読書案内

お薦めの本を紹介します

ニュートン以来の謎、時間と空間。その探求は驚くべき段階に到達した!

宇宙を織りなすもの

         時間と空間の正体

      ブライアン・グリーン

   [訳]青木 薫  草思社文庫

文庫 宇宙を織りなすもの 上: 時間と空間の正体 (草思社文庫)

文庫 宇宙を織りなすもの 上: 時間と空間の正体 (草思社文庫)

 

 
 本書は、巧みな比喩を使いながら、現在の宇宙論がここまで来ているということを、実に明快に、きわめてわかりやすく述べています。日本人にはピンと来ないこともある外国人が口にするジョークや比喩も、この人の手にかかると違和感もないです。また、翻訳を意識させないこなれた訳文は、素晴らしいです。 

 本書は、難しい先端の物理の世界(わたしたちの常識を覆すような宇宙の原理)を一般の人にも、ちょっとだけのぞかせてくれます。難しいところや重要なところを、言い換えたりたとえ話をつかったりして繰り返し説明しているのでボリュームはありますが、初心者には親切な文章になっています。
 ブライアン・グリーンの一連の著作は、誇張ではなくて、ほんとうに数式を一切省いて、長ったらしい文章や喩えを通して物理学上の概念を解説しています(注にほんの少々数式が書かれてるくらい)。 

 内容紹介

空間とは、時間とは何か? この謎の歴史と現在を、圧倒的表現力で描く。ニュートン以来の探究が到達した高みから、世界の《真の姿》を一望させる最高の案内書。

ニュートン以来の謎、時間と空間。その探究はいま、驚くべき段階に到達している。世界的ベストセラー『エレガントな宇宙』の著者が、古典物理学から超ひも理論へといたる、物理学最大の「謎」の歴史と現在を鮮やかに描き出す。
全米ベストセラー「The Fabric of the Cosmos」待望の翻訳。

 物理学によれば、私たちの時間と空間に関する常識的な感覚は、どうしようもないほど間違っている。たとえば、「時間は流れるもの」「歴史はひとつのはず」「空っぽの空間ではなにも起こらない」という常識的な考え方は、どれも間違っているというのだ。物理学は、いったいどのように私たちの「常識」をくつがえすのか?この世界の本当の姿は、私たちの「常識」から、どれほどかけ離れているのだろうか?―世界的ベストセラー『エレガントな宇宙』のブライアン・グリーンが、物理学が明らかにした世界を語り尽くす。

著者等紹介

ブライアン・グリーン(Brian Greene)
物理学者・超ひも理論研究者。ハーヴァード大学を卒業後、オクスフォード大学で博士号取得。コロンビア大学物理学・数学教授。研究の第一線で活躍する一方、超ひも理論をはじめとする最先端の物理学を、ごく普通の言葉でわかりやすく語ることのできる数少ない物理学者の一人でもある。超ひも理論を解説した『エレガントな宇宙』は、各国で翻訳され、全世界で累計100万部を超えるベストセラーとなった 。本書『宇宙を織りなすもの』もニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに半年にわたって入り続けるなど、全米ベストセラーとなっている。

青木 薫(あおき・かおる)
1956年、山形県生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院修了。理学博士。翻訳家。サイモン・シンフェルマーの最終定理』『暗号解読』『ビッグバン宇宙論』『宇宙創成』『数学者たちの楽園:「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』、エドワード・フレンケル『数学の大統一に挑む』、レナード・ムロディナウ『ユークリッドの窓』、アミール・D・アクゼル『無限に魅入られた天才数学者たち』など。著書に『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』がある。2007年度日本数学会出版賞受賞。

目次

はじめに

第1部 空間とは何か

第一章 宇宙の実像を求める旅路
第ニ章 バケツを使って宇宙を探る
第三章 相対と絶対
第四章 非局所性と宇宙
第2部 時間とは何か

第五章 時間は流れない?
第六章 時間の矢という問題
第七章 時間と量子
第3部 時空と宇宙論

第八章 対称性と時空

参考図書

文庫 宇宙を織りなすもの 下: 時間と空間の正体 (草思社文庫)

文庫 宇宙を織りなすもの 下: 時間と空間の正体 (草思社文庫)

 

 

エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する

エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する

 

 

隠れていた宇宙 上 (ハヤカワ文庫 NF)

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隠れていた宇宙 下 (ハヤカワ文庫 NF)

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 関連サイト

1 ・・ 4 | 宇宙~時空超越の旅~|番組紹介|ナショナル ジオグラフィック


https://natgeotv.jp/tv/lineup/prgmepisode/index/prgm_cd/902 
さらに驚くことに、私たちが体験している現在から過去へ過ぎていくという時間に対する強い感覚は、幻想にすぎないかもしれないのだ。こんなにも当たり前に理解していることが、なぜ間違っていたりするのだろうか? その答えを探し求めて、ブライアングリーンが ...
 
 

宇宙を織りなすもの――時間と空間の正体 上の書評・感想 | ブクペ


http://bukupe.com/summary/3936 
 › 科学本 › 宇宙
 
本作は、初の著作である「エレガントな宇宙」が世界中で大ヒットしたブライアン・グリーンの待望の二作目です。本作は、「時間と空間」というテーマを軸として、最新の物理学の成果について非常に面白く描いている本です。僕は、確か高校生ぐらいの時に、その...
 
 

『宇宙を織りなすもの』を読んで。|神埼|note


https://note.mu/umxtsfy8qffazshq/n/nb4641e01f8e3 
 › 神埼
 
2017/05/07 - 宇宙を織りなすもの—時間と空間の正体—』ブライアン・グリーン著 『エレガントな宇宙』の著者としての方が有名らしいのですが、そちらは未読。いつか読みたいと思っている。ともあれ、本屋さんでタイトルを見て一目惚れしたみたいに買って ...