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なぜ日本人は、かくも独自の文化を生み出せたのか?

  元気な日本論

橋爪 大三郎 X 大澤 真幸

 内容紹介

土器、古墳、ひらがな、源氏物語、日本刀、安土城国学……なぜ日本人は、かくもユニークな文化を生み出せたのでしょうか?
日本史にまつわるそもそもの疑問18個を真剣に議論することで、日本そのものの特異さやおもしろさ、現代に生きる日本人の「由来」が、どんどんわかってきます。
そしてそれによって、自己を見失っていると感じる人でも、自信を取り戻して元気になれるのです!
本書は、日本の歴史をテーマにする。でも、ふつうの歴史の本とは、まるで違う。
歴史上の出来事の本質を、社会学の方法で、日本のいまと関連させる仕方で掘り下げるからだ。本書を読み進むにつれて、読者のみなさんは、まったく見違えるような新鮮な世界が、目の前に開けて行くのを感じられるだろう。
それは、著者の二人にとっても同様である。橋爪大三郎がまず、18の疑問を用意した。そして、好敵手・大澤真幸と論じあった。二人にとってこの対談は、わくわくする刺戟的な体験だった。誰も(たぶん)考えたことのないようなことを、たくさん語ることができたからである。
そう、本書は、日本列島で起こったあれこれの出来事が、人類史のなかでどういう意味をもつのか、普遍的な(=世界の人びとに伝わる)言葉で、語ろうと する試みである。

著者紹介

橋爪 大三郎(はしづめ・だいさぶろう)

1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京工業大学教授。社会学者。著書に『はじめての構造主義』『はじめての言語ゲーム』(ともに講談社現代新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)などがある。

大澤 真幸(おおさわ・まさち)

1958年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。著書に『ナショナリズムの由来』(講談社毎日出版文化賞受賞)、『「正義」を考える』(NHK出版新書)、『量子の社会哲学』(講談社)などがある。

目次

           まえがき

            はじめに

第一部 はじまりの日本
      1、なぜ日本の土器は、世界で一番古いのか
      2、なぜ日本には、青銅器時代がないのか
      3、なぜ日本では、大きな古墳が造られたのか
      4、なぜ日本には、天皇がいるのか
      5、なぜ日本人は、仏教を受け入れたのか
      6、なぜ日本は、律令制を受け入れたのか
第二部 なかほどの日本
      7、なぜ日本には、貴族なるものが存在するのか
      8、なぜ日本には、源氏物語が存在するのか
      9、なぜ日本では、院政なるものが生まれるのか
     10、なぜ日本には、武士なるものが存在するのか
     11、なぜ日本には、幕府なるものが存在するのか
     12、なぜ日本人は、一揆なるものを結ぶのか
第三部 たけなわの日本
      13、なぜ信長は、安土城を造ったのか
      14、なぜ秀吉は、朝鮮に攻め込んだのか
      15、なぜ鉄砲は、市民社会をうみ出さなかったか
      16、なぜ江戸時代の人びとは、儒学国学蘭学を学んだのか
      17、なぜ武士たちは、尊皇思想にとりこまれていくのか
      18、なぜ攘夷のはずが、開国になるのか

             あとがき