読書案内

お薦めの本を紹介します

女の子脳 男の子脳

女の子脳 男の子

      神経科学から見る

      子どもの育て方

      リーズ・エリオット

      [訳] 竹田円 NHK出版

 

女の子脳 男の子脳 神経科学から見る子どもの育て方

女の子脳 男の子脳 神経科学から見る子どもの育て方

 

 

本書は、 古今東西の男女の性差についての研究を網羅して紹介し、特に子供を持つ親に向けて書かれた本です。過去に、男女の違いについては様々な見解の書物が出されてきていますが、それらを包括的にとらえ、客観的に見つめています。著者の主張は明確で、脳の可塑性に注目し、もちろん生まれつきの男女差はあるものの、むしろその後の環境や教育によって乗り越えられるものであるというものです。

最近では、ジェンダーフリーとよく言われますが、男女の違いに着目しながら、それぞれの個性を生かしたより良い社会づくりに参考になります。男女の先天的な違いは、それほど大きなものではなく、むしろその後の教育や訓練で十分に修正できるということが大事です。むしろ男の方が、生まれたときから弱く、言葉の能力も劣る、ドロップアウトも多いなど問題が多いといいます。
現代では、すでにアメリカでは20代の女性の所得が男性の所得を上回っている都市もあるといいます。そこで本書では、男の子への指導方法に多くを割いていいます。

男女の違いを探し出す試みよりも、ともに協力して作り上げていく、多様で調和の取れた社会づくりをしていくという著者の主張に、心を動かされました。

内容紹介(amazonより)

女の子だってピンクじゃないときもある
子どもの脳には変わる力がある!胎児期から思春期まで、成長に応じて現われる性差の実像を最新の科学研究から明らかにするとともに、性差を強調したりステレオタイプ化するのではなく、子ども自身の個性を伸ばすようにアドバイスした画期的な脳科学「子育て」本。
■新生児 思春期の子どもを子育て中の親や教育関係者必見! 気鋭の神経科学者が、最新の研究成果をもとに子どもたちの「脳の作られ方」に迫る。

 出版社からのコメント

子どもの脳には変わる力がある!

男の子をなるべく抱っこしてあげたほうがいいのはなぜ?
女の子の親は、子どもの運動能力を過小評価しがち!?
男女別学がおススメできない理由は?

気鋭の神経科学者による、胎児から思春期までの「脳の育み方」。

著者等紹介

リーズ・エリオット (Lise Eliot)
神経科学者。ハーヴァード大学卒業後、コロンビア大学で博士号取得。
ベイラー医学校でポスドクとして研究生活に入る。
現在は、ロザリンド・フランクリン医科学大のシカゴ・メディカルスクール神経科学科の
准教授を務める。大学での講義と執筆活動に加え、子どもの脳の発達と成長について
全国で講演も行っている。
前著に、全米ベストセラーとなった"What's Going On in There?: How the Brain and Mind Develop in the First Five Years of Life"がある。本書が初の邦訳。

竹田 円(たけだ・まどか)
東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専攻はスラヴ文学。『脳は鍛えるには運動しかない』(ジョンJ.レイテ著、NHK出版)ほか翻訳協力多数。

目次

はじめにー男の子と女の子って本当に違うの

1 お腹の中のピンクとブルー―受胎から誕生まで
2 ピンクのおくるみ、ブルーのおくるみ―赤ちゃん時代
3 遊びを通じて学ぶ―幼児期
4 学校生活のはじまり―いよいよ小学生!
5 言葉の不思議―「女性は言語能力に秀でている」は本当?
6 数学の壁―「男性は生まれつき数学が得意」は本当?
7 ラヴ&ウォー―「女は共感的、男は攻撃的」は本当?
8 真の調和を求めて

謝辞

訳者あとがき 

参考図書

男の子の脳、女の子の脳―こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方

男の子の脳、女の子の脳―こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方

 

 

男脳と女脳 人間関係がうまくいく脳の活用術

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男女脳戦略。――男にはデータを、女にはイメージを売れ

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