砂糖の世界史
川北 稔 岩波ジュニア新書
内容紹介
茶や綿織物とならぶ「世界商品」砂糖.この,甘くて白くて誰もが好むひとつのモノにスポットをあて,近代以降の世界史の流れをダイナミックに描く.大航海時代,植民地,プランテーション,奴隷制度,三角貿易,産業革命―教科書に出てくる用語が相互につながって,いきいきと動き出すかのよう。
著者紹介
川北 稔 (かわきた・みのる)
1940年大阪府生まれ。奈良女子大学附属中等教育学校を経て1963年京都大学文学部西洋史学科卒業。京都大学大学院文学研究科修士課程を修了、1967年京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程中退。
1967年大阪大学文学部助手、1969年大阪女子大学学芸学部社会福祉学科講師、1970年同助教授をへて、1976年から大阪大学文学部助教授、1987年から同教授。2004年に同大学を定年退職ののち、名古屋外国語大学教授、国際高等研究所副所長、京都産業大学文化学部客員教授、佛教大学歴史学部歴史学科特別任用教授などを経て、現在は大阪大学名誉教授。2007年公立大学法人神戸市外国語大学理事。2001年から2004年まで日本西洋史学会代表。
著書
- 『工業化の歴史的前提――帝国とジェントルマン』(岩波書店、1983年)
- 『洒落者たちのイギリス史――騎士の国から紳士の国へ』(平凡社 1986年)
- 『民衆の大英帝国――近世イギリス社会とアメリカ移民』(岩波書店、1990年/岩波現代文庫、2008年)
- 『イギリス――繁栄のあとさき』(ダイヤモンド社、1995年/講談社学術文庫、2014年)
- 『砂糖の世界史』 (岩波ジュニア新書、1996年)
- 『ヨーロッパと近代世界』(放送大学教育振興会、1997年、改訂版2001年)
- 『アメリカは誰のものか――ウェールズ王子マドックの神話』(NTT出版、2001年)
- 『世界の食文化(17)イギリス』(農山漁村文化協会、2006年)
- 『私と西洋史研究――歴史家の役割』(創元社、2010年)
- 『イギリス近代史講義』(講談社現代新書、2010年)
目次
プロローグ 砂糖のふしぎ
第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか
第2章 カリブ海と砂糖
第3章 砂糖と茶の遭遇
第4章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化
第5章 茶・コーヒー・チョコレート
第6章 「砂糖のあるところに、奴隷あり」
第7章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」──労働者のお茶
第8章 奴隷と砂糖をめぐる政治
第9章 砂糖きびの旅の終わり──ビートの挑戦
エピローグ モノをつうじてみる世界史──世界史をどう学ぶべきか
あとがき