風よ あらしよ
村山 由佳
集英社
2022年3月にNHKドラマにおいて、吉高由里子主演で直木賞作家村山由佳の原作で伊藤野枝の評伝小説「風よ あらしよ」が放送されます。伊藤野枝を吉高由里子がどう演じるか楽しみです。
伊藤 野枝(いとう のえ、1895年〈明治28年〉1月21日 - 1923年〈大正12年〉9月16日)は、日本の婦人解放運動家、無政府主義者、作家、翻訳家、編集者。
特集ドラマ【#風よあらしよ】#吉高由里子 が主人公 #伊藤野枝 を演じ、自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。#永山瑛太/#大杉栄 役#松下奈緒/#平塚らいてう 役#稲垣吾郎/#辻潤 役
— NHKドラマ (@nhk_dramas) January 14, 2022
原作 #村山由佳
脚本 #矢島弘一
2022.3月下旬 BS8K
2022秋 BSP/BS4Khttps://t.co/WQqvgnLmZS
吉高由里子さんのツイートです。
台本はこんな感じです🖋
— 吉高由里子 (@ystk_yrk) January 14, 2022
同じ物書き
同じ時代の花子さんと
こうも生き方が違うのか!
と、驚きです
これ読み終わったら
毎回
いつもの何倍もの重力が襲ってくるの
野枝さんの力強さにしがみ付くのは
大変なの。
監督に言われたわ
最愛の時みたいに
今回は誰も守ってくれないぞって😨
頑張らないと。 pic.twitter.com/IqvHRNwoPU
本書は、わずか28歳で、憲兵隊により理不尽に虐殺され、太く短く熱く生きた伊藤野枝の人生を、まさに本書の題名のごとく「風よあらしよ」のように描いています。
彼女の恋愛観や政治観には、ついていけない人もいると思いますが、彼女は家父長制下の結婚制度の中で良妻賢母を求められた時代に、それまでの習俗を打破して自由を求めて自分に正直に生きました。また、彼女は、働きながら7人の子供を産み社会活動を行なっていたことは当時の時代背景を考えると驚きです。
そして、なにより本書での伊藤野枝が魅力的なのは、大杉栄を愛している彼女の情熱が感じられることです。そして、伊藤野枝をはじめとする様々な登場人物の描写が素晴らしいです。
下のサイトは、作者のインタビューです。本書が出来上がるまでの貴重な意見、過程が述べられてます。
出版社の内容紹介
【第55回吉川英治文学賞受賞】
【本の雑誌が選ぶ2020年度ベスト10第1位】
どんな恋愛小説もかなわない不滅の同志愛の物語。いま、蘇る伊藤野枝と大杉栄。震えがとまらない。
姜尚中さん(東京大学名誉教授)
ページが熱を帯びている。火照った肌の匂いがする。二十八年の生涯を疾走した伊藤野枝の、圧倒的な存在感。百年前の女たちの息遣いを、耳元に感じた。
小島慶子さん(エッセイスト)
時を超えて、伊藤野枝たちの情熱が昨日今日のことのように胸に迫り、これはむしろ未来の女たちに必要な物語だと思った。
島本理生さん(作家)
明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で三人の男と〈結婚〉、七人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして二番目の夫でダダイストの辻潤、三番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。
[主な登場人物]
伊藤野枝…婦人解放運動家。二十八年の生涯で三度〈結婚〉、七人の子を産む。
辻 潤…翻訳家。教師として野枝と出会い、恋愛関係に。
大杉 栄…アナキスト。妻と恋人がいながら野枝に強く惹かれていく。
平塚らいてう…野枝の手紙に心を動かされ『青鞜』に引き入れる。
神近市子…新聞記者。四角関係の果てに日蔭茶屋で大杉を刺す。
後藤新平…政治家。内務大臣、東京市長などを歴任。
甘粕正彦…憲兵大尉。関東大震災後、大杉・野枝らを捕縛。
目次
序 章 天地無常
第 一 章 野心
第 二 章 突破口
第 三 章 初恋
第 四 章 見えない檻
第 五 章 出奔
第 六 章 窮鳥
第 七 章 山、動く
第 八 章 動揺
第 九 章 眼の男
第 十 章 義憤
第十一章 裏切り
第十二章 女ふたり
第十三章 子棄て
第十四章 日陰の茶屋にて
第十五章 自由あれ
第十六章 果たし状
第十七章 革命の歌
第十八章 婦人の反抗
第十九章 行方不明
第ニ十章 愛国
終 章 終わらない夏
著者紹介
村山由佳(むらやま・ゆか)
1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て作家デビュー。1993年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、島清恋愛文学賞を受賞。