており、本書はさながら、著者の自分史ともいえるだろう。

   第1章ではケンブリッジ大学時代にスピッツベルゲン島で探検をした時のことが語られているが、この時、彼が学んだのは、発見や歴史における重要な1歩は、些細な事柄に還元できる場合が多々あり、決定的に重要な事件はありふれた出来事と隣り合わせになっている、ということだった。この章でのエピソードは全編の隠喩となっている。

   地球は、誕生まもない太陽をとりかこんでいた宇宙のゴミ(超新星の残骸)から生まれた。そして最初の生命が誕生したのは酸性で硫黄臭を発散する地獄釜のような所だったと考えられている。その後、原生生物、三葉虫(著者の1番の専門)、魚類、両生類と進化していき、ジュラ紀(2億800万年前)に入ると恐竜が繁栄するが、その栄華も永遠ではなく、白亜紀(1億4600万年前)には絶滅してしまう。そして、我々哺乳類の先祖が出現する。

   生命の進化というのは、無数の偶然と必然からなり、生命は常に勝ち抜いてきたものなのだと著者は言う。

   最後に「たしかなのはただ、この先も変化は続くということのみである。変化の原因として人間が関与することは間違いない。偶発に翻弄される運命の歯車も、われわれの運命を左右するだろう」と述べ、近年の環境破壊、遺伝子工学による影響などを危惧しつつも、「人間には影響を予測する力があり、自分達の、そして未来のコントロールもできるはずで、これらの危機もきっと切り抜けていけるだろう」と、これまで絶滅してきた生物とは異なる、人間の可能性を強調している。壮大なスケールの本書で、40億年の歴史を一気に駆け抜けていただきたい。(冴木なお)

著者等紹介

リチャード・フォーティ(Richard Fortey)

1946年生まれ。古生物学者。2004年に長年勤めた大英自然史博物館古無脊椎動物門主席研究員を退任。2005年よりロンドン地質学会会長に就任。英国古生物学会会長(1994―96)、ブリストル大学科学技術公衆理解担当客員教授などを歴任。数々の学術賞を受賞。専門はオルドビス紀三葉虫と筆石類の進化・生態・体系学。著書に『三葉虫の謎』(垂水雄二訳、早川書房)、『生命40億年全史』『地球46億年全史』(ともに草思社)ほか。

渡辺 政隆(わたなべ・まさたか)
1955年生まれ。東京大学農学系大学院博士課程修了。サイエンスライター。専門は進化生物学、科学史、サイエンスコミュニケーション。独立行政法人科学技術振興機構、科学コミュニケーションスーパーバイザー。日本大学芸術学部和歌山大学奈良先端大学院大学の各客員教授を兼務。著書に『一粒の柿の種』(岩波書店)、『DNAの謎に挑む』(朝日新聞社)ほか。訳書にグールド『ワンダフルライフ』(早川書房)、ジンマー『「進化」大全』(光文社)、パーカー『眼の誕生』草思社)ほか多数。 

目次

第1章 悠久の海
第2章 塵から生命へ
第3章 細胞、組織、体
第4章 私のお気に入りと仲間たち
第5章 豊饒の海
第6章 陸上へ
第7章 森の静謐、海の賑わい
第8章 大陸塊
第9章 壮大なものと控えめなもの
第10章 終末理論
第11章 乳飲み子の成功
第12章 人類
第13章 偶然の力

参考図書

地球46億年全史

地球46億年全史

 

 

〈生きた化石〉生命40億年史 (筑摩選書)

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生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学

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 関連サイト

地球が太陽系の中で生まれたのが46億年前、そしてその地球上に生命が誕生したのは40億年前と言われている。 ... 生命40億年全史」(LIFE : An Unauthorized Biography)、大英自然博物館古無脊椎部門主席研究員のリチャード・フォーティ氏による壮大な ...
 
 

地球46億年の歴史と生命進化のストーリー | JAMSTEC×Splatoon 2 ...


しかし、誕生したばかりの地球は温度が1,000℃以上のマグマに覆われ、生命はとても存在できないような環境でした。地球の46億年の歴史の中で環境は大きく変化し、その中で生命は種(しゅ)の絶滅と進化を繰り返し、現在までつながってきたのです。今回は、 ...
 
 

【特集】宇宙・地球・生命・人類の誕生と起源、進化の137億年の歴史 | 脳 ...


https://japan-brain-science.com/archives/818 
もっとも、地球歴史が46億年であることを考えると、700万年という人類の歴史は極めて短い期間であるといえる。 人類の起源がどこにあるかを考える上で、生命の起源に言及することは不可避である。そして、生命の起源に言及するのであれば、地球や宇宙の ...
 
 
 

村上春樹・和田誠のJAZZ絵本

ボートレイト・イン・ジャズ

     和田 誠  村上春樹  新潮文庫

 

ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫)

ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫)

 

 

 村上春樹さんは、小説家になる前、東京の国分寺千駄ヶ谷で「ピーター・キャット」というジャズ喫茶を営んでいました。小説の中にも、著名なジャズマンの名前がたびたび出てきたり、ほとんど登場人物の生活の一部のようにジャズが流れていたりします。
 本書は、村上春樹さんが、20年以上の愛聴歴から選りすぐりのジャズマンを56名ピックアップし、和田誠氏の素敵な絵とともに上梓されたエッセイ集です。純粋に村上さんの文章を楽しみ、ジャズの奥深さを知るための作品だと思います。
 本書では、村上春樹さんが、出逢った「この一枚、このナンバー」が挙げられており、それらは必ずしもそのプレイヤーの一般的に認められた「名盤」とは一致ません。なぜこの一枚か?という理由、エピソードを熱く、時には淡々と綴っています。

 村上春樹さんのジャズへの傾倒ぶりにあらためて驚かされるとともに、心の底からジャズを愛し、ジャズが、生きる上での欠かせない糧となっている事情が如実に伝わってきます。

 内容紹介

和田誠が描くミュージシャンの肖像に、村上春樹がエッセイを添えたジャズ名鑑。ともに十代でジャズに出会い、数多くの名演奏を聴きこんできた二人が選びに選んだのは、マニアを唸らせ、入門者を暖かく迎えるよりすぐりのラインアップ。著者(村上)が所蔵するLPジャケットの貴重な写真も満載! 単行本二冊を収録し、あらたにボーナス・トラック三篇を加えた増補決定版。

 

まえがき 和田誠より

 中学生で映画が大好きになった。その頃観た「ヒット・パレード」は、象牙の塔にこもって古典音楽を研究しているコチコチの教授ダニイ・ケイが、ある日ジャズの存在を知り、巷(ちまた)に出かけてジャズを聴きまくる。
 喜劇仕立てのこの映画は、ジャズ入門篇でもあった。ペニー・グッドマン、トミー・ドーシイ、ルイ・アームストロングライオネル・ハンプトンなどなど、そうそうたるミュージシャンたちが出演して、演奏を聴かせてくれるのだから。
 そんなわけで、映画とジャズはほとんど同時にぼくのそばにやってきた。ぼくはまず映画が多くとり上げていたスイングに親しみ、さかのぼって古いジャズを聴いた。高校時代にはジャズの歴史に興味を持った。一方、ビ・バップも生まれていた。新しいジャズも聴かないわけにはいかない。
 大学の頃には、セロニアス・モンクマイルズ・デイヴィスはすでに大物であったし、サッチモデューク・エリントンも活躍していた。ジョージ・ルイスもキッド・オリイも、まだまだ元気だった。いろんな時代のいろんなタイプのジャズをたくさん聴いた。
 そうして大人になった。音楽は大好きだったが仕事にはせず、イラストレーターを選んだ。たまに展覧会を開く。個展は日常の仕事と違ってテーマを自由に選べる。そんな時、好きな映画や音楽を題材にすることが多い。
 92年に開いた個展のタイトルは″JAZZ″だった。20人のジャズメンを勝手に選んで描いた。その時の絵が村上春樹さんの目にとまり、エッセイをつけてくれることになった。97年には″SING″という展覧会をした。その中のジャズ系の人たちと、描きおろしを加えた26人で一冊の本になる。
 村上さんのジャズへの想いは、ぼくよりも熱く深い。展覧会の絵は方々に嫁入りをしてちりぢりになるが、村上さんの文章を得て、ぼくが描いたジャズメンがまた一堂に会することができた。嬉しいことです。

 

あとがき 村上春樹より

ジャズという音楽にあるときふと魅せられて、それ以来、人生の大半をこの音楽とともに暮らしてきた。僕にとつて音楽というのはいつもとても大事なものだったけれど、その中でもジャズはとくべつな位置を占めているといってもいい。ある時期にはそれを仕事にまでしていたくらいだ。
 しかしそういうせいもあって、ジャズについてあらためてなにかを書くというのは、いささかしんどいところがある。あまりにも密着しすぎていて、なにから書けばいいのか、どこまで書けばいいのか……と考え始めると、だんだん気が重くなってくるのだ。
 でも和田誠さんの描いたジャズ・ミュージシャンのポートレイトを何枚か見せてもらって、「うん、なるほど、これならなにか書けるな」とすぐに思った。和田さんの絵を見ていると、そのミュージシャンに染み込んだ固有のメロディーのようなものが、僕の頭にすっと浮かんできて、それをそのまま文章に移しかえれば出来上がりという感じだった。だからとても自然に、とても楽しく仕事をすることができた。つまり「まず絵ありき」で、そこに僕があとから文章をつけるという作業の手順が、この本の場合とてもうまくいったわけだ。
 とくに僕が感心したのは、和田さんのこの26人のミュージシャンの選び方で、ほんとうにジャズが好きじやないとこういう人選はできないだろうなとつくづく思う。そういうところにも、すごく個人的に共感することができた。ソニー・ロリンズジョン・コルトレーンも入っていないけれど(そのかわりにちゃんとビックスとティーガーデンが入っている)、それがつまりこの本の素晴らしくかっこいいところだと思って下さい。

 

著者紹介

和田 誠(わだ・まこと)

1936(昭和11)年生れ。多摩美術大学卒業。デザイン会社に九年勤め、以後フリーのイラストレーター、グラフィック・デザイナー。主な著書に『お楽しみはこれからだ』シリーズ『銀座界隈ドキドキの日々』『装丁物語』『似顔絵物語』『本漫画』『東京見物』など。『麻雀放浪記』『真夜中まで』ほか映画監督としての作品もある。受賞は文春漫画賞講談社エッセイ賞菊池寛賞、毎日デザイン賞など 。

村上 春樹(むらかみ・はるき)

1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、エッセイ集、紀行文、翻訳書など著書多数。海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞を受賞。

目次

まえがき 和田 誠 村上春樹

チェット・ベイカー / ベニー・グッドマン / チャーリー・パーカー / ファッツ・ウォーラー / アート・ブレイキー / スタン・ゲッツ / ビリー・ホリデイ / キャブ・キャロウェイ / チャールズ・ミンガス / ジャック・ティーガーデン / ビル・エヴァンス / ビックス・バイダーペツク / ジュリアン・キャノンポール・アダレイ /  デューク・エリントンエラ・フィッツジェラルド / マイルス・デイヴィスチャーリー・クリスチャンエリック・ドルフィー / カウント・ペイシー / ジェリー・マリガンナット・キング・コール / デイジーガレスピーデクスター・ゴードンルイ・アームストロングセロニアス・モンクレスター・ヤング [ほか]

あとがき 村上春樹 和田誠

参考図書

 

村上ソングズ (村上春樹翻訳ライブラリー)

村上ソングズ (村上春樹翻訳ライブラリー)

 

 

さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想 (新潮文庫)

さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想 (新潮文庫)

 

 

関連サイト

ポートレイト・イン・ジャズ


http://zip2000.server-shared.com/portinjazz.html 
村上春樹ジャズ> 村上春樹の小説と音楽の関係はきっても切り離せないものですが、中でもジャズは彼の作品にとって最重要のBGMといえるでしょう。大学時代にジャズ喫茶でバイトをしたり、その後、個人でジャズ・バーを経営していた彼にとっては、ジャズ ...
 
 

Portrait in 村上春樹的 ジャズ - おすすめCDアルバム&主要作品一覧


https://jazzdangi.jimdofree.com/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E6%98%A5%E6%A8%B9%E7%9A%84%E3%81%AA%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%BA/ 
/村上春樹的なジャズ/
 
Portrait in 村上春樹的 ジャズ. この文庫版は、下記第一集&二集が合体したお得版. 第一集. 第二集. 私の好きなジャズ評論家といえば、油井正一さんとか大和明さんとかがいらっしゃいます。お二人ともジャズへの視点が鋭くて面白いんだけでなく一次情報(いつ ...
 
 
 

和田誠村上春樹セレクション-ポートレイト・イン・ジャズ オムニバス CD ...


http://www.neowing.co.jp/product/POCJ-1600 
 › ミュージック › ジャズ・フュージョン
 
1, ブルームディド / チャーリー・パーカー, 試聴. 2, ジターバッグ ワルツ / ハーブ・ゲラー, 試聴. 3, 危険な関係のブルース / アート・ブレイキー, 試聴. 4, ムーヴ / スタン・ゲッツ, 試聴. 5, マイ・フーリッシュ・ハート / チャールス・ミンガス, 試聴. 6, ロックス・イン・マイ・ベッド ...
 
 
 
 
 
 

 

 

昭和史裁判 半藤一利 X 加藤陽子

昭和史裁判

半藤一利 加藤陽子

  文春文庫

昭和史裁判 (文春文庫)

昭和史裁判 (文春文庫)

 

 

 本書は、 昭和史に関し著作の多い歴史探偵半藤一利さんと歴史学者加藤陽子さんが、太平洋戦争の責任を問う法廷の形式で縦横に対談したものです。裁かれる人物は、意図して軍人は外し広田弘毅近衛文麿松岡洋右木戸幸一と4人の文官指導者と番外に昭和天皇です。

 一応検事役の半藤さんが多くの事例に基づき告発すると、弁護人役の加藤さんが最新の学問成果も踏まえて反論していますが、検事・弁護人で同意したりまた互いに触発され論が進む場面も多く、興味深い秘話や新資料に基づく通説の転換も随所にあり面白かった。
 本書で特に興味深く印象に残った点を以下列挙します。
松岡洋右国際連盟脱退と三国同盟は、松岡のスタンドプレーではなく閣議決定に基づいており、松岡はそれぞれにある構想を持っていた。(加藤さんの弁護)
内大臣木戸幸一は各界からの天皇への上奏を操作し、東條英機首相選出においても重臣会議を隠れ蓑に暗躍した。(加藤さんも弁護の余地なし)
大元帥としての天皇の軍事判断は場面によって振れが大きく、一貫性、大局観に欠けていた。
昭和天皇の家庭内関係は微妙で、母君(貞明皇太后)や弟君(秩父宮高松宮)との間で意見を異とすることもあった。
東京裁判において、広田弘毅は6:5の1票差で死刑判決、木戸幸一は逆に5:6で死刑を免れ無期懲役(のち釈放)と運命が分かれた。

 内容紹介

リーダーたちはどこで誤ったのか? 白熱対談!

太平洋戦争開戦から70年。広田弘毅近衛文麿ら当時のリーダーたちはなにをどう判断し、どこで間違ったのか。半藤゛検事゛と加藤゛弁護人゛が失敗の本質を徹底討論!

「軍部が悪い」だけでは済まされない。松岡洋右広田弘毅近衛文麿ら70年前のリーダーたちは、なにをどう判断し、どこで間違ったのか―昭和史研究のツートップ・半藤さんと加藤さんが、あの戦争を呼び込んだリーダー達(番外編昭和天皇)を俎上に載せて、とことん語ります。あえて軍人を避けての徹底検証は本邦初の試み!

著者紹介

半藤 一利(はんどう・かずとし)

1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春「文藝春秋」編集長、取締役などを経て作家。著書は『日本のいちばん長い日』『漱石先生ぞな、もし』(正続、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)など多数。『昭和史1926‐1945』、『昭和史戦後篇1945‐1989』(平凡社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞した。2015年、菊池寛賞を受賞。
加藤 陽子(かとう・ようこ)
1960年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。
1989年、東京大学大学院博士課程修了。山梨大学助教授、スタンフォード大学フーバー研究所訪問研究員などを経て現職。専攻は日本近現代史
2010年に『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)で小林秀雄賞受賞。
著書に『模索する1930年代』『徴兵制と近代日本』『戦争の日本近現代史』『戦争の論理』『戦争を読む』『満州事変から日中戦争へ』『NHK さかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争』『昭和天皇と戦争の世紀』などがある。

目次

第1章 広田弘毅(開廷に先立って
東京裁判と『落日燃ゆ』 ほか)
第2章 近衛文麿(天皇の次に偉い男
金はなかった、人気があった ほか)
第3章 松岡洋右(外務省「大陸派」
伏魔殿、帝国外務省 ほか)
第4章 木戸幸一(自称「野武士」、ゴルフはハンディ「10」
名家の坊やが抱えたルサンチマン ほか)
第5章 昭和天皇(初陣の日中戦争
勃発からひと月で海軍の戦争に ほか)

参考図書

とめられなかった戦争 (文春文庫)

とめられなかった戦争 (文春文庫)

 

 

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)

 

 

 

あの戦争と日本人

あの戦争と日本人

 

 

 関連サイト

真珠湾攻撃から75年、歴史家・加藤陽子氏は語る「太平洋戦争を回避する ...


2016/12/07 - 真珠湾攻撃から75年、歴史家・加藤陽子氏は語る「太平洋戦争を回避する選択肢はたくさんあった」. 12月8日は「国民が国家の行く末に関われなかったことを噛み締める日だ」. 吉川慧. 7th December 1941: The USS Arizona sinking in a ...
 
 

【東大2018⑤】集合知を支え得る歴史像を 加藤陽子教授に聞く歴史学の ...


http://www.todaishimbun.org/success2018_20171127/ 
2017/11/27 - 戦争に突入したのは軍部と為政者が悪かったから」などと、時に単純化して語られることもある日本の近現代史。ベストセラー『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)などで知られる加藤陽子教授(人文社会系研究科)は、一貫し ...
 
 

オピニオン:平成日本の過ち、「滅びの40年」回避できるか=半藤一利氏 ...


https://jp.reuters.com/article/opinion-kazutoshi-hando-idJPKCN1QO050 
2019/03/06 - [東京 7日] - 幕末から昭和まで、歴史を見つめてきた作家の半藤一利氏は、平成の日本は国家に目標がなく、国民も基軸を失いつつあると指摘する。

昭和史の深層 ー史実を整理し、問題の本質を衝くー

 昭和史の深層

15の争点から読み解く

保坂正康     平凡社 

昭和史の深層 15の争点から読み解く (平凡社新書)

昭和史の深層 15の争点から読み解く (平凡社新書)

 

 
 本書では15のテーマがとりあげられ、著者のコメント、見解が表明されています。順に示すと、満州事変前後の国家改造運動、2・26事件、日中戦争南京事件、太平洋戦争とその歴史的本質、毒ガス・原爆殺戮兵器、北方領土問題と北海道占領、敗戦、東京裁判、占領期の宰相、占領の位置づけ、強制連行、沖縄戦慰安婦問題、昭和天皇の歴史的役割、となります。

 どの問題にも異なる見解があり、一部は論争になってるほどのデリケートなテーマですが、著者は論争のどちらかに肩入れするのではなく、歴史的事象の本質を見極めようとしています。例えば、最初の「満州事変前後の国家改造運動」では、昭和5・6・7年の国家改造運動とは何だったのか、と問い、この問いに対し、「当事者たちの意思がどのようにして培養されたのか」を示すことが答えになると指摘しています(p.31)。

 著者は個々の問題を考察するにあたって、議論がブレることのないよう複数の視点を提示しています。この点も本書の特徴です。いくつか例を示しますと、日中戦争に関して重要なのは、(1)戦争終末点を考えていなかった、(2)国際社会の勢力を無視していた、(3)国民に向けての戦争説明がなさあれなかったこと、を挙げています。また東京裁判を歴史的に考察するさいの指針を7点列挙しています。(1)東京裁判を貫く一本の芯としての倫理、理念、(2)戦争犯罪人を裁くという法的行為の是非についての考察、(3)戦争責任とは具体的にどのような枠組みでどこまでの範囲で裁けるのか、(4)裁くという側の判事たちの普遍的価値観をどこにもとめるのか、(5)裁いた側の責任はどのような形で問われるのか、(6)人類社会がひとつの地球的共同体に移行するときのバネになりうるのか、(7)思想や理念を裁くということはその全面的な否定を意味するのか(p.159)。

 本書ではまた、そういうことだったのか、という記述にいくつか遭遇しました。太平洋戦争の呼称は多様だったこと(大東亜戦争、アジア太平洋戦争、第二次世界大戦など、このような現象は他国では見られない)[p.86]、戦後、北海道の運命は朝鮮のように分割統治される可能性があり、その帰趨は紙一重だったこと、本土決戦は沖縄戦ですでに始まっていて、北海道出身の兵士が多く戦死し(一万余)、アイヌの人たちも数多く編入されていたこと(pp.220-223)、昭和天皇A級戦犯靖国神社に合祀されることに強い不満をもっていたこと(むしろその措置がとられたことを激怒し、以後参拝はやめた)[pp.258-260]、などです。

 内容紹介

 太平洋戦争、昭和天皇南京事件慰安婦問題……。論争点となってきた15のテーマを通して、表層的ではない昭和史の本質を探る。

 昭和三十年代の「昭和史論争」を初め、これまで、昭和史をめぐっては様々な論争が繰り広げられてきた。今日でも、国を超えた歴史共同研究が進む一方、個別のテーマに関して、依然として対立点が存在する。これまでの論争は果たして本質的なものであっただろうか?15のテーマに関して、史実を整理し、より本質的な問題点を提示する。

著者紹介

保坂正康(ほさか・まさやす)

1939(昭和14)年、北海道生れ。同志社大学文学部卒業後、編集者などを経てノンフィクション作家に。『昭和史七つの謎』『昭和陸軍の研究』『医療崩壊』『愛する人を喪ったあなたへ』『あの戦争は何だったのか』『田中角栄の昭和』『真説 光クラブ事件』「昭和史の大河を往く」シリーズ『昭和の怪物 七つの謎』など著書多数。とくに昭和史、医療問題に関する作品に定評がある。2004(平成16)年『昭和史講座』の刊行で菊池寛賞を、2017年『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞を受賞。

目次

はじめに

第  一  章 満州事変前後の国家改造運動
第  二  章 二・二六事件と新統制派
第  三  章 日中戦争と「現地解決・不拡大」
第  四  章 南京事件―戦場における残虐行為とは
第  五  章 太平洋戦争とその歴史的本質
第  六  章 毒ガス・原爆・大量殺りく兵器を許した論理
第  七  章 北方四島、北海道占領をめぐるドラマ
第  八  章 「敗戦」と向き合うということ
第  九  章 東京裁判が真に問うていること
第  十  章 占領期に見る宰相の資質
第十一章 占領は解放か。それとっも抑圧か
第十二章 強制連行の実態を考える
第十三章 沖縄県の本質を見つめる
第十四章 慰安婦問題に見る「戦場と性」
第十五章 昭和天皇の歴史的役割を分析する

おわりにー日本人の意識はどう変わったか

あとがき

参考図書

昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)

昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)

 

 

続 昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)

続 昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)

 

 

昭和史の急所 戦争・天皇・日本人 (朝日新書)

昭和史の急所 戦争・天皇・日本人 (朝日新書)

 

 

 関連サイト

4 日前 - 募集終了 定員に達したため募集を終了いたしました。 北海道立文学館特別展 会期:2019年8月31日(土)~11月7日(木). ノンフィクション作家・保阪正康の仕事-「昭和史」との対話. 関連イベント. 文芸講演会「私の仕事の流儀」 2019年8 ...
 
 

昭和史研究の第一人者が決意の激白〜安倍首相の「歴史観」を問う ...


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/44288 
太平洋戦争で日本がおかした根本的な3つの錯誤とは何か? 昭和史研究の第一人者・保阪正康さんは、現在安倍政権が進める安保政策についてどう考えているか? 「戦後70年にこれだけは言い残しておかなければならない」と決意の激白。
 
 

保阪正康氏と戦争証言者 | 独立メディア塾


http://mediajuku.com/?p=11809 
2019/02/16 - 関口 宏. BS-TBS「人生の詩」で、初めて保阪正康さんにお会いしました。ノンフィクション作家、特に昭和史研究の第一人者。「東条英機天皇の時代」「昭和陸軍の研究」など数多くの著作をお持ちで、最近では「昭和の怪物 七つの謎」が話題に ...

 

落合陽一のデジタルネイチャー

  デジタルネイチャー

  生態系を為す汎神化した

   計算機による侘と寂

                落合陽一 

PLANETS/第二次惑星開発委員会

 

デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂

デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂

 

 

  本書はテクノロジー、経済、アート、宗教などの著者の知見を複合した上で紡がれた、著者の提唱する「デジタルネイチャー(計算機自然)」についての書籍です。語や概念についての注釈が大量についているおかげで、上記のような知識がなくても読み進めることができると思います。
 内容が難しいと思いますが、注釈のおかげで、新聞を読める程度の読解力と、知的好奇心、この本を読むというモチベーションがあれば十分読了することが可能だと思います。
 人間と機械の関係性を考える契機、現代から未来へと社会はどう変わっていくかへの関心を呼び起こすなど、様々な思考のきっかけを与えてくれる本だと思ます。

 

 内容紹介

十分に発達した計算機群は、自然と見分けがつかない――
デジタルネイチャー、それは落合陽一が提唱する未来像でありマニフェストである。
ポストモダンもシンギュラリティも、この「新しい自然」の一要素にすぎない。否応なく刷新される人間と社会。それは幸福の、経済の、民主政治の再定義をもたらす。新たなるパラダイムはここから始まる……! 

「我々は、「ゲート」や「つなぎ目」のない世界を生み出し、標準化を多様性で置き換え、個人の幸福や不安といった人間性に由来する強迫観念をテクノロジーによって超越しうる。我々にとって必要なのは、テクノロジーが向かう未来へのビジョンと情熱だ。」(あとがきより)

著者紹介

落合陽一(おちあい・よういち)

1987生。2015年東京大学学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の短縮終了)、博士(学際情報学)。2015年より筑波大学図書館情報メディア系助教デジタルネイチャー研究室主宰。2015年Pixie Dust Technologies.incを起業しCEOとして勤務。2017年より筑波大学学長補佐、大阪芸術大学客員教授デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。2017年12月「デジタルネイチャー推進戦略研究基盤」を筑波大学内に設立し、筑波大学助教を退職、及び本基盤の代表/准教授として筑波大学に再就任し、現職。JST CREST xDiversity代表。専門はCG、HCI、VR、視・聴・触覚提示法、デジタルファブリケーション、自動運転や身体制御・多様化身体。研究論文は分野の最難関国際会議であるACM SIGGRAPHACM UIST、CHIなどに採択されている。

目次

まえがき

第1章 デジタルネイチャーとは何か――オーディオビジュアルの発明、量子化、デジタル計算機、そして計算機自然、デジタルネイチャーへ
機械と自然が融合する時代が始まる/メディアアーティストとしてのエジソン/電流戦争から100年後の直流的デジタル社会/〈近代〉を規定する「エジソン=フォード境界」を乗り越える/「AI+BI型」と「AI+VC型」に分化する社会/「タイムマネジメント」から「ストレスマネジメント」の時代へ

第2章 人間機械論、ユビキタス、東洋的なもの――計算機自然と社会
〈人間〉と〈機械〉の統一理論・サイバネティクス/「End to End」という魔術/サイバネティクスユビキタスを思想的に継承する/計算機自然が〈人間の補集合〉となる

第3章 オープンソースの倫理と資本主義の精神――計算機自然と自然化する市場経済
マルクスウェーバーに還って現代のエコシステムを考える/オープンソースの倫理と資本主義の精神/絶えずリセットされ続ける市場の出現/「脱倫理性」がもたらす可能性

第4章 コンピューテーショナル・ダイバーシティ――デジタルネイチャー下の市民社会像、言語から現象へ
リアル/バーチャルからマテリアル/バーチャルへ/〈人間‐機械〉の中間領域にあるオルタナティヴ/コンピューテーショナル・ダイバーシティ/ダイバーシティにコミュニティや社会の意思決定を最適化する

第5章 未来価値のアービトラージと二極分化する社会――デジタルネイチャーは境界を消失させる
〈楽園〉の世界と〈奴隷〉の世界の二項対立を乗り越える/第三のてこの原理「アービトラージ」/帝国に対抗する「ラボドリブン」の可能性

第6章 全体最適化された世界へ――〈人間〉の殻を脱ぎ捨てるために
コード化によって変わる遺伝的多様性/ロボティクスとVRによって解放される「身体」/解体される「自我」「幸福」「死」の概念/失われた多様性をインターネットが担保する/人間の寿命を超えた知性が出現する

終章 思考の立脚点としてのアート、そしてテクノロジー――未来を予測する最適の方法としての
〈超人〉・〈身体性〉からデジタルネイチャーへ/〈物質〉と〈実質〉の境界を突破する/〈生命〉と〈機械〉の新しい関係/不可視のデータ、そして重力からの解放へ/風景と計算機自然

あとがき 汎化と遺伝子と情報 

参考文献一覧

参考図書 

魔法の世紀

魔法の世紀

 

 

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

 

 

 

関連サイト

落合陽一公式ページ / Yoichi Ochiai Official Portfolio


https://yoichiochiai.com/ 
落合陽一の公式ページです. メディアアーティストで光や音や物性や計算機メディアの研究をしているような感覚的物書きで博士持ちのスナップシューターです.多様性社会を目指す波動使いの准教授.アート・研究・教育・経営。4足の草鞋で走る31歳.
 
 

落合陽一 デジタルネイチャー研究室: Digital Nature Group


https://digitalnature.slis.tsukuba.ac.jp/ 
計算機自然は,人と機械,物質と実質の間に多様な選択肢を示す」 落合陽一准教授が主宰するデジタルネイチャー研究室は,ユビキタスコンピューティングの先に「計算機自然(Digital Nature)」の到来を見据えています.計算機自然では,人と機械,物質 ...
 
 

『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂 ...


https://allreviews.jp/review/2573 
 › 書評/解説/選評 › 科学・テクノロジー
 
2018/08/26 - 落合陽一『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』への養老 孟司の書評。自然言語の枠、外して見るAI関係の本を読み続けているので、なにも考えずに、たまたま本書を手に取った。著者が私より五十年若く、これ ...
 
 
 

米国史の最暗部に迫る犯罪ノンフィクション「花殺し月の殺人」―インディアン連続怪死事件とFBIの誕生

花殺し月の殺人

     インディアン

    連続怪死事件と

        FBIの誕生

 デイヴィッド・グラン

[訳]倉田真木 早川書房

 

花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生

花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生

 

 

  本書は、約100年前に20人以上犠牲となったオクラホマ州での殺人事件の話です。100年前とは言え大きな事件ですが、著者によるとアメリカ人でも大半が知らない事件らしいです。
 1870年代、白人たちの都合で他の地域から追い出されたオセージ族と言うアメリカ先住民がオクラホマ州の一画に移住します。痩せて農耕には向かないため、白人にとっては無用と思われた土地ですがオセージ族が移住後に石油が発見されます。
 当時のオセージ族には賢いリーダーがおり移住するにあたり地下資源等々にも権利が及ぶような条件で契約していました。そのため全米の石油発掘業者が事業を行う際オセージ族に掘削権のリース料を払う形になりオセージ族全体に莫大な金が転がり込むようになりました。
 移住から40数年後、オセージ族は全米でも屈指の富裕層となっていた(アメリカ人が自動車を持つ割合は10人に1人に対しオセージ族は1人あたり平均で10台保有していた)。有色人種や先住民に強い差別がある時代のアメリカで、オセージ族は白人を使用人に雇い、人によっては白人と結婚している者もいました。
 事件の始まりはオセージ族のある姉妹の長女(アナ)の失踪から始まります。失踪から一週間後、アナは頭を拳銃で撃たれた死体となって発見されます。さらに時を同じく別のオセージ族の男性がアナと同じように頭を拳銃で撃たれて死亡します。
 その後、別の犯罪で捕まった男がアナの離婚した元夫(白人)からの依頼でアナを殺したという自供をする。元夫は逮捕されるが何も証拠はない上に自供した犯罪者との接点もなく釈放されます。理由は分からないが嘘の自供でした。
 殺されたアナの妹(モリ―)は地元有力者である男の甥(白人)と結婚しており、その有力者である叔父の力で検察を動かしさらなる捜査を実施するも容疑者不明で迷宮入りとなります。そして数か月後アナとモリ―の母親も謎の病気で死亡します。母は毒により殺されたのではないかとモリ―は疑いを持ちます。
 先住民族に無関心な司法当局を動かす為、資金力だけはあるモリ―たちは犯人探しに懸賞金を賭け、大牧場の経営者でお金持ちの叔父は都会から凄腕の私立探偵を雇うなどするも捜査は進展しません。さらには他のオセージ族、親先住民的な弁護士、ワシントンで連邦当局に働きかける事を約束をした石油業者の男など、次々に不審な死が続きます。

 この本は3部構成で、第1部はモリ―の身の回りで起こる不審死とオセージ族周辺の社会情勢、モリ―やオセージ族に関係する人物紹介です。第2部は司法省捜査局(FBIの前身)局長フーヴァーの野心により派遣される捜査官の紹介と事件捜査から解決にいたるまで活躍と事件の真相、そして裁判です。第3部は事件解決後、残った謎に著者が迫る内容です。
 金はあってもまともな国民として扱われない先住民に対し、極悪非道な白人たちと先住民から搾取するインチキ極まりない制度、正義のかけらもない地元司法関係者が絡むアメリカの暗黒史。
 本書では、登場人物たちの供述や発言が嘘にまみれ、誰が誰を殺したか完全にははっきりとしない複雑な犯罪です。著者は資料に基づいた事実のみを真面目に書いており、自分の推測は入れておらず至って硬派な内容です。
 本書を読む際の気を付けることは、本の最初に【主な登場人物】として12人ほど紹介されてはいますが、その程度では全く足りないほど登場人物が多く、メモしながら読んだほうが良いかもしれません。

 内容紹介

米英で50万部!
スコセッシ&ディカプリオ映画化!
アメリカ探偵作家クラブ賞(最優秀犯罪実話賞)受賞 
ニューヨーク・タイムズ》40週連続ベストセラー
ウォール・ストリート・ジャーナル》ほか、年間ベストブック17冠

 

1920年代、禁酒法時代のアメリカ南部オクラホマ州。先住民オセージ族が「花殺しの月の頃」と呼ぶ5月のある夜に起きた2件の殺人。それは、オセージ族とその関係者20数人が、相次いで不審死を遂げる連続殺人事件の幕開けだった―。私立探偵や地元当局が解決に手をこまねくなか、のちのFBI長官J・エドガー・フーヴァーは、テキサス・レンジャー出身の特別捜査官トム・ホワイトに命じ、現地で捜査に当たらせるが、解明は困難を極める。石油利権と人種差別が複雑に絡みあう大がかりな陰謀の真相は?米国史の最暗部に迫り、主要メディアで絶賛された犯罪ノンフィクション。アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)受賞!

著者等紹介

デイヴィッド・グラン(David Grann)
アメリカのジャーナリスト(1967年、ニューヨーク出身)。《ニューヨーカー》のスタッフ・ライターを務める。《ニューヨーク・タイムズ・マガジン》、《ウォール・ストリート・ジャーナル》、《アトランティック》などにも寄稿。ジョージ・ポーク賞ほか受賞歴多数。著書『ロスト・シティZ』(2009)は《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラーの1位となり、25カ国語に翻訳されている。他の著書にThe Devil and Sherlock Holmes(2010)。本書(2017)は、《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー・リストに40週連続でランクインするなど大きな話題を呼び、全米図書賞の最終候補に選ばれたほか、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞の最優秀犯罪実話賞を受賞した。

倉田 真木(くらた・まき)
翻訳者。訳書にキャンベル『千の顔をもつ英雄』(共訳。ハヤカワ・ノンフィクション文庫)、アハート『ザ・ギフト』、アリソンほか『リー・クアンユー、世界を語る』ほか多数。

目次

クロニクル1 狙われた女

失踪
神の御業か人の所業か
オセージ・ヒルズの王

ほか
クロニクル2 証拠重視の男

不品行省
潜入したカウボーイたち
不可能の除外

ほか
クロニクル3 記者

ゴーストランド
未解決事件
ふたつの世界に足を置き

ほか

謝辞

訳者あとがき

写真クレジット

主要参考文献

原注

記録文書と未公開の参考文献

参考文献について

参考図書

若い読者のためのアメリカ史 (Yale University Press Little Histories)

若い読者のためのアメリカ史 (Yale University Press Little Histories)

 

 

ネイティブ・アメリカン―先住民社会の現在 (岩波新書)

ネイティブ・アメリカン―先住民社会の現在 (岩波新書)

 

  

FBIの歴史

FBIの歴史

 

 関連サイト

『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』 - HONZ


https://honz.jp/articles/-/44753
2018/05/18 - 本書『花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』は、2017年にダブルデイ社から刊行された、デイヴィッド・グランの最新ノンフィクション、Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI の翻訳で ...
 
 

[書評]『花殺し月の殺人』 - 高橋伸児|論座 - 朝日新聞社の言論サイト


https://webronza.asahi.com/culture/articles/2018061500002.html 
2018/06/27 - 花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』(デイヴィッド・グラン 著 倉田真木 訳 早川書房) ... 後にFBIの“創始者”として有名になる若きフーヴァーは捜査局を近代的に改革しようとして、指紋による鑑識技術など科学捜査に ...
 
 

現実に起こった恐るべき連続殺人事件『花殺し月の ... - NEWSポストセブン


https://www.news-postseven.com/archives/20180608_695179.html 
 › コラム
 
2018/06/08 - ミステリー編】現実に起こった恐るべき連続殺人事件『花殺し月の殺人』. facebook · twitter 0 · LINE; コメント 0. 『花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』デイヴィッド グラン 早川書房. 『花殺し月の殺人――インディアン連続 ..
 
 

『花殺し月の殺人』 デイヴィッド・グラン著 : エンタメ・文化 : 読売新聞オンライン


https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180709-OYT8T50050/ 
2018/07/16 - 実話に見る底知れぬ闇 一九二〇年代のアメリカ、ネイティブ・アメリカンの保留地で二十余件もの不審死が相次ぐ。事件解決のためやがてFBI連邦捜査局)となるBI(司法省捜査局)が乗り出す。派遣されたのはテキサス・レンジャーの.
 

選択の科学ー選択をテーマに研究するとはどいうことか

  選択の科学

    コロンビア大学

   ビジネススクール

        特別講義

 シーナ・アイエイガー

[訳] 櫻井裕子 文春文庫

選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)

選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)

 

 

 本書は、私たちが毎日のように漫然と何回も繰り返している「選択」について考察しています。人生は選択の連続で、何気なくしている選択から人生決定づける選択までいろいろあります。そして、その選択について細かく考察しています。科学のようであって、人生の指南書、自己啓発のような内容でもあります。

 本書は、多数のシチュエーションを取り入れて、そのひとつひとつを理解することができ、読み応えは十分あります。いずれのセクションも実験により科学的に実証した「選択」心理を解明しています。
 本書を深く読み解くことで、実生活面での心理を読み解くことに結びつき、自己実現に向けた糧となると思います。また、個人主義集団主義といった国民性による心理面がもたらす行動の違いが手に取るように分かり、共感する納得感があります。
 まずは、読み物として、「なるほど、そういうふうに働くのか」と感慨深く読み進めることができると思います。

内容紹介

 なぜ選択には大きな力があるのか。選択を行う方法は人によってどう違うのか。出身や生い立ちは選択を行う方法に影響を与えるのか。選択というツールを効果的に使うには。選択肢が無限にある様に思われる時どうすればよいのか。他人に選択を委ねた方がよい場合はあるのか。20年以上の実験と研究で選択の力を証明。

 

アメリカ移民のシーク教徒の子として生まれた著者が、アメリカの公立学校で「選択」の力を教えられ、大学で研究テーマとした「選択」に関する研究をわかりやすく記した書。 ・なぜ選択に力があるのか、その力は何に由来するのか ・選択を行う方法は人によってどう違うのか ・出身や生い立ちは選択を行う方法にどのような影響を与えるのか ・なぜ自分の選択に失望することが多いのだろう ・選択というツールを最も効果的に使うにはどうしたらいいのか ・選択が無限にあるように思われる時、どうやって選択すればいいのか ・他人に選択を委ねた方がいい場合があるのか ・その場合、誰に委ねるべきか。そしてそれはなぜか NHKEテレコロンビア白熱教室」も再々放送されるなど話題となったベストセラーであり、人生指南書としても役立つノンフィクション。

著者紹介

シーナ・アイエンガー(Sheena Iyeengar)
1969年、カナダのトロントで生まれる。両親は、インドのデリーからの移民で、シーク教徒。1972年にアメリカに移住。3歳の時、眼の疾患を診断され、高校にあがるころには全盲になる。家庭では、シーク教徒の厳格なコミュニティが反映され、両親が、着るものから結婚相手まで、すべて宗教や慣習できめてきたのをみてきた。そうした中、アメリカの公立学校で「選択」こそアメリカの力であることを繰り返し教えられることになり、大学に進学してのち、研究テーマにすることを思い立つ。スタンフォード大学社会心理学の博士号を取得。現在、ニューヨークのコロンビア大学ビジネススクール教授 。

櫻井 祐子(さくらい・ゆうこ)
1965年、東京生まれ。京都大学経済学部経済学科卒。大手都市銀行在籍中の96年、オックスフォード大学で経営学修士号を取得。98年よりフリーの翻訳者として活躍。主な

訳書に、『100年予測』(ジョージ・フリードマン、2009年)、『メイキング・オブ・ピクサー』(デイヴィッド・A・プライス、2009年)など。

目次

オリエンテーション 私が「選択」を研究テーマにした理由
第1講 選択は本能である
第2講 集団のためか、個人のためか
第3講 「強制」された選択
第4講 選択を左右するもの
第5講 選択は創られる
第6講 豊富な選択肢は必ずしも利益にならない
第7講 選択の代償
最終講 選択と偶然と運命の三元連立方程式

謝辞

ソースノート

主要参考文献一覧 巻末

訳者あとがき

参考資料

選択日記 The Choice Diary

選択日記 The Choice Diary

 

 

 

 

 

関連サイト 

成毛眞、『選択の科学』のアイエンガー教授に相談にゆく - HONZ


https://honz.jp/articles/-/12964 
2012/07/23 - コロンビア大学ビジネススクールシーナ・アイエンガー教授の著書、『選択の科学』は、おそらくHONZの読者にはおなじみに一冊だろう。この成毛代表のレビューを参照にしてほしいが、シーク教徒のインド系移民で、盲目の女性である ...
 
 

「選択の科学」からみたトランプと大統領選 | 話題の著者 | 東洋経済 ...


https://toyokeizai.net/articles/-/112198 
› ライフ › 話題の著者
 
2016/04/04 - アイエンガー教授は著書『選択の科学』で「選択」の力を探求した. なぜ「選択」が重要なのか。そもそも人々はどのように選択を行っているのか。こうした疑問やさまざまな研究を紹介した著書、『選択の科学』(原題:The Art of Choosing)が2010 ...
 
 

『選択の科学』の教授が語る「女性が働く」という選択肢 | Forbes JAPAN ...


https://forbesjapan.com/articles/detail/11956 
2016/04/27 - ベストセラー『選択の科学』(文藝春秋)の著者、シーナ・アイエンガー氏。アイエンガー氏は、2014年よりアメリカに拠点を置くNPO団体「アジア女子大学支援財団 (Asian University of Women Support Foundation, AUWSF)」に従事し、 ...
 
 

NHKEテレコロンビア白熱教室> 第1回 「あなたの人生を決める ... - 動画


http://www.at-douga.com/?p=9478 
 › 仕事・生活
 
2013/10/07 - 動画の内容 シーナ・アイエンガー選択こそ力なり」. 教授は学生にまずこの質問を投げかける。 「あなたの人生を決めた、偶然の出来事は何ですか?」 そして教授はこう続ける。 「では、あなたの人生を変えた、自らが行った選択は何ですか?