10年後の仕事図鑑
新たに始まる世界で、君はどう生きるか
堀江貴文 x 落合陽一 SB Creative
『すでに僕の頭の中には未来の姿があって、今、目の前の現状にもどかしく思うこともある。読者の皆さんには、僕が見ている未来の一部を知ってほしいし、これからの時代に踏み出していってほしい。』とは、"はじめに"の堀江氏の言葉である。
本書の中で語られているような社会像が頭の中にあるなら、それはさぞもどかしいことだろうと思う。彼らの思い描いているような社会がそのうち本当に訪れるのかと、興味を持って読んだ(AIの話のみならず経済や教育などの形態についても話題にしており、現行の日本社会のシステムには改善の余地がいくつもあるということであった)。
ただいずれにしても、技術的に可能になるというのであれば、社会の中にAIは浸透していき、徐々に人々の仕事を代替し始めるだろう(あるいはすでに始まっている)。
お二人ともそれを悲観的には捉えていなかったが、じわじわとAIに仕事を代替される人が出始め、焦りと不安を抱える人は多く出てくるだろうと考えられる。
しかし、そしてだからこそ、堀江氏や落合氏が提唱しているような生き方――自身に信用や付加価値を付け、価値を交換していくような生き方――が求められる、という話なのだろう。
取り立ててイノベーションを起こそうという気概がない人についても触れられていて、それが必ずしも間違った生き方だというわけではないという風に捉えられていたのは意外だった。
実際、みんながみんなバイタリティに溢れオリジナリティと創造性に富んでいるわけではないのだし、そういう人間しか生き残れないというならそれは明るい社会とは言えないだろう。
本書のメッセージは、今起こっている変化を知り、自分の行動を選択しろということだ。少なくとも大抵のことがAIにできるようになった後、自分が価値をもって活き活きと生活したいのであれば、本書の言葉を借りるとブルーオーシャン的な考え方ができる人材になっている必要がある。
堀江氏は「未来を予測するなんてこと誰にもできるわけがないんだから、今好きなことに没頭することが大切」というような旨のことを述べている。結局は今できることをやっていくしかないのである。
内容紹介
自分次第で、未来は幸福にも絶望にもなる
●AIにポジションを取られる前に。動くのは、今だ
AI(人工知能)、仮想通貨、lLIFESHIFT、ホワイトカラーの終焉……。
10年後どころから5年先すら予期できない今、今の仕事、会社、社会、キャリアはどうなるのか。
今世界で最も注目される日本人研究者落合陽一氏と、圧倒的な行動力で時代の最先端を走り続ける堀江貴文氏が、
お金、職業、仕事、会社、学校など、今考えられる新たな社会の姿を余すところなく語ります。
●イラスト入りで、50近くの職業の未来を分析
AIでなくなる職業が話題になりましたが、本書では、「消える職業」「生まれる職業」など含め、50近くの職業の未来を紹介。
視覚的にも見やすいので、将来を考える10代の方から、自分の仕事で次の一手を探したい方まで幅広く読んでいただけます。
●希望か絶望か! ? すべて自分次第で決められる
今後、今のようなかたちの仕事や会社はなくなるかもしれないが、それを希望とみるか、絶望とみるかは、すべて自分次第。
新たな世界で、自分なりのポジションをとっていくための生き方のヒントも収録しています。
●主な内容
・激動の時代を生きるあなたに伝えたいこと
・経営者すら職を奪われる時代
・総エージェント化する個人
・湯婆婆に名前を奪われるな
・センター試験は無駄
・ロボットがロボットを印刷する
・AIの社会は古代ローマ
・名将にAI監督が勝つ時代
・ウサイン・ボルトを見習え
・交換可能な価値の缶詰をつくる
・波を待つな、自ら波を起こせ
・食べていくための安い仕事にしがみつくな
著者紹介
落合 陽一(おちあい・よういち)
メディアアーティスト、博士(学際情報学/東京大学)。筑波大学准教授・学長補佐、筑波大学デジタルネイチャー推進戦略研究基盤基盤長。Pixie Dust Technologies,Inc.CEO。VRコンソーシアム理事。一般社団法人未踏理事。電通ISIDメディアアルケミスト。博報堂プロダクツフェロー。1987年東京都生まれ。筑波大学でメディア芸術を学び、情報学群情報メディア創成学類を卒業。大学院ではヒューマンインターフェース工学およびコンピュータグラフィクスを専攻し、東京大学学際情報学府にて博士号を取得(学際情報学府初の早期修了者)など。
著書に「魔法の世紀」(Planets)、「超AI時代の生存戦略」(大和書房)、「日本再興戦略」(幻冬舎)など。
堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。著書に「ゼロ」(ダイヤモンド社)、「本音で生きる」(SBクリエイティブ)、「多動力」(幻冬舎)、「好きなことだけで生きていく」(ポプラ社)、「すべての教育は洗脳である」(光文社新書)など。
目次
はじめに なぜ今、人生のグランドデザインを考え直さなければいけないのか?
Chapter 0 激動の時代を生きるあなたへ
Chapter 1 すべてが逆転するこれからの働き方
Chapter 2 なくなる仕事・変わる仕事
Chapter 3 生まれる仕事・伸びる仕事
Chapter 4 お金の未来― マネーとしてのお金は廃れ、信用が価値を紡ぐ時代へ
Chapter 5 日本の幸福と社会について
Chapter 6 ピュアな情熱に導かれた"自分の人生"を生きよ
おわりに ポジティブに21世紀を拓くために