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天皇ー「君主の父」、「民主の子」

    天皇

 「君主の父」、「民主の子」
   保坂正康  講談社文庫

 

 

内容紹介

昭和二十年八月の敗戦を境に、皇室は根本から変わらざるをえなかった。平和日本を実現し、「新しい天皇像」を示さねば、皇統を維持することなどできない。そんな切迫した思いを胸に、昭和天皇と当時皇太子だった今上天皇はともに戦後を歩み、今日の礎を築いた。新時代の皇室へ至る軌跡を、天皇父子のありようから描いた好著。

著者紹介

保坂正康(ほさか まさやす)

1939(昭和14)年北海道生まれ。現代史研究家、ノンフィクション作家。同志社大学文学部卒。1972年『死なう団事件』で作家デビュー。2004年個人誌『昭和史講座』の刊行により菊池寛賞受賞。2017年『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞を受賞。近現代史の実証的研究をつづけ、これまで約4000人から証言を得ている。『陸軍省軍務局と日米開戦』『あの戦争は何だったのか』『昭和史の大河を往く』シリーズなど著書多数。

目次

序章   時代の分岐点に立って
第一章  軍国主義下の帝王教育
第二章  戦後空間での皇太子像
第三章  新皇室論の実践者として
第四章  皇室の新時代と家族史
第五章  新しい天皇像をめざして
第六章  平成時代と天皇像の確立
終章   歴史はいかに刻まれるか

               あとがき
     文庫版あとがき
               解説   井上亮(毎日新聞社編集委員)