読書日記

お薦めの本を紹介します

ヒトラーの実像からホロコーストの真実までを描く

 ヒトラーとナチ・ドイツ

    石田勇治 講談社現代新書
ヒトラーとナチ・ドイツ (講談社現代新書)

ヒトラーとナチ・ドイツ (講談社現代新書)

 

 先日、「ケッペルと私」を読んで、ヒトラーナチスについて、基礎的な知識をもっと知りたくて、本書を読みました。文章が分かりやすく、巻末に関連年表、参考文献が有り、とても勉強になりました。

 ナチスユダヤ人の大虐殺だけではなく、心身障害者、不治の病にある患者、ロマ(ジプシー)、同性愛者、エホバの証人など民族共同体の理念・規範に適合しない人々に対しても迫害が行われました。

 なかでも、ホロコーストよりも前に、第二次世界大戦の開戦(1939年9月)に前後して始まった、心身障害者・不治の病にある者を標的とする「安楽死殺害政策」によって、ヨーロッパ全体で約30万人もの生命が奪われたといわれてます。

しかも、その時の「安楽死殺害政策」はやがてホロコーストを実行していく人材を育成することになりました。

 これらの事は、あまり知られてません。

内容紹介

「人類の歴史における闇」ともいえる、ヒトラーの政権時代。

その数々の疑問に、最新研究をふまえ、答える。

当時の歴史やその背景を知るための入門書です。

ヒトラーは、いかにして国民を巻きつけ、独裁者に上りつめたのか。

なぜ、ドイツで、いつのまにか憲法は効力をなくし、議会民主主義は葬り去られ

基本的人権も失われたのか。

ドイツ社会の「ナチ化」とは何だったのか。

なぜ、国家による安楽死殺害やユダヤ人大虐殺「ホロコースト」は起きたのか。

著者紹介

石田勇治(いしだ・ゆうじ)

1957年、京都市生まれ。東京外国語大学卒業、東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了、マールブルク大学社会科学哲学部博士課程修了、Ph.D. 取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)教授。専門は、ドイツ近現代史、ジェノサイド研究。著書に『過去の克服――ヒトラー後のドイツ』『20世紀ドイツ史』(ともに白水社)、『図説 ドイツの歴史』(編著、河出書房新社)、『ジェノサイドと現代世界』(共編、勉誠出版)などがある。

 目次

第一章 ヒトラーの登場
   若きヒトラー/政治家への転機/ナチ党の発足まで/党権力の掌握/クーデターへ
第二章 ナチ党の台頭
   カリスマ・ヒトラーの原型/「ヒトラー裁判」と『我が闘争』/ヒトラーはどのようにナチ党を再建したのか/ヒトラー、ドイツ政治の表舞台へ
第三章 ヒトラー政権の成立
   ヒトラー政権の誕生/大統領内閣/議会制民主主義の崩壊
第四章 ナチ体制の確立
   二つの演説/合法的に独裁権力を手に入れる/授権法の成立/民意の転換/体制の危機
第五章 ナチ体制下の内政と外交
   ヒトラー政府とナチ党の変容/雇用の安定をめざす/国民を統合する/大国ドイツへの道
第六章 レイシズムユダヤ人迫害
   ホロコーストの根底にあったもの/ヒトラー政権下でユダヤ人政策はいかに行われていったか
第七章 ホロコーストと絶滅戦争
   親衛隊とナチ優生社会/第二次世界大戦ホロコースト/絶滅収容所の建設/ヒトラーホロコースト