読書日記

お薦めの本を紹介します

 騎士団長殺し

 騎士団長殺し

 第一部 顕れるイデア編 
 第ニ部 遷ろうメタファー編
 著者 村上春樹    新潮社 

今回の小説は、過去の長編小説の素材の寄せ集めという感じがしました。この作家は平易な文章で読ませるという点では、非常に優れていると思います。しかしながら、今回の小説は、1回読んだだけでは、なかなか内容を理解しかねます。川上末映子・村上春樹の「みみずくは黄昏に飛びたつ」を参考に読むと内容をより深く理解できると思います。

 内容紹介

 久しぶりの一人称(私)で、お馴染みの春樹的モーチフ(妻との別れ、謎めいた

穴、いわくありげな美少女、夢精、失踪、メタファー・・・)を大量にちりばめな

がら象徴的なファンタジーな世界に読者を誘う。

 作中で言及される上田秋成の怪談風でもあり、謡曲とも、ジブリ風とも見える。

絵画や文学はもちろん、クルマ、音楽、料理から南京大虐殺まで、とにかくネタが

盛り沢山なので、合計千ページを超える物量にもかかわらず、ダレ場はほとんどない。

 今回の特徴は、”私”が妻と別居してから元の鞘に戻るまでの9カ月間の物語で

あることが、冒頭で宣言されること。2006年(推定)の出来事を、20011年現在

から振り返る回想形式になっている。簡単に要約すれば、36歳(当時)の画家で

ある”私”が、ある大きな試練を経て再生し、家庭を取り戻す話だと言ってもいい。

 

  主な舞台は小田原市郊外の山中に建つ一軒家。高名な画家である雨田具彦

(あまだともひこ)のアトリエ兼住居だったその家に越してきた”私”は、そこで

さまざま不思議と出会う。その出発点が、屋根裏で見つけた雨田具彦の未発表作

騎士団長殺し」と、谷をはさんで向かいの山に建つ白い邸宅に住む白髪の中

年男、免色渉(めんしきわたる)。話の展開は例によって自由奔放だが、前作前

作とくらべて投げ放し感は比較的少なくきっちり幕が引かれる。

目次

第一部 顕れるイデア

プロローグ

1 もし表面が曇っているようであれば

2 みんな月に行ってしまうかもしれない

3 ただの物理的反射にすぎない

4 遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える

5 息もこときれ、手足も冷たい

 その他  

 

第二部 遷ろうメタファー編

33 目に見えないものと同じくらい、目に見えるものが好きだ

34 そういえば最近、空気圧を測ったことがなっかた

35 あの場所はそのままにしておく方がよっかた

36 試合のルールについてぜんぜん語り合わないこと

37 どんなものごとにも明るい側面がある

 その他