子どものトラウマ
西澤哲 講談社現代新書
内容紹介
身体の傷は治っても心の傷は消えない。人格を、ときには人生さえ支配してしまうトラウマとは何か。第一線での臨床活動をふまえて「子どもの虐待」の問題をとらえなおし、傷ついた子と親の心の回復を説く。
著者紹介
西澤 哲(にしざわ・さとる)
1957年神戸市生まれ。大阪大学人間科学部卒。サンフランシスコ州立大学大学院教育学研究科カウンセリング専攻修了。現在、山梨県立大学人間福祉学部教授(学部長)。情緒障害児短期治療施設心理士、大阪府心理技師、日本社会事業大学専任講師、大阪大学大学院人間科学研究科助教授を経て現職。虐待などでトラウマを受けた子どもの心理臨床活動を行っている。著書に『子どものトラウマ』(講談社現代新書)、『子どもの虐待』(誠信書房)、『トラウマの臨床心理学』(金剛出版)、訳書に「生活の中の治療」(中央法規出版)、「虐待を受けた子どものプレイセラピー」(誠信書房)、レノア・テア「恐怖に凍てつく叫び」(金剛出版)などがある。
目次
はじめに
第一章 子どもの虐待を考える
1 虐待とは何か
2 「虐待」という言葉は何を意味するのか。
3 虐待の四つのタイプ
第二章 トラウマとしての虐待
1 トラウマとは何か
2 精神医学はトラウマをどのようにとらえてきたか
第三章 虐待のトラウマと子ども
1 虐待を受けた子どもはトラウマを抱えて生きていく
2 トラウマは「自己」にどのように影響するか
3 失われる「自己」ートラウマと解離性障害
第四章 子どもを傷つけてしまう親たちー虐待を生じるトラウマ
1 どのような親が子どもを傷つけるのか
2 子育てに悩む親たち
3 親たちのトラウマ
第五章 トラウマが癒えるということ
1 トラウマを癒す三つのR
2 傷ついた子どもの心を癒す
3 トラウマを抱えたまま大人になった心をいかに癒すか
おわりに
主要参考文献