読書日記

お薦めの本を紹介します

ゲッペルスと私 ナチ宣伝秘書の独白 「何も知らなかった。私に罪はない。」

   ゲッペルスと私ーナチ宣伝秘書の独白

  ブルンヒルデ・ボムゼル、トーレ・D.ハンゼン (著)紀伊国屋書店

 

本の内容

 ヒットラーの右腕としてナチ体制を牽引したヨーゼフ・ゲッペルスの103歳の元秘書(ボムゼル)が、69年の沈黙を破り当時を回想した。

 

ブルンヒルデ・ボムゼル

 1911年生まれ。1933年にナチ党員になり、ベルリン国営放送で秘書として働く。1942年に国民啓蒙宣伝省に移り、ヨーゼフ・ゲッペルスの秘書の1人として終戦までの3年間勤務する。総統地下豪の隣にある宣伝省の防空豪で終戦を迎えてソ連軍に捕らえられ、その後5年間、複数の特別収容所に抑留。解放後はドイツ公共放送連盟ARDで60歳まで勤務。2017年1月27日国際ホローコスト記念日に106歳で死去。

 

 この本は、ブルンヒルデ・ボムゼルが回想したドキュメント映画「ゲッペルスと私」が基になっています。そして、著名なジャーナリストのトーレ・D・ハンセンが後半でボムゼルの回想に解説をしてます。

 ボムゼルの回想は、1914年の子供の頃の第一次世界大戦勃発の記憶から始まり、第二次世界大戦終戦時にソ連軍に捕えられ、特別収容所の抑留生活、解放後のドイツでの生活について回想してます。

 ハンセンが解説で述べている当時のドイツと現代の欧米社会の実情を比較して、ボムゼルの回想より導かれる教訓は、読み応えが有ります。

 この本を読んで思ったことは、自分もボムゼル同様に政治やまわりのことに無関心ではないのかと自問自答してしまう。そして、現代の世界の強権的な政治体制の台頭、排他的な発言をする人達が支持されている今こそ、ボムゼルの証言から学ぶこがあるとおもう。

 

 

    目次

まえがき(トーレ・D・ハンセン)

「私たちは政治に無関係だった」 1930年代ベルリンでの青春時代

ヒトラーはともかく、新しかった」国営放送局へ

「少しだけエリートな世界」国民啓蒙宣伝省に入る

「破滅まで、忠誠を」宣伝省最後の日々

「私たちは何も知らなかった」抑留と、新たな出発

「私たちに罪はない」103歳の総括

 

ゲッペルスの秘書の語りは現代の私たちに何を教えるのか(トーレ・D・ハンセン)

 

ゲッペルスと私」刊行によせて(石田勇治)