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私たちが食べている「たんぱく質」は、体の中でどう変化し、どうはたらくのか?

   たんぱく質入門

どう作られ、どうはたらくのか

         武村 政春 講談社 

 内容紹介

私たちが食べている「たんぱく質」は、体の中でどう変化し、どうはたらくのか? 「たんぱく質」は生物にとって最も重要な物質である。だからこそ私たちは毎日「たんぱく質」を食べるのだが、それは体内でどう分解されて、どう肉体に変化していくのだろうか? 未解明なものも多いこの不思議な物質について、作られ方から構造、性質、遺伝や病気までわかりやすく解説。栄養学と生化学の両面からアプローチした新しい入門書。

 

筋肉、爪、髪の毛、皮膚から唾液に至るまで人の体はたくさんの種類のタンパク質でできている。さらにインフルエンザウイルスをやっつけるのも、食べ物を消化するのもタンパク質であり、人はほとんどタンパク質の塊といってもいい。その一方で、人の体にどれだけの種類のタンパク質があり、それぞれがどういう働きをしているのか完全にはわかっていない。

タンパク質が初めて発見されてから2世紀。生物教育教材や生徒実験の開発研究を専門とする大学准教授が、未解明な部分も多いこの生体・化学物質について栄養学と生化学の両面からアプローチし、作られ方から構造、性質、遺伝や病気まで、不思議な世界をわかりやすく解説する。


著者紹介

武村政春(たけむら・まさはる)

1969年、三重県津市生まれ。1998年、名古屋大学大学院医学研究科修了。医学博士。名古屋大学助手等を経て、現在、東京理科大学理学部第一部教授。専門は、巨大ウイルス学、生物教育学、分子生物学、細胞進化学。著書に『DNA複製の謎に迫る』『生命のセントラルドグマ』『たんぱく質入門』『新しいウイルス入門』『巨大ウイルスと第4のドメイン』(いずれも講談社ブルーバックス)のほか、『レプリカ~文化と進化の複製博物館』(工作舎)、『DNAの複製と変容』(新思索社)、『ベーシック生物学』(裳華房)、『マンガでわかる生化学』(オーム社)など多数。最新刊は生物はウイルスが進化させた』(講談社ブルーバックス)。趣味は書物の蒐集、読書、ピアノ、落語、妖怪など。

目次

はじめに

第1章 たんぱく質の性質―生卵をフライパンの上で焼くとなぜ目玉焼きになるのだろうか(栄養素としてのたんぱく質;肉を食べることの意味 ほか)
第2章 たんぱく質の作られ方ボディビルダーの生活はたんぱく質の生産と一蓮托生である(体を作り上げるたんぱく質;栄養素としてのたんぱく質から体を作るたんぱく質へ ほか)
第3章 たんぱく質のはたらき―魚を食べる魚がいるのなら、たんぱく質を分解するたんぱく質もいる(たんぱく質たんぱく質を分解する;体のはたらきを維持するたんぱく質 ほか)
第4章 たんぱく質の異常と病気―よくも悪くも、たんぱく質はいろいろな場所で存在感を発揮している(がん細胞におけるたんぱく質の異常な振る舞い;ちょっとした傷が原因で―たんぱく質の異常と病気 ほか)
第5章 Q&A 身近なたんぱく質への疑問―最新の分子生物学生命科学でも、たんぱく質は常に最先端をゆく(○○遺伝子が作りだす「たんぱく質」Q&A―人間の性質にかかわるたんぱく質;人間生活の中での「たんぱく質」Q&A―食品のたんぱく質 ほか)

コラム あ!見たことある!~身の回りのものによく似ているたんぱく質

おわりに

参考図書

さくいん