読書日記

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地図で日本各地の明治~平成への変化を読み取る

地図で読む昭和の日本

    定点観測でたどる街の風景

      今尾 恵介   白水社 

地図で読む昭和の日本: 定点観測でたどる街の風景

地図で読む昭和の日本: 定点観測でたどる街の風景

 

 
本書は白水社ホームページで平成23年(2011)4月〜同24年6月まで連載された「日本を定点観測する」に加筆・修正を行ったものです。

紹介された各地区の大正や昭和の地図が見開きで掲げられています。当然、現在とは違いますし、河川の流れ、電車の線路、大きな建造物の消失など、地図から伝わってくる情報を筆者が様々なエピソードを交えながら、記述してあります。筆者の博覧強記ぶりに驚かされます。掲載したエリアは、関東を中心に全国に点在してありますので、近くの都市の盛衰も眺めることができます。

本書では、実に詳しく、あまり知られていない地域史についても述べられています。地図の情報から多くのことが学べるという見本でしょう。

内容紹介

街の歩みから日本を考える──
街の風景は気づくと変わっている。しかし、何がどう変わったかなかなか思い出せないことも多い。そのような日々のささやかな変化の積み重ねがいまの街のすがたを形づくる。
日本のさまざまな地域の歩みを「定点観測」でたどってみたい。時代の異なる同じ地域の地図を数種類比べることで、それぞれの時代になにが大切にされ、どのような変化があったのかが見えてくる。
明治時代の地図を見ると干潟に塩田が広がる千葉県谷津。昭和36年の地図では干潟が埋め立てられ、遊園地となり、海上にジェットコースターが延びる。その後、平成19年の地図では団地がならび、干潟のごく一部だけが保存されている。
日明貿易で発達した大阪の堺市は明治の地図を見るとその「大きさ」が実感できる。昭和15年の地図には多くの鉄道が描かれ、大浜海水浴場や水族館で賑わう街の様子がうかがえる。その後、太平洋戦争では度重なる空襲を受け、戦後はさまざまな工場が建ち並び、風景は一変する。
このほか、名古屋の中村、仙台の長町、東京の立川や銀座、博多や横浜など、全28景を追いかけていく。
谷津と堺は地名変更や大阪都構想に揺れる。詳細な地図をもとに日本各地の街の歴史を考えることで、国のかたちが浮かび上がってくる。

明治維新以来、近代化を急速に進めた日本。その激変の時代にあって全国各地の都市は、江戸時代までに形成された原型を基礎にしつつも、その後の殖産興業、富国強兵などのスローガンの下に大きく変貌させられていった。本書は首都・東京の都心部とその近郊から県庁所在地、全国各地に分布するさまざまな顔をもつ中小都市に至るまで、人間の長らく居住してきた土地を、できるだけ詳しい地形図で時代を追って「定点観測」する試みである。」(本書「はじめに」より) 

著者紹介

今尾恵介(いまお・けいすけ)

1959年神奈川県生まれ。地図研究家。明治大学文学部中退。中学生の頃から国土地理院発行の地形図や時刻表を眺めるのが趣味だった。音楽出版社勤務を経て、1991年にフリーランサーとして独立。音楽出版社勤務を経て、1991年より執筆業を開始。地図や地形図の著作を主に手がけるほか、地名や鉄道にも造詣が深い。主な著書に、『地図で読む戦争の時代』『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み』(白水社)、『鉄道でゆく凸凹地形の旅』(朝日新書)など多数。現在(一財)日本地図センター客員研究員、(一財)地図情報センター評議員、日本地図学会「地図と地名」専門部会主査。

目次

はじめに

急速な欧化政策──銀座・有楽町
水車と電線会社──西新宿・代々木
塩田からタワーマンションへ──船橋
日本一の町──荏原町
日本初の水力発電所と電車──京都・蹴上
塩田と養魚場は京浜工業地帯へ──川崎
幕末以来の海軍の街──横須賀
水田とグラウンドから大厦高楼の街へ──武蔵小杉
砲兵工廠の最寄駅から大阪北東のターミナルへ──大阪・京橋
村山貯水池を目指した三本の鉄道──多摩湖
大正時代に出現した田園の遊廓──名古屋・中村
東京から埼玉へ移籍した村──浮間
「空都」から多摩の中心へ──立川
仙台南隣の宿場町は「副都心」へ──長町
中世の自治都市──堺
鉄道聯隊の村から交通の要衝へ──習志野
浜沿いの農村から住宅都市へ──芦屋
「苫屋の煙」たなびく漁村から三五〇万都市へ──横浜
水田の広がる「鹿手袋」から交通の要衝へ──武蔵浦和中浦和・西浦和
田んぼの広がる砂利電車の終点から「郊外型SC」の街へ──二子玉川
砂村新四郎が開拓した新田は今──砂町
兵員輸送の拠点港から大工業地帯へ──広島・宇品
猪苗代と利根川の名がここにある理由──東京・尾久
日本で一か所しかない文字の地名「垳」──埼玉・八潮
幕府の火薬庫から大学の町へ──明大前
今はなき碁盤目の城下町──名古屋
鉄道とビールの街──吹田
古代以来の国際貿易港の町──博多


あとがき
参考文献

参考図書

日本200年地図: 伊能図から現代図まで全国130都市の歴史をたどる
 

 

日本地図のたのしみ (ちくま文庫)

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地図マニア 空想の旅 (知のトレッキング叢書)

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地図を探偵する (ちくま文庫)

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 関連サイト

江戸、明治大正、昭和、平成——200年の歩みを、伊能図と国土地理院 ...


 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000202.000012754.html› 出版・アート・カルチャー › 雑誌・本・出版物
 
2018/10/26 - 近著『東京凸凹地形散歩』(平凡社新書)、『地図で解明! 東京の鉄道発達史』(JTB)の他、『地図で読む昭和の日本』、『地図で読む戦争の時代』(以上、白水社)など、著書は60冊以上。 《収録都市》 北海道【札幌・札幌東部・札幌北部・釧路・ ...
 

地図・空中写真・地理調査|国土地理院


http://www.gsi.go.jp/tizu-kutyu.html 
2015/03/24 - 国土地理院地図・空中写真・基盤地図情報等を提供しています ... 主題図(地理調査). 主題図とは、自然現象や人文現象を特定のテーマに沿って調査した結果を表現した地図です。 ... 日本全図. A4サイズの日本全図です。
 
 

今昔マップ on the web:時系列地形図閲覧サイト|埼玉大学教育学部 谷 ...


http://ktgis.net/kjmapw/ 
時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」 埼玉大学教育学部 谷 謙二(人文地理学研究室). 本サイトでは、全国33地域について明治期以降の新旧の地形図を切り替えながら表示することができます。収録した旧版地形図は、3,513枚にのぼります。
 
 

今と昔の地図を比べると - Yahoo!不動産 - Yahoo! JAPAN


https://realestate.yahoo.co.jp/magazine/corp_tokyojohodo/20170331-00003568 
 › おうちマガジン › 防災・災害対策
 
2017/03/31 - しかも、今は図書館に行ったり、地図を買ったりしなくても無料で過去と現在の地図を並べ、比べながら見られるようになっている。 ... 古い地形図では、地名や自治体名が現在と違っていたり、目印になる道路や鉄道がない、そもそも右から読むようになっているなど、現在とは大きな違いがあり、 ... 左側、昭和41年の時点では中央に蛇崩川という文字が見え、水色で川が表記されているが、現在の地図には川はない.