読書案内

お薦めの本を紹介します

〈わたし〉はどこにあるのかーガザニガ脳科学講義ー

〈わたし〉は

  どこにあるのか

      ガザニガ脳科学講義

      マイケル・S・ガザ二ガ

   [訳]藤井留美 紀伊國屋書店

 

〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義

〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義

 

 

本書は、認知神経科学の父とも呼ばれる著者ガザニガがスコットランドによる伝統のあるギフォード講義で語った内容を書籍化したものです。

「わたしの意識は単独の、統一されたものである」という感覚は誰しも疑うことのないところですが、ガザニガはその感覚を脳神経科学の知識から自明のものではないと述べます。

 高度に分業化され、何百万というプロセッサーがそれぞれ重要な決定を下す1300グラムの組織が脳であり、脳全体を統括するシステムは存在しない。右脳と左脳を繋ぐ脳梁が分断された分離脳症患者において、「右脳側と左脳側」で異なった人格が併存する多数の実例をガザニガは例に挙げます。
 分離脳症患者の右視野と左視野に異なる二枚の絵を見せます。右視野、すなわち左半球が見るのはニワトリの足の絵。左視野、すなわち右半球が見るのは雪景色だ。続いて患者の左右の視野に一連の絵を見せて、前に見た絵と関連するものを選んでもらう。

 すると左手は(雪景色に関連する)ショベルの絵を、右手はニワトリを指さした。続いてそれらの絵を選んだ理由を話してもらう。左半球にある発話中枢はこう答えます。「簡単なことですよ。ニワトリの足だからニワトリにしたんです。」左半球はニワトリの絵を見ていました。自分が知っていることなら説明はたやすいです。さらに、自分の左手がショベルの絵を指さしていることについては、「ニワトリ小屋の掃除にはショベルを使いますからね」と即答しました。つまり左脳は、なぜ左手がショベルを選んだのかわからないまま、無理やり理由をこしらえたのです。
 こうしたガザニガが挙げる分離脳症患者の例を鑑みたとき、「わたしがわたしである」という感覚がどれだけ根拠のないものなのかを思い知らされます。「脳と精神」の関係を「ハードウェアとソフトウェア」の関係(前者により性能の限界が縛られた中で本質は後者に由来する)に近いものとする論なども非常に面白いです。知的好奇心がくすぐられます。

 内容紹介

世界最高峰の学者だけが教壇に立てる「ギフォード講義」をもとにまとめられた本書で著者は、脳科学の足跡を辿りつつ、精神と脳の関係、自由意志と決定論、社会性と責任、法廷で使用されはじめた脳科学の成果の実態などを、やさしく語りかけるように論じる。行き過ぎた科学偏重主義に警鐘を鳴らし、人間の人間らしさを讃える一冊。

 

私たちは責任ある動作主だ―とはいえ、誰かが脳のなかにいて、判断を下し、レバーを引いていると感じることがある。いったい“わたし”の統括責任者は誰なのか?それは脳のなかのどこにあるのか?英国スコットランドの伝統ある一般公開講座「ギフォード講義」で語られた内容をもとにまとめられた、認知神経科学の父とも言われるガザニガの集大成。

著者等紹介

マイケル・S・ガザニガ

1939年生まれの神経科学者。カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授(心理学)。米国認知神経科学研究所の所長などを務める、認知神経科学の世界的指導者。邦訳された著書に『人間らしさとはなにか?』『脳のなかの倫理』『社会的脳』ほか。

 

藤井留美

翻訳家。訳書にカーター『新・脳と心の地形図』『脳と意識の地形図』『話を聞かない男、地図を読めない女』ほか多数。

 

目次

第1章 私たちのありよう
第2章 脳は並列分散処理
第3章 インタープリター・モジュール
第4章 自由意志という概念を捨てる
第5章 ソーシャルマインド
第6章 私たちが法律だ
第7章 あとがきにかえて

 

参考図書

人間とはなにか 上 (ちくま学芸文庫)

人間とはなにか 上 (ちくま学芸文庫)

 

 

人間とはなにか 下 (ちくま学芸文庫)

人間とはなにか 下 (ちくま学芸文庫)

 

 

意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

 

 

 

「夜と霧」の明け渡る日に

夜と霧の

明け渡る日に

未発表書簡、草稿、講演

ヴィクトール・E・フランクル

[訳]赤坂桃子 新教出版社

 

夜と霧の明け渡る日に

夜と霧の明け渡る日に

 

 

  本書は、フランクル氏の名著『夜と霧』を補完すべき続編です。原題は直訳すると「きみが自由になる日はやがて来る」といった意味で、本書の九頁に引用されている「ブーへンヴァルトの歌」に由来しています。

 解放後、フランクル氏はどうなったのか、という疑問を抱く人が多いことから、講演、草稿、書簡などからその後のフランクル氏を描き出すことを狙っています。 . 収容所から戻ってきた直後の状態をフランクル氏は、次のように表現しています。 「まるで自分が学校で居残り勉強をさせられている子どものような気がする、と言えばわかりやすいかもしれない。他の生徒はたちはもう帰ってしまったのに、私はまだ残っている。課題を終えないと、家に帰らせてもらえないのだ。」

1946年6月23日 . 戻ってきても、フランクル氏は苦悩する。 肉親で残ったのはたった一人、妹だけである。両親、妻は収容所で亡くした。フランクル氏は渡米のビザを取得していたが、自分だけのビザだったために、家族の元にあえて残っていた。

 . 収容所帰りを知っている人間と知らない人間の間に横たわる深い乖離。 . ただ、フランクル氏は決して後ろ向きには考えない。 想像を絶する経験をしたにもかかわらず、根底には人間を愛すると言う姿勢があるようで、悲観的な考えを感じさせない。

 印象に残った文章を紹介します。 「人生の意味を自分から問うのは誤っています。人生の意味問うことができるのは私たちではありません。問いを投げかけているのは人生で、私たちは問われている側なのです!」

この本の中には、ヴィクトール・E・フランクルが生きています。

 内容紹介

戦後の新たな人生を歩みだそうとするときフランクルは、何を感じ、考えていたのか。
いま明かされる名著誕生の背景。

強制収容所からの解放と帰郷という、フランクルの人生において最も重要な時期の伝記的な事実と、当時の中心思想の一端を、未公開書簡と文書を用いて再構成する。
名著『夜と霧』誕生の背後にあった個人史と時代史の二つの文脈が、初めて明確に交差する。
編者は、膨大なフランクル文献に最も詳しい、ウィーンのヴィクトール・フランクル研究所所長アレクサンダー・バティアーニ博士。

 

著者等紹介

ヴィクトール・E・フランクル(Viktor E. Frankl 1905-1997)

ウィーン大学の神経学および精神医学の教授で、ウィーン総合病院神経科科長も25年間にわたって務めた。フランクルが創始した「ロゴセラピー/実存分析」は、「心理療法の第三ウィーン学派」とも称される。ハーバード大学ならびにスタンフォード、ダラス、ピッツバーグの各大学で教鞭をとり、カリフォルニア州サンディエゴにあるアメリカ合衆国国際大学のロゴセラピー講座の教授も務めた。フランクルの39冊の著作は、これまでに43か国語で出版されている。"...trotzdem Ja zum Leben sagen"〔邦訳名『夜と霧』〕の英語版はミリオンセラーとなり、「アメリカでもっとも人々に影響を与えた10冊の本」に選ばれた。


赤坂桃子(あかさか・ももこ)
翻訳家。上智大学文学部ドイツ文学科および慶應義塾大学文学部卒。訳書にハドン・クリングバーグ・ジュニア『人生があなたを待っている――〈夜と霧〉を越えて』(ヴィクトール・フランクル評伝)、イレーネ・ディーシェ『お父さんの手紙』、トム・ヒレンブラント『ドローンランド』、メヒティルト・ボルマン『希望のかたわれ』、『沈黙を破る者』ほか多数。

 

目次

はじめに

「時代の証人たち」―一九八五年六月

ヴィクトール・E・フランクルの講演
書簡―一九四五年~一九四七年

強制収容所から解放されて
きみたちがまだ苦しんでいることを僕が苦しまなければ ほか
テキストおよび論文―一九四六年~一九四八年

精神科医はこの時代に対して何と言うのか?
人生の意味と価値について ほか
記念講演―一九四九年~一九八八年

追悼
亡き者たちの名においても和解を ほか

ヴィクトール・E・フランクルの生涯と仕事

使用文献

原注

訳者あとがき

 

参考図書

 

夜と霧 新版

夜と霧 新版

 

 

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録

 

 

NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

 

 

ちきりんの「自分のアタマで考えよう」-目からウロコの「思考のワザ」を教えます!ー

自分アタマで考えよう

         知識にだまされない思考の技術

          ちきりん   ダイヤモンド社

 

自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう

 

 

  情報が氾濫するなかでは、一通り興味のあるものを読んだり、観たり、聴いたりと、所謂「知識」をインプットするだけになりがちです。また、新聞、雑誌、或いはネット等の記事に触れると、客観性が担保されているものは少なく、特定の狙いを持った情報操作であったりします。知識を得ることに精一杯で、自分の意見というものをよくよく省みると、他人の説の焼き直しでしかないことに気づいたりもします。

 本書は、「知識」と「思考」を混同するという罠に陥ることなく、フラットな状態で物事を考える必要性を説いています。序章と終章で述べられている点は、本当に有りがたい教えとなります。
 2章から9章については、思考(とその目的としての意思決定)の質を上げるための技術なり心構えが紹介されています。内容については、著者ならではの視点を交え、自分事化できるよう身近な日本社会の事例を用い、シンプルで平易な表現をもって説明しています。

 但し、解り易く書かれてはいますが、内容は既出の方法論であったり、フレームワークであったりするので、2章から9章については、これこそが正解!とは思わずに「こんな方法もあるんだな」とあくまで参考にしつつ、それこそ「自分の頭で」自分なりの思考の技術を生み出す努力もしなければなりません。

 内容紹介

おちゃらけ社会派”として超人気のブロガーが教える「自分だけの答え」の見つけ方。

月間200万PVを誇る人気ブログ「Chikirinの日記」の筆者による初の完全書き下ろし。
ユニークな記事を生み出す独自の思考法を公開します! 

プロ野球の将来性
◎結論が出ない会議の秘密
少子化問題のゆくすえ
◎婚活女子の判断基準
消費者庁が生まれた真相
◎就活で失敗しない方法
◎自殺の最大の原因
◎電気代の減らし方
NHKBBC、CNNの違い

など、社会問題や日常の疑問を考えながら、「ちきりん流・思考の11のルール」をわかりやすく解説します。

著者紹介

ちきりん
関西出身。バブル最盛期に証券会社で働く。その後、米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。マネージャー職を務めたのちに早期リタイヤし、現在は「働かない生活」を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50カ国を旅している。
2005年春から“おちゃらけ社会派"と称してブログ「Chikirinの日記」を開始。政治・経済からマネー・問題解決・世代論まで、幅広いテーマを独自の切り口で語り人気を博す。現在、月間100万以上のページビュー、日に2万以上のユニークユーザーを持つ、日本でもっとも多くの支持を得る個人ブロガーの1人。
著書に『ゆるく考えよう』(イースト・プレス)がある。

目次

はじめに

序章 「知っている」と「考える」はまったく別モノ

プロ野球の未来について考えてみよう

  野球ファンの年齢層から考えると

なにも知らない人はどう考えるか? 
   プロ野球は永遠に不滅です!? 
   片面だけの思考はダメ!
  「思考」は「知識」にだまされる 
  「知識」は過去! 「思考」は未来!

第1章 最初に考えるべき「決めるプロセス」  
       会議を重ねてもなにも決まらないのはなぜ?

   超重要プロジェクトの顛末 
   情報ではなく「意思決定のプロセス」が必要 
   意思決定のプロセスは超具体的に 
  「考える」とはインプットをアウトプットに変換すること 
  「作業」を「思考」と思い込むワナ 
   考える時間を「見える化」する!

第2章 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと  
       合計特殊出生率が上がっても少子化は止まらないです

  数字を見たら考える2つの問い 
  少子化問題の「なぜ?」 
  合計特殊出生率を上げても少子化問題は解決しない 
  少子化問題の「だからなんなの?」 
  情報と思考のバランスが大事 
  調べればわかることを「考える」意義 
  政府系の新聞広告には必ずウラがある

第3章 あらゆる可能性を検討しよう  
       日本にも格安生活圏が必要では?

  増え続ける生活保護はどうすべき? 
  「考えモレ」を出さない工夫 
  あらゆる可能性を考えると出てくる「格安生活圏構想」 
  石原都知事はなぜ圧勝したの? 
  構成要素に分解し、あらゆる組み合わせを考えよう

第4章 縦と横に比べてみよう  
       戦後経済の縦横比較から見える日本が進むべき道

  すべての分析のはじまりは「比較」! 
  比較の基本は「縦と横」
  歴史年表は超長期の時系列比較 
  日本・中国・韓国の100年を比べてみる 
  世界経済の縦横比較をしてみよう 
  英米にも「失われた20年」があった! 
  脱工業化には強力なリーダーが必要 
  プロセスの比較もしてみよう

第5章 判断基準はシンプルが一番  
       婚活女子を見習おう!

 「判断基準が多い」と決められない 
  婚活女子の2つの判断基準 
  採用担当者のジレンマも一挙解決! 
  社会人適性の4分類 
  判断基準は「目標の姿」から導かれる 
  判断基準を絞ることで、本質が浮かび上がる

第6章 レベルをそろえて考えよう  
       生活者目線で霞ヶ関の組織図を書いてみた

  アフリカって1つの国!? 
  議論のレベルがずれてない? 
  省庁のネーミングを消費者庁にそろえてみると 
  レベルをそろえると本音がわかる 
  日本に本当に必要な省庁は……

第7章 情報ではなく「フィルター」が大事  
       就活のための企業研究が無意味なワケ

 「企業の情報」より「自分のフィルター」を探そう 
  就職に失敗するとフィルターが見つかる! 
  アルバイトで自分向きのフィルターを見つけよう 
  ちきりん流「仕事の4分類」 
  自分のフィルターで勝負しよう!

第8章 データはトコトン追い詰めよう  
       自殺の動機トップが「健康問題」ってホント?

  自殺の最大の原因は? 
 「自殺が増えている」は正確な表現なの? 
  世界の男女別自殺率からわかること 
 「要約」だけをみる危険 
  2010年の自殺率はなぜ減少したの?

第9章 グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する  
       階段グラフで電気料金の大幅削減に成功!

  円グラフと棒グラフの使い分け 
  思考の生産性をグッと高める階段グラフ 
  階段グラフで2万円の節約に成功! 
  マイナスも視覚化できる 
  プロセスと階段グラフを組み合わせる 
  思考も視覚化してみよう!

終章 知識は「思考の棚」に整理しよう  
       世界の大事件、NHK、BBC、CNNはこんなに違ってた

  9・11が浮き彫りにした日米英のメディアの違い
  日本人の安否ばかり伝えるNHK 
  圧倒的に分析的なBBC 
  報道スタイルを「思考の棚」に整理する
  情報感度も高める「思考の棚」
  「思考の棚」に合わせて事前に考えておく 
  情報の価値が判断できる 
  変わらないBBCと変わったNHK 
  「知識」と「思考」の理想的なカンケイ

まとめ 
さいごに
参考文献

参考図書 

 

 

 

徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと

徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと

 

 

関連サイト

『自分のアタマで考えよう』内容紹介(叱られたからやり直し!) - Chikirinの ...


https://chikirin.hatenablog.com/entry/20111007 
2011/10/07 - 新刊 『自分のアタマで考えよう』 に関する最初のエントリがおちゃらけすぎていて、担当の編集者の方に怒られました。Yさん曰く、「ちきりんさんのブランドが傷つくでしょ! ふざけすぎですっ!」。。。なので書き直します。というか、前のエントリ ...
 
 

自分のアタマで考えよう | ダイヤモンド・オンライン


https://diamond.jp/category/s-chikirin 
月間100万PVを誇る人気ブログ「Chikirinの日記」の筆者の、初めて書き下ろしとなる『自分のアタマで考えよう』。その読みどころを全5回(予定)の連載で紹介します。 同書で紹介されるのは、ユニークな記事を生み出す「ちきりん流」の思考のルールです。
 
 

自分のアタマで考えよう - ダイヤモンド・オンライン


https://diamond.jp/articles/-/14628 
 › ... › 『自分のアタマで考えよう』ができるまで
 
2011/10/28 - 自分のアタマで考えよう』は、プロ野球の将来性、就活で失敗しない方法、自殺の最大の原因、電気代の減らし方といった社会問題や日常の疑問を題材に、ユニークな記事を生み出す「ちきりん流」の思考のワザを解説する本です。今回は ...

女の子脳 男の子脳

女の子脳 男の子

      神経科学から見る

      子どもの育て方

      リーズ・エリオット

      [訳] 竹田円 NHK出版

 

女の子脳 男の子脳 神経科学から見る子どもの育て方

女の子脳 男の子脳 神経科学から見る子どもの育て方

 

 

本書は、 古今東西の男女の性差についての研究を網羅して紹介し、特に子供を持つ親に向けて書かれた本です。過去に、男女の違いについては様々な見解の書物が出されてきていますが、それらを包括的にとらえ、客観的に見つめています。著者の主張は明確で、脳の可塑性に注目し、もちろん生まれつきの男女差はあるものの、むしろその後の環境や教育によって乗り越えられるものであるというものです。

最近では、ジェンダーフリーとよく言われますが、男女の違いに着目しながら、それぞれの個性を生かしたより良い社会づくりに参考になります。男女の先天的な違いは、それほど大きなものではなく、むしろその後の教育や訓練で十分に修正できるということが大事です。むしろ男の方が、生まれたときから弱く、言葉の能力も劣る、ドロップアウトも多いなど問題が多いといいます。
現代では、すでにアメリカでは20代の女性の所得が男性の所得を上回っている都市もあるといいます。そこで本書では、男の子への指導方法に多くを割いていいます。

男女の違いを探し出す試みよりも、ともに協力して作り上げていく、多様で調和の取れた社会づくりをしていくという著者の主張に、心を動かされました。

内容紹介

女の子だってピンクじゃないときもある
子どもの脳には変わる力がある!胎児期から思春期まで、成長に応じて現われる性差の実像を最新の科学研究から明らかにするとともに、性差を強調したりステレオタイプ化するのではなく、子ども自身の個性を伸ばすようにアドバイスした画期的な脳科学「子育て」本。
■新生児 思春期の子どもを子育て中の親や教育関係者必見! 気鋭の神経科学者が、最新の研究成果をもとに子どもたちの「脳の作られ方」に迫る。

 出版社からのコメント

子どもの脳には変わる力がある!

男の子をなるべく抱っこしてあげたほうがいいのはなぜ?
女の子の親は、子どもの運動能力を過小評価しがち!?
男女別学がおススメできない理由は?

気鋭の神経科学者による、胎児から思春期までの「脳の育み方」。

著者等紹介

リーズ・エリオット (Lise Eliot)
神経科学者。ハーヴァード大学卒業後、コロンビア大学で博士号取得。
ベイラー医学校でポスドクとして研究生活に入る。
現在は、ロザリンド・フランクリン医科学大のシカゴ・メディカルスクール神経科学科の
准教授を務める。大学での講義と執筆活動に加え、子どもの脳の発達と成長について
全国で講演も行っている。
前著に、全米ベストセラーとなった"What's Going On in There?: How the Brain and Mind Develop in the First Five Years of Life"がある。本書が初の邦訳。

竹田 円(たけだ・まどか)
東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専攻はスラヴ文学。『脳は鍛えるには運動しかない』(ジョンJ.レイテ著、NHK出版)ほか翻訳協力多数。

目次

はじめにー男の子と女の子って本当に違うの

1 お腹の中のピンクとブルー―受胎から誕生まで
2 ピンクのおくるみ、ブルーのおくるみ―赤ちゃん時代
3 遊びを通じて学ぶ―幼児期
4 学校生活のはじまり―いよいよ小学生!
5 言葉の不思議―「女性は言語能力に秀でている」は本当?
6 数学の壁―「男性は生まれつき数学が得意」は本当?
7 ラヴ&ウォー―「女は共感的、男は攻撃的」は本当?
8 真の調和を求めて

謝辞

訳者あとがき 

参考図書

男の子の脳、女の子の脳―こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方

男の子の脳、女の子の脳―こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方

 

 

男脳と女脳 人間関係がうまくいく脳の活用術

男脳と女脳 人間関係がうまくいく脳の活用術

 

 

男女脳戦略。――男にはデータを、女にはイメージを売れ

男女脳戦略。――男にはデータを、女にはイメージを売れ

 

 

 

 

 

地球の中心で何が起こっているのか

地球の中心で何が

起こっているいるのか

          地殻変動のダイナミズムと謎

               巽 好幸 幻冬舎新書

 

地球の中心で何が起こっているのか<br>地殻変動のダイナミズムと謎 (幻冬舎新書)

地球の中心で何が起こっているのか
地殻変動のダイナミズムと謎 (幻冬舎新書)

 

 

 本書では、 地球は上から地殻、上部マントル、下部マントル外核内核と分かれているという基本的な説明から始めて、ボーリングできないマントル以下の深部の組成を推定する高温高圧実験の話まで興味深いです。

 マグマができる仕組みと日本の火山列が2つある理由、海洋弧の下で大陸地殻が生まれる仮説など、プレート沈み込みに伴うメカニズムが初心者にも分かりやすく説明されている点が良いです。

 本書は東日本大震災後に書かれたのですが、著者は数万年~数億年に及ぶ地球内部のダイナミックな営みに興味をお持ちになって頂くて一般向けに書かれたそうです。

 内容紹介

3.11地震で列島は、5メートルも移動! 日本沈没はあり得るか!?


東日本大震災で、日本列島は一瞬にして5メートルも東へ移動した。なぜ大地は動き、火山は噴火するのか。そのエネルギーの根源は地球の中心部にある。地下6400キロにある「核」は、6000度もの高温だが、地表の気温は平均15度しかない。地球は、このすさまじい温度差を解消しようとして、表層部と核の間の「マントル」内で物質をグルグル回し、マグマを作って、熱を地表に運んでいる。その結果、大陸を支えるプレートが動き、その継ぎ目(沈み込み帯)で地震が起きるのだ。世界が認める地質学の第一人者が解き明かす、地球科学の最前線。

 

著者紹介

巽 好幸(たつみ・よしみ)

1954年、大阪府生まれ。理学博士。専門はマグマ学。独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球内部ダイナミクス発展研究プログラム プログラムディレクター。1978年、京都大学理学部卒業。83年、東京大学大学院理学系研究科(地質学)博士課程修了。京都大学総合人間学部教授、同大学大学院理学研究科教授、東京大学海洋研究所教授を経て、現職。2011年5月に小社より刊行された『パワーストーン 石が伝える地球の真実』を監修。

 

目次

まえがき

第1章 地球内部の構造とプレートテクトニクス
第2章 46億年前に誕生した原始地球
第3章 火山列島と沈み込み帯の密接な関係
第4章 火山列島はどうしてできるか?
第5章 海で生まれる大陸
第6章 地球は自らリサイクルしている
第7章 地球における炭素と水の大循環

あとがき

 

参考図書 

地震と噴火は必ず起こる―大変動列島に住むということ (新潮選書)

地震と噴火は必ず起こる―大変動列島に住むということ (新潮選書)

 

 

富士山大噴火と阿蘇山大爆発 (幻冬舎新書)

富士山大噴火と阿蘇山大爆発 (幻冬舎新書)

 

 

 

 

共に生きるということ

共に生きる

ということ

be humane

100年インタビュー

緒方貞子 PHP研究所

 

 

 本書は、NHKBSで、2011年1月放映の「100年インタビュー国際協力機構(JICA)理事長・緒方貞子」をもとに構成、1時間放映分を書籍としたものです。内容は、人道支援・復興支援の現場の経験から、平和を築く共存の哲学、国際社会での日本の役割などを語っています。
インタビューの聞き手はNHKの三宅民雄アナウンサーで、彼の問いが、各セクションの冒頭にあります。これに答える形で緒方貞子さんの考えが述べられます。歴史に学び、他者に学び、常に先のことを考える。という冒頭に1頁をつかったメッセージが、基本姿勢であり、最終頁の百年後のみなさんへ、という「先」への思いは、本書から飛翔して未来へつながります。
緒方さんは、外交官の父に連れられて幼少より外国に接し、当時は希少であっただろう留学を二度にわたり経験します。そして、豊かな国際性を身につけ、さらに成長を続けた聡明な女性が見る、視野が広く大きい、俯瞰する目で地球全体の人々の暮らしを見つめ、現地で人のいとなみに直接接し、心を傾けてきていることが、この小さな本から見えてきます。

三宅アナウンサーの問いは、ごく一般の人を代表する内容を選んでおり、緒方さんは、その問いをきっかけとして、明確な自分自身の考えを披露しています。読者が受け取り、吟味するべき内容は、やさしい話し言葉で伝えます。たとえば、「援助により、貧しくどうしようもない状況を何とかする、というのはチャリティなんですよね。チャリティだけでは国は伸びない」といいます。

国際貢献なんてね、そこに国際があって、私が何かあげますというのではなくて、自分が中に入っているんですよ、国際の中に。だから国際の中で暮らしているという現実から来る、責任分担じゃないんですか」。
根本の考え方が清々しい。自分を偉く見せようとするような上から目線は微塵もなく、しかも、地球全体を俯瞰し、吟味し、よい方向を指し示す大きな目を持っています。

内容紹介

時代を切り開いてきた人の半生をたどり、思いや夢に迫るNHKBSの番組「100年インタビュー」の単行本化。今回は元国連難民高等弁務官で、現在国際協力機構特別顧問の緒方貞子さんのお話。
父は外交官、曽祖父は犬養毅元首相という家に生まれ、アメリカや中国で幼少期を過ごす。大学卒業後、二度のアメリカ留学を果たし、結婚後は夫の仕事で大阪、ロンドンに住み、子育てをしながら、国際基督教大学の非常勤講師に。市川房枝の働きかけで国連公使として総会へ出席。その後、多国間外交の経験を積む。1991年、それまでヨーロッパの男性政治家が就いていた国連難民高等弁務官に初の女性、初の学者出身者で就任。冷戦集結後の宗教や民族間の対立が激化した10年間、世界中の難民支援を指揮した。その後、国際協力機構理事長として復興支援に尽力。

前例のない難局を乗り越えてきた日々に貫いてきた信念、平和を築く哲学、国際社会での日本の役割を語る。

 

著者紹介

緒方 貞子(おがた・さだこ)
1927年、東京生まれ。聖心女子大学文学部卒業後、アメリカに留学し、ジョージタウン大学で国際関係論修士号を、カリフォルニア大学バークレー校で政治学博士号を取得。74年、国際基督教大学准教授、80年、上智大学教授に就任。76年、日本人女性として初の国連公使となり、特命全権公使、国連人権委員会日本政府代表を務める。91年より第8代国連難民高等弁務官として難民支援活動に取り組む。2000年12月、退任。01年より、人間の安全保障委員会共同議長、アフガニスタン支援日本政府特別代表、国連有識者ハイレベル委員会委員、人間の安全保障諮問委員会委員長を歴任。

目次

第1章 国連難民高等弁務官という仕事につくまで
子ども時代
アメリカに二度の留学
博士論文は満州事変をテーマに
第2章 難民救済という仕事
イラククルド難民支援
歴史を変えた決断
政治解決が遅れた支援
第3章 復興支援を通して思うこと
開発援助にスピードを
格差とどう向き合うのか
共存のために

一〇〇年後のみなさんへ

 

参考図書

 

緒方貞子 ―難民支援の現場から (集英社新書)

緒方貞子 ―難民支援の現場から (集英社新書)

 

 

紛争と難民 緒方貞子の回想

紛争と難民 緒方貞子の回想

 

 

 

 

ヒトの変異ー人体の遺伝的多様性についてー

ヒトの変異

人体の遺伝的多様性について

アルマン・マリー・ルノワ

        上野直人 監修

[訳] 築地 誠子 みすず書房

 

ヒトの変異 【新装版】人体の遺伝的多様性について

ヒトの変異 【新装版】人体の遺伝的多様性について

 

 

  本書には数多くの変異を持つ人(ミュータント)が登場します。そして、本書で一貫して書かれているのは「ミュータントとは何か?」ということです。

 著者は1章の最後のほうで、次のような注意書きを示します。
「多少有害な変異をたまたま大量に持って生れた人もいれば、少なめに持って生れた人もいる。めったにないことだが、破壊的なイメージを与える変異をたまたまひとつだけ持って生れた人もいる。ならば、ミュータントとはいったいどういう人を指すのだろうか?答えは一つしかない。それは、私たちが日常、健康や病について感じることと同じだ。私たちはみなミュータントなのだ。ただその程度が、人によって違うだけなのだ。」

そう述べた後に、本書では数多くの破壊的な変異を持った人々のエピソードや写真の紹介にとどまらず、科学的・生物学的な解説から変異のメカニズムを提示しています。
 肉体が結合した双子の奇形、手足が無い奇形、逆に余分な手足の生えている奇形といった、ベトナム戦争サリドマイド事件の史実でも聞いたことあるようなものから、「エレファントマン」として知られるプロテウス症候群(悪性腫瘍が顔面に異常に発生する病気)の患者、乳房が9つ存在する人や、俗に「ふたなり」と呼ばれる男性仮性半陰陽者では巨大なクリトリスが存在し、女性として生まれた彼女ら(彼ら)がやがては男性になってしまう例など、かなり衝撃的なケースレポートが並べられています。

また、筆者は「人種」についても述べています。
その中でも驚くべき事実は、ヒトゲノムに豊富にみられる遺伝子の多型で人間を分けると、伝統的・民族文化人類学的な人種とは一致しない、ということです。すなわち、遺伝子レベルでいえば、「人種は実体の無いものであり、社会的構成物であり、さもなければ信用に値しないイデオロギーの残存物」であるのといいます。
 それなのになぜヒトの皮膚は白かったり、黒かったり、髪は金髪だったり赤毛だったりするのだろうか?なぜこのように一目でわかる多様性が存在するのか?
これはすなわち、分類学では有意とみなされないぐらいのわずかな遺伝子の違いのみが、人の見た目に表れているということになるそうです。すなわち、人種の違いなど遺伝子レベルでは些細なものなのだということです。

 この部分は完全には解明されていないそうですが、それに対して著者は積極的な研究を求めて、こう示しています。

「人間の多様性の原因が研究されずにいる限り、そのあいまいな部分を悪用して社会不正を促すような理論を展開する人々は、後を絶たないだろう。社会不正が新しい知識の結果として起こることもしばしばだが、より多くの場合―はるかに多くの場合―社会不正は私たちの無知という知識の裂け目につけ込むのだ。」
 この言葉では、科学者が社会とどう向き合わなければいけないのかが、示されているような気がします。

 

内容紹介

気鋭の進化発生生物学者が、人体形成の謎を解く遺伝学の成果と、ヒトの突然変異をめぐる歴史物語を縦横に語る。

その昔、重い奇形をもつ人々は「怪物」とみなされた。いま、奇形は遺伝子の働きを知るうえで、貴重な手がかりとなっている。その間には体づくりの謎をめぐる、数百年にわたる混乱と探究の歴史があった。ヒトの変異の博物学・文化史・科学史は、不可分に縒り合わされている。

「私たちはみなミュータントなのだ。ただその程度が、人によって違うだけなのだ」。科学者は違いの原因となる遺伝子を探し、その文法を見出す。それが「私たちはなぜこのような形をしているのか」という問いへの答えにつながる。重い奇形の原因が、約30億の塩基対のうちのたった一つに起きた変異である場合もある。体づくりの精妙な仕組みに驚嘆し、多様性の謎が解けると同時に、違いの源がいかに私たちの直感に反して微かであるかを発見する。発生生物学者たちを虜にするそのスペクタクルを、本書は垣間見せてくれる。

人体の遺伝的多様性の原因を科学的に解明することは、不当な差別を助長するのではなく、無化するはずではないか? 著者が改めて提起するこの問いが、賛否に拠らず軽視できないものであることは、「怪物」から「遺伝子のわずかな変異」への旅を知った読者には明らかだろう。

引用元:みすず書房

 

著者等紹介

アルマン・マリー・ルロワ(Armand Marie Leroi)
1964年、ニュージーランドウェリントン生まれ。国籍はオランダのまま、ニュージーランド南アフリカ、カナダで幼少年期を過ごす。 ダルハウジー大学(ハリファックス、カナダ)を卒業後、カリフォルニア大学(アメリカ)で博士号を取得。マイケル・ローズ博士のもとでショウジョウバエの老化の研究に携わる。ついでアルバート・アインシュタイン医科大学のスコット・エモンズ博士のもとでポストドクトラル・フェローを勤め、線虫の成長の研究を始める。1996年からインペリアル・カレッジ・ロンドンで講師、2001年から同カレッジの進化発生生物学部門リーダーを務める。初の著書である本書により、Guardian First Book awardを受賞。


上野 直人(うえの・なおと)
農学博士。現・自然科学研究機構基礎生物学研究所教授(発生生物学)、総合研究大学院大学生命科学研究科併任教授。専門は形態形成の分子機構に関する研究で、生物の「かたち」づくりを制御する仕組みの解明に取り組んでいる 。著書に『新 形づくりの分子メカニズム』(羊土社、1999年)、訳書にショーン・B・キャロルら『DNAから解き明かされる形づくりと進化の不思議』(羊土社、2005年)(いずれも野地澄晴博士との共著・共訳)がある。

築地 誠子(つきぢ・せいこ)
翻訳家。東京外国語大学ロシア語科卒。訳書に、アリソン・フーヴァー・バートレット『本を愛しすぎた男』(2013)、サラ・ローズ『紅茶スパイ』(2011)、スタッズ・ターケルスタッズ・ターケル自伝』(共訳、2010)、ジャイルズ・ミルトン『さむらいウィリアム』(2005、以上、原書房)、スチュアート・ケリー『ロストブックス』(共訳、2009、晶文社)、リンダ・グレキン『方向オンチな女たち』(メディアファクトリー、2001)他。

 

目次

序章
第1章 ミュータント──はじめに
第2章 完全な結合──胚の体軸について
第3章 最後の審判──顔について
第4章 クリーピー・ベル──手足について
第5章 わたしの骨の骨,わたしの肉の肉──骨格について
第6章 ツルとの戦い──身長について
第7章 完全なものへの欲望と追求──性について
第8章 うたかた──皮膚について
第9章 節制生活──老化について
第10章 多様性──エピローグ

謝辞
監修者あとがき
訳者あとがき
注釈
参考文献
索引

 

参考図書

アリストテレス 生物学の創造 上

アリストテレス 生物学の創造 上

 

 

アリストテレス 生物学の創造 下

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